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*脚本の本棚*家出少女

『家出少女』

作 モリシタン

世界観【仲良し高校生が青春する話です。】
ジャンル《コメディ》

男(演者の名前)+(男役)と書いたモブ: ♂
厨二病、馬鹿、うるさい、3拍子揃ったダメ人間
※兼ね役

女(演者の名前)+(女役)と書いたモブ:♀
冷静沈着なお姉さん系女子、普段は男に振り回されている。
※兼ね役

美緒:♀
常にエロ漫画ばかり読んでるスーパー腐女子のオタク、それを知らない人間から見ると文武両道のモテ女子。

浪江:♀
一般人を絵に描いたような一般人
鳥町と仲がいい。

鳥町+(鳥町)と書いたナレーション:♂
一般人を絵に描いたような一般人、パーティに一人居たら便利だが一人だけだと輝かない。
※兼ね役

驚木:♂
美緒が好きな熱血野郎
いちいちリアクションが大きい
普通にいいやつ。

戸井:不問
声の高い男子生徒
家が貧乏で不幸体質
とても元気でポジティブな性格

*-*-*-

男:ここに一人
家出をした少女がいた。
彼女はなぜ家出をしたのか、
寒空の下で肌を震わせながら感じているものは一体何か
はたして友人として俺たちは彼女を無事家へと帰還させることができるのか...

男「イッタイドウナッテシマウンダー」

鳥町「いや何言ってんだよ」

〜少し間を空けて〜

浪江「はぁ...」

美緒「浪江、いい加減教えてくれない?なんで家出なんかしたの?」

女「そうよ、黙ってたら何も進まないわ」

浪江「いいわよ別に
私に構わなくても...ていうか、なんで6人も集まってるの」

驚木「俺たちはグリコしながら下校してたら偶然見かけた」

浪江「あんた達来たのついさっきよね...どんだけ長いことやってんの
もう夜の8時よ...」

鳥町「急に誰かがコンビニ行きたいとかバッティングセンター行きたいとか言って、 目的地が変わってったからな」

浪江「それわざわざグリコで移動し続けなくてもいいでしょ...」

男「これは偶然じゃない!運命だ!きっと浪江は心の底ではこう思ってるのさ!...助けて....ってさ」

女「どちらかと言うと助けられるべきなのはあなたの頭の方だと思うわ」

美緒「浪江も年頃の女の子!時にはこんな風にセンチに浸りたいこともあるわ!無理はしなくていい、気持ちが落ち着くまでここにいればいい、私達はいつまでだって付き合うわ...マイベストフレンド...」

