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【随想】 知の網で世界を掬う

 昔から学校の勉強というものは好きではないが、いろいろなモノゴトを“知る”コトは好きであった。庭で虫を捕り、図鑑で調べる……etc.などなど
 本を読む。話を聴く。観察する──モノゴトを“知る”とき、常に心掛けているコトがある。それは知識の扱い方。「あつめる」「みつける」「くっつける」の3つのコト。

 あつめる。──知識は好奇心の趣くままに収集する。まったくの自由に。発信者の肩書きに惑わされずに収集する。専門誌からもタブロイド紙からも。権威に惑わされず、より多角的に。知識の収集には貪欲であれ。手当たり次第に。鵜飼の海鵜トリが鮎を丸呑みするが如く、先ずはトコトン集めるべし。

 みつける。──“知らないコト”をみつける。手持ちの知識が増えると、それに呼応して“知らなかった領域”もみつかるもの。その領域を埋めようと、また知識を集める。それが、当初集めていた知識と別系統の知識モノでも構わない。知識が増えてゆくのは嬉しいもの。だが、それ以上に、自分の知らない領域がみつかるのも嬉しいものである。

 くっつける。──知識は下から上へと積み上げるモノではなく、くっつけて横へ横へと拡げてゆくモノだと思う。ピラミッドを造るのではなく、大きなネットを織り上げる感覚。それも世界を覆い尽くす程の大きなネットを。己の構成力を駆使して新たな知識のネットを編み上げるのも面白いではないか。そして、知識のネットでもって森羅万象この世のすべてを掬い上げる。是又愉快至極。

 そう、知識は“入力”するコトも大事だが、如何に自分の言葉で“出力”できるかが肝要である──と思う。

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