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「極楽浄土」の話

 身近な人が亡くなる度、「極楽浄土は何処にあるのか?」という疑問が頭の中をグルグルと駆け巡る。
 俗に、極楽浄土は娑婆世界から西方へ“十万億仏土”を過ぎた処にある世界で、美しい華が咲き誇り、美しい鳥が優雅な声で囀り、大地には黄金が敷き詰められているという。
 そんな極楽浄土は何処にあるのだろうか。そもそも、どの地点からみた西方なのか。やはり、そこはお釈迦様の故郷・インド北部より西の方角とするのが妥当であろう。それは現代の中東辺りか? ならば、極楽浄土は“エデンの園”か。いやいや、さらに先のヨーロッパ大陸にあるだろうか。そう言うものの世界地図を眺め回しても、それらしい場所は見当たらない。極楽浄土はすでに失われた国なのか?
 「失われた国」と聞くと、古代ギリシアの哲学者プラトンが書き遺した“アトランティス大陸”を思い出す。アトランティス大陸は地下資源が豊富で、農業・畜産も盛んだったといわれている。
 さて、西洋世界と東洋世界の接触はアレキサンダー大王の遠征にはじまるとされる。もしかしたら、極楽浄土の思想にはアトランティスの伝説が影響しているのではないか。ついそんな想像をしてしまうのだ。でも、そんなことを言ったら、阿弥陀様に「不信心者!」と叱られてしまうに違いない。(了)

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