浪江「あんたも若干ワクワクしてるだろ
テンション上がってるだろ」

驚木「まあでも女の子をこんな時間にこんな場所に一人で居させるなんて普通に無理な話だよな」

浪江「いや、本当に無理しなくていいから...わかった帰る、帰るから」

鳥町「いやいや、それはこっちの台詞だ
俺たちに気を遣ってまで帰る必要はねぇよ」

浪江「...」

戸井「そうだよ!何故なら俺たちは親友だから!」

浪江「だれ?」

戸井「“こい”です!」

男「あー、浪江は会ったことなかったっけ
俺たちのツレだ、気にしないでくれ」

戸井「得意技はポジティブシンキングです!」

浪江「聞いてないこと答えるんだけどこの子...」

女「たまにいる痛いタイプの子ね」

鳥町「とりあえず事情を言いたくないのはよくわかった、少し浪江以外のやつで作戦タイムをとらせてくれ」

浪江「なんの作戦よ」

浪江以外:ヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソ

浪江「え..何、目の前で堂々とコソコソ話って...」

↓ここから浪江から離れて会議

鳥町「どうする?」

驚木「どうするって何がだ」

鳥町「事情を教えてもらわないと

落ち込んでる浪江になんて話かければいいかわからないじゃん、なんとか聞き出すべきだと俺は思う」

女「そんな無理にしない方がいいと思うのだけど...」

男「あーいう女子ほど、本当は吐け口探してるもんだぜ」

驚木「そうなのか...」

驚木:じゃあ俺も美緒が悩んでる時は積極的に話しかけた方がいいのか

美緒「茶碗蒸し食べたい...」

驚木:あ、一生悩むことないわこいつ

戸井「しかし今の浪江さんは強固な金庫のようなもの...あの人から“秘密”を聞き出すのに、いったい幾つのセキュリティを乗り越えないといけないのか...」

鳥町「ふふふ...そこで考えた俺の作戦はこうだ」

男「どうせアホな作戦だろ?」

鳥町「うるさい!黙れ!驚木を筆頭に喋るな!」

驚木「何故俺!?」

鳥町「ズバリ
これからくじ引きで順番を決めて、その順番で一人ずつ浪江と話をしに行くんだ
名付けて”みんなは一人のために“作戦だ」

美緒「なるほど
一人一人と会話していくことで、少しずつ浪江の心を開く&メンタルケアをしていこうと言うわけね」

女「でもそれ、誰かが迂闊なこと言ってしまったら終わりじゃない?」

鳥町「その可能性はあると思ったが...大丈夫だ」

女「根拠は?」

鳥町「俺たちは...友達だ」

〜少し間を空けて〜

鳥町「浪江のことはよく知っている。浪江だって俺たちのことをよく知ってる。そんな俺たちが浪江に対して心を傷つけてしまうような...迂闊なことを言うことなんてないと俺は信じている」

戸井「そうだね!!」

戸井・浪江以外「あ......」

〜少し間を空けて〜

戸井「え、なに?なに?どうしたの?」

鳥町「戸井...」

戸井「なに?」

鳥町「すまないが
お前はこの作戦から外れてくれ」

戸井「えー!?なんで!?」

鳥町「なんでー?じゃねぇよどう考えてもダメだお前は」

驚木「開口一番だれ?って言われてたもんな...」

戸井「やだ!仲間に入れてよバーニー!」

男「そうだぞバーニー」

鳥町「誰だよバーニー!」

女「試しにこの子を行かせてみれば?」

鳥町「あー...それはいい考えかもしれない、よし戸井、 鉄砲玉になる根性があるならお前を仲間に入れてやろう」

戸井「うん!俺、なんでもするよ!」

驚木「お、おい戸井、そういうの迂闊に言うのはやめた方がいいぜ...」

女「速攻で迂闊なこと言ってるわね」

男「ならばいけ!!お前との対話を見て浪江の状態を見極めてやろう!」

鳥町「おいそれ俺の台詞!」

戸井「イエッサー!戸井軍曹、行ってまいります!」

〜会議終了〜

浪江「やっと謎の会議が終わったと思ったら...」

戸井「うふふふふ...」

浪江「なんでそんなに距離を詰めて座るの...?」

戸井「俺はもっと...浪江さんと仲良くなりたい...!」

浪江「いや仲良くなりたいのはわかったけど、いきなり迫られると困るんだけど...」

女:いきなり引かれてるわね

戸井「あ...ご、ごめん」

鳥町:おいおい、そんなに攻めておいて たじろいでんじゃねーよ

戸井「俺、不器用だからさ...今まで友達もそんなにできなかったし...」

浪江「へぇ」

戸井「でも、○○(男)や、鳥町...それに驚木が、凄く仲良くしてくれるんだよ
俺の、はじめての親友...」

驚木:戸井...昨日会ったばかりなのにもうそんなに想ってくれてるなんて..

鳥町:怖いな、あいつ

戸井「親友の親友である君も、もう俺の親友だ
だから、楽しいことも、苦しいことも、どんな時も君と共有したいんだ..!!」

美緒:あれはもう告ってるのでは?

女:告ってるわね

男:だがあんなこと言われて動揺しない人間はいない!

鳥町:見せろ、隙を‼︎

浪江「う、うぅ...ん」

男:あ、あれは動揺してるな

驚木:でもどっちだ?好意的なのか?引いてるのか?

