インターネットテレビ局「AbemaTV」を調べてみる(前編)
こんにちは。matsumotoo(@matsumotoo988)です。
今回は先日累計4,000万ダウンロード(スマホAPP)、週間アクティブユーザー数1,000万突破した「AbemaTV」について観察していこうと思います。まず前編では全体的にみていき、後編では気になったところを深掘りしていきたいと思います。
なぜAbemaTVが気になったのか?
ダウンロード数4,000万すごい!ただ赤字も大きいので、理由を知りたくなりました。
AbemaTVはどんな事業か?
サイバーエージェントとテレビ朝日の合弁会社の株式会社AbemaTVが運営しています。
先ほど大きな赤字があるとお伝えしましたが、親会社のサイバーエージェントが次期の中長期の柱にすべく投資している事業になります。(参考:新規投資家向け資料)
また現時点でも先行投資期であり、売上・制作費どちらも拡大していくフェーズであり、製品ライフサイクルでいう成長期だと思われます。
■利用状況について
10代〜30代の若年層がメインユーザーとなり、アプリのダウンロード数・アクティブユーザー数も右上がりのようです。また月間アクティブ率も他サービス比較でも良さそうに見えます。
■コンテンツ状況
以下の様な体制で放送しており、サービス開始から着々とチャンネル数・番組数なども充実しています。またAbemaTVの独自コンテンツなどもあり、ユーザーの利用に繋がってそうです。
※独自コンテンツ資料は2017年8月のプレスリリースより
基本的なビジネスモデルについて
まずはAbemaTVの利用のされ方です。基本的にリニアorオンデマンドのみと併用の3パターンあり、近年ではより併用率が高くなっています。
その上で以下のように無料視聴をきっかけにし、有料会員数を増加させていると思われます。つまりフリーミアムでの動画配信と広告(後述します)を軸としているようです。
ただ最近では、放送外収入としてテレビショッピングや公営ギャンブルなども始めており、多角的なモデルを目指している様です(参考記事)
収益モデルについて
大きく動画配信系(月額課金・広告)と放送外収入(買えるAbemaTV社・ギフティング機能・WinTicket)があります。月額課金の会員数は、2019年3月時点で40.1万人となっています。
ちなみに広告については、2017年にAbemaTV Data Labsの設立したり、広告会社と資本業務提携/運用型広告強化などを実施。広告会社の販路が伸びているらしく、広告収入も増加しているそうです(決算説明会 質疑応答より)
AbemaTVは社会的に追い風(PEST分析)
見出しのとおりですが、インターネットによる動画配信の上で必要なインフラ(閲覧者・配信側の環境)であったり、スマホ/タブレットでの動画閲覧習慣などができていたためです。またAbemaTVのサービス開始前にNetflixやHuluなどが既にあったことから、コンテンツホルダー側の理解もあったと思われます。
初回利用ハードルが低いポジショニング(STP分析)
トライアルに会員登録が不要であったり、フリーミアムなので、他サービスのように無料お試し期間の制約がないことから、非常に利用ハードルが低いポジションに位置しているようです。このことから、他動画配信サービスと比べてみると、見込み顧客の獲得コストが非常に低そうです。
なぜAbemaTVにこれほど注力するのか?
まずは市場環境からです。シンプルにいうと、インターネット広告費は年々増加するトレンドで、モバイル広告・動画広告市場も拡大していっている状態です(以下参考)
そんな状況の中でAbemaTVを第2のアメブロにすることを目指しているのではないか?という仮説です。つまり自社でメディア運営を行い、それを代理店を介さず直接広告枠を販売するモデルです。これをすると、代理店経由で販売した場合に発生するマージンが抑えられるため(広告主に直売りできるため)、利益率が高くなると思われます。
まとめ:観察して感じたこと
今回は「ユーザー数が多いが、赤字も大きい事業をなぜ続けるのか?」を調べてみましたが、“AbemaTVを第2のアメブロにすることを目指している説”が答えになります。
また現在は好調ですが、基本的にゲーム事業は好不調の波がある性質のため、多少の赤字を許容しても安定した利益を作れる事業を創出→ゲーム事業へ投資できる体制を作りたかった可能性もあります。
また後編ではどのような内容を深掘りするか検討中ですが、以下みたいな内容を調べてみようと思います。
面白かったこと気づき(おまけ)
(1)TVのリモコンにAbemaTVのボタンが搭載されている
(2)日本国内だけでなく、海外展開もしている
(3)マルチメディア対応が異次元に幅広い
(4)長期休み中の特番に注力している(新規ユーザー獲得)
(5)スポーツなどで放送で新しい取り組みをしている
(6)オリジナルコンテンツにすごく尖った作品もある。地上波だとできなさそう。
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お読みいただき、ありがとうございました。
自分なりに調べてみましたが、もし何かの参考になりましたら、幸いです!
今後もマーケティングなどを観察していきますので、よかったらフォローください!
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