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小生書いてみたよ小説

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何か“降りてきた”ら、書きます、小説。
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2024年6月の記事一覧

窓越しの恋人を

窓越しの恋人を

雨の時期になると
気が滅入る人が多いけど
私は大丈夫

私の部屋は戸建ての1階で
外には大きめの庇があって
こんな雨の日に
雨宿りするにはもってこいの場所で

すりガラス越しに
ちょっと屈んで外が見えない格好をして
どんな人が居るのか見るのが好き

何だか一人じゃない気がして嬉しくなる
そう、
いっそ、
その人を大好きと思ってしまうと
心がときめいて
白昼夢の世界に飛んでいける

今日は背の高い人

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隠し事

隠し事

今私は隠し事をしている
昨日の夜から夜中にかけて
物凄く力を使った

私は死体を隠している

どうして男はああなんだろう
優しい顔をした狼は本当だ
狼の方が優しいかも知れない

間一髪で頭上から
フライパンを振り下ろした
頭から血が吹き出して倒れた
白い服だった
汚してごめんね

まだ誰にもバレていない
でもどうしようかと悩んでいたら
死ぬ為にお寺等を
お参りするツアーを見つけた

スーツケースに

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夢の続き

夢の続き

「あんた、夢を見るのかい?」

歩道の脇に座り込んでお酒飲んでる
おじさんに声を掛けられた

私はびくんとした
夢と言われて思い出したから

妙な夢を見るんだ
だから
おじさん、何でそんな事聞くの?って
びくんとしたの

少し躊躇して、こくんと頷いた

「だろうー、そんな顔してるさー」
おじさんは夢の内容も知っている様に
当たり前な口調で言った
だから動きたくなくなった

「いかんなー、まだ中学生

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