女:引いてるでしょ

浪江「ま、まあ仲良くするくらいなら全然よいから...」

鳥町:デレた!

男:初対面の女子相手に...ヤツめ、さては天才か!

美緒:ん?あれ、何か飛んで来て...

戸井「ほんと!?じゃあこれからブフォ!!!」

〜コーンッ!〜

驚木:な...!戸井の頭にとうもろこしが..!

美緒:コーンって言ったわよ!コーンだけにコーンって...!

浪江「えっあ...ちょ、大丈夫...?」

戸井「...あ、アハハ、大丈夫だよ
こういうの慣れてるから...」

浪江「手、貸そうか?」

戸井「ありがとう!よっこら...」

モブ蕎麦屋(男役)「あ!!あぶなーい!!」

〜ガッシャーーン!!〜

鳥町:あぁ!!戸井がものすごく車輪に回転がかかった自転車と衝突して頭から蕎麦ぶっかかって転けた、自転車だけに!

驚木:ていうかなんでこの時代に、しかも夜中の8時に蕎麦屋が自転車に乗って公園走ってんだよ!完全に当たり屋だろうが!

モブ蕎麦屋(男)「大丈夫かい!?あっ、時間がもうない!悪いねあんちゃん!俺はこれから大統領に蕎麦届けなきゃならねぇんだ!」

女:どう頑張っても転車じゃどの大統領にも辿りつけないでしょ...なんだったの今の

浪江「だい...じょうぶ...?」

戸井「ぃ...ぃたぃ...」

浪江「戸井くん...?」

戸井「うああぁぁーーん!」

浪江「あぁー大丈夫!どこも怪我してないから!ね?そんなに泣いちゃうともっと疲れちゃうよ!」

戸井「うぅ...グスン...ごめん...」

浪江「よしよし」

男:なんで逆に慰められてんだあいつは!

鳥町:もういい引け!お前はよくやった!!

驚木:次は誰が行く?

男:俺が行こう
逆に慰められたとは言え、今の戸井の特攻で浪江にまだ人を慰めるだけの余裕があることはわかった。

鳥町:称賛はあるようだがお前は馬鹿だ...死ぬなよ。

男:俺はバカじゃない...不器用なだけさ
家出した女の子一人抱きしめられないくらいな...

美緒:もし抱きしめたらどうする?

驚木:殴る

鳥町:蹴る

女:絞める

〜少し間を空ける〜

男「浪江、本当に何があったんだ?俺にだけでいい、教えてくれないか?」

浪江「だからいいって言ってるでしょ
そこまで心配されると逆に帰り辛いんだけど」

男「そこをなんとか...」

浪江「は?」

男「俺にだけは教えてくれ、頼む」

浪江「嫌だって...」

男「大丈夫絶対あいつらには聞かれない、いける」

浪江「いや本当に無理だから...」

男「後生の頼みだ!」

浪江「いやだ!!」

男「なんでだよ!!!」

浪江「どんだけ聞きたいのよ!!どうせ何が目論んでるんでしょ!?」

男「人間の探究心に理由も底もいらない!よーしならわかった、5000円でどうだ!」

浪江「こんなに最低な人間はじめて見たわ...」

男「その程度の煽りで俺が退散すると思うなよ...おそらく俺の後どんな奴が来てもお前の口を割るのは不可能だ。美緒は自己中心的だし鳥町は理屈屋、○○(女)は無愛想で驚木に関しては別の女ばかり見ている...。」

鳥町:なんだとあの野郎...!

