なぜ解熱鎮痛薬に酸化マグネシウムが配合されるのか?を調べてみた
こんにちは
ここでは、『生活習慣病』や『市販薬』など、健康になるために知っておきたい事について書いていきます。
みなさんの暮らしに少しでも参考になれば嬉しいです☺️
本日は『なぜ解熱鎮痛薬に酸化マグネシウムが配合されるのか?』です。
はじめに
解熱鎮痛薬(成分)については、こちらでも少し触れました。
まだ見てない方は是非↓
まずは、痛みや発熱の仕組みから簡単に説明していきます。
痛みや発熱は、体内で生成されるプロスタグランジンおよび、その代謝産物の働きによって生じます。
そもそも、プロスタグランジンがなぜ生成されるのか?
それは、身体に危険を知らせる為(防御反応)です!
例① 発熱
体内にウイルスなどの異物が入ると免疫細胞が異物を排除しようとします。
その時にサイトカイン(炎症成分)と呼ばれる物質が放出されます。
サトカインが血流に乗って脳に辿り着くと、脳内の血管でプロスタグランジンが生成されます。
そして、プロスタグランジンが脳の視床下部に体温を上げるように命令すると熱が上がります。
これは、体温を上げることにより
免疫活動がしやすくなる&ウイルスが弱まる温度になる
からです。
例②生理痛
また、プロスタグランジンはホルモンに似た働きをします。
生理は、厚くなった子宮内膜の一部が血液と一緒に体外へ排出されて起こります。
この時にプロスタグランジンが分泌されて、子宮の収縮を促します。
プロスタグランジンの分泌量が多いと、激しい生理痛になってしまうのです。
・酸化マグネシウム
酸化マグネシウムと聞いてどんなイメージがありますか?
CMで便秘薬として紹介されてたりします。
これは、酸化マグネシウムが水分を吸収して、カチカチの便を柔らかくして出していきます。
酸化マグネシウムは他にも制酸成分として胃腸薬に配合される事があります。
制酸成分とは、中和反応によって、胃酸の働きを弱める目的で使われます。
今回は、この制酸成分としての酸化マグネシウムの役割が解熱鎮痛薬で重要になってきます。
・役割① 胃腸障害を減らす
先程、プロスタグランジンは痛みや発熱に関係している事をお話しました。
そのプロスタグランジンは胃腸では、胃粘膜の血流改善や傷ついた胃の細胞を修復する「胃の防御因子」としての働きがあります。
しかし、解熱鎮痛成分の使用で、プロスタグランジンの生産を抑制する事により「胃の防御因子」としての役割を阻害する可能性があります。
つまり、プロスタグランジンは
①痛み・発熱
②胃を守る
の役割があって、解熱鎮痛成分によって①も②も抑えられてしまうのです!
そこで
酸化マグネシウムを配合して、胃酸の働きを弱めて胃腸障害(胃が荒れる)のを防ぎます。
・役割② 解熱鎮痛薬の効果が速く効く
解熱鎮痛薬で『速く効く◯◯クイック』とか聞いたことありませんか?
この速く効くのも酸化マグネシウムのおかげなのです。
酸化マグネシウムは制酸成分です。
酸を制する
つまり、酸性に傾いていたPHを酸を抑えてアルカリ性に傾けられるということです!
胃で考えると、酸性寄りになっている胃内をイイ感じに中和して、解熱鎮痛成分を速く解かす&速く吸収させる事ができます。
さいごに
今回は解熱鎮痛薬に酸化マグネシウムが配合されている理由についてお話しました!
成分表に地味に載っている酸化マグネシウムですが、実は縁の下の力持ちだったのです💪
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