女:待って、一応もう少し様子を見よう

浪江「ほとんどあんたのことでしょ...」

男「つまりここで俺が絶対に決めなければならないんだよ!!」

浪江「あんたになんかハナっから何も話す気はないのよ!」

男「そう言ってられるのも今のうちだぞ」

浪江「なによ」

男「俺の情報網を甘く見るな、俺は学内に点在するあらゆる“痛い奴ら”と繋がっている。その痛い奴らから入手したお前の“痛い情報”も俺はすでに掴んでいる!」

浪江「生憎だけど私はあんたと違ってやましいことなんか何も持ってないの」

男「三月三十一日...」

浪江「なっ...!」

男「...どうした?顔色が悪いぞ」

浪江「まさか、その情報は」

男「ふふふ、お前はこの日にあるアーティストのライブに行っているな?そしてお前はそのアーティストのファンクラブに入っている...合ってるね?」

浪江「...」

男「そこは”奇抜な衣装“を着てライブ観覧をすることで有名なファンクラブ...その日はライブに遅刻しそうになったんだろう、本来なら会場で着替えるべき衣装をお前は着た状態で街中を出歩いた」

浪江「馬鹿な!私は家を出てすぐ流石に恥ずかしいと思って引き返した!あんな一瞬の出来事を知ってる人間なんて!」

男「ふふふ...言っただろう?”痛い奴ら“の情報だと、その時お前の家の前でカメラを構えていた生粋の浪江オタクがいるのさ」

浪江「いや...ちょっと待って
それ普通に怖いから、誰が撮ったの?教えて?」

男「青ざめたな浪江!!」

浪江「うわっいきなり変なテンションにならないでよ」

男「ふははははははははは!!これが我が尋問経路だ!自分の着た衣装を思い返して、蕎麦屋と衝突した戸井の時より恐ろしい結末になるのを気づいたようだ....ぐふぉ!!!」

浪江「?」

鳥町「すまない、止めるのが遅れた」

女「ちょっと待ってて...」

戸井:俺以外の四人に引きずられていった○○(男)は殴られ、蹴られ、絞められ...昇天したと思ったら復活させられてまた袋叩きにされた...。

〜少し間を空けて〜

美緒:ふふふ、とうとう出番ね

女:大丈夫なの?

美緒:こう見えても私は浪江をモデルにキャラクターを作ろうとしてる程の生粋の浪江オタクなのよ

鳥町:お前が犯人だったのか

美緒:故(ゆえ)に私は浪江の気持ちを...読める!

女:飛躍したわね

驚木:何が故にかわからんが、まあたしかにこの中じゃ一番浪江と友好関係が長いのは美緒だよな

鳥町:幼馴染なんだっけ?

美緒:そう...あの頃を思い出すわ...

〜美緒浪江幼稚園時代回想編(声を幼く)〜

美緒「なみえ〜!」

浪江「なぁに?みおちゃん」

美緒「わたし、きのうみちばたでスゴいもの見つけたのー!」

浪江「へぇー、なになに?」

美緒「えろまんが!!!」

浪江「えろ?えろってなーに?」

美緒「えろっていうのはー」

美緒母(女役)「秘技!!!サザンクロス!!!」

ナレーション(鳥町):説明しよう!!『秘技サザンクロス』とは、口元に指でペケマークを作り、「ここから先は禁句です」を意味する技だ!!

浪江「あー!みおちゃんのママだぁ〜」

美緒母(女役)「やあ少女達、元気に砂場遊んでるとこ悪いがもうすぐ空が闇に包まれる。“やつら”に勘付かれたくなくば早々に根城に帰るがいい!ていうか浪江ちゃんは家まで送ろう」

浪江「やみ...?やつら...?みおちゃんのママはいつも何喋ってるのかよくわからないなぁ」

美緒「むぐぐ...っぷはぁ!

母上!」

浪江「ははうえ...?」

美緒「何故止めたのですか!これから私は盟友と秘密を共有しようとしていたのに!」

美緒母(女役)「愚か者!エロ漫画など美緒にはまだはやい!具体的にはあと十数年はやい!部屋に隠していた“物(ぶつ)”もすでに回収済みだからな」

美緒「なん...だと」

浪江「...(汗)」

美緒母(女役)「あー浪江ちゃんごめんね、我が家のノリに付き合わせちゃって、いつも美緒と遊んでくれてありがとうね〜、みんなで帰ろっか」

浪江「はぁ...はい。」

美緒母(女役)「あれれ〜引かれちゃったかな〜?(汗)」

美緒「母上ぇー!私の...私の漫画を返してくださいーーー!!」

〜回想終了〜

美緒:懐かしいわね...

鳥町:今の回想はなんだ、お前の母ちゃんの恥晒しか

驚木:美緒は昔から変わってないんだなぁ

美緒:この出来事が今の私を構築していると言っても過言ではないわ...

女:無駄な回想だったわね、はやく浪江のとこに行きなさい

美緒「よい、ならば見せてやろう、母から受け継いだこの...あれを!!」

驚木:あ、詰まったりするんだその言い回し

〜少し間を空けて〜

美緒「うふふ」

浪江「チェンジ」

美緒「はーーーー???」

浪江「いや、あんたは無理でしょどう考えても」

美緒「なにがよ!」

浪江「気持ちが落ち着かない、ていうかイライラする!」

美緒「ハッキリ言うわね!!」

浪江「ていうか戸井と○○(男)に続いてなんであんたなの?なんで話せなさそうなのしか来ないの?一人ずつ来る理由もわかんないし」

美緒「私は...!浪江のことを心配して...」

浪江「いや、ごめん...」

美緒「ああああああああああああ」

〜少し間を空けて〜

美緒:.....チーン

鳥町:まさか美緒がこんなにはやく堕ちるとは

男:よし驚木、いけ

驚木:俺か?

男「惚れた女をこんなにされてお前は黙ってられるのかよ!!!!!」

驚木「あああああああ待ああああてええええ!!!遮(さえぎ)る間もなかったよ!!いや違う!違うから!な!?美緒!?」

美緒:......チーン

驚木「いやチーンっじゃねーよ!放心してんの?どんだけショックだったんだよそれはそれでよかったけど!」

戸井:へぇ〜驚木って美緒さんが好きなんだ〜?

驚木「い、いや別に好きじゃないよ!?だ、だだ誰がこんなエロ漫画ばっかり読んでるキモオタに惚れるって...?ありえないだろ、一生部屋にこもって漫画読んでるんだぜきっとこいつは!」

戸井:うわぁひっど...後で美緒さんに言ってやろ

驚木:.....やめて

戸井:好きだなぁ

男:おいおい、驚木をいじめんな

鳥町:まあとりあえず流れ的に次は驚木...

女:待って

鳥町:ん?

女:私がいく

男:おぉぉ?お前こういうの率先するタイプだっけ?

女:友達が困ってるんだから当然でしょう

鳥町:何か勝算があるのか?

女:終わらせてくる

〜少し空けて〜

女「浪江...あなたの悩み、凄くわかるわ」

浪江「○○(女)...」

女・浪江「ヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソ」

鳥町:な!?あいつら俺たちに聞こえない声で喋りだしたぞ!

男:なんて卑劣なやつらだ!あからさまに見えてる位置でヒソるなんて!!

驚木:ヒソるってなんだよ、ていうか俺達も浪江の前でヒソヒソやってただろ

戸井:みんな仲良いんだなぁ

〜少し間を空けて〜

浪江「っ...ありがとぉーー!!」

鳥町「え?」

浪江「○○(女)!完全にスッキリした!もう何も気にしない!」

驚木「おいおい突然だな、何の話をしてたんだよ」

女「少しは自分で考えた方がいい」

男「もったいぶってんじゃねーぞ!このブフォ!!っ....なんで殴るんだ!」

女「なんとなく」

鳥町「浪江、本当に大丈夫なのか?」

浪江「いやぁ〜、ほんと、全然平気だから」

鳥町「無理してないか?」

浪江「ない!」

鳥町「お前、もしあまりにも家庭環境がブラックだったりするとかなら遠慮なく相談しろよ...?」

浪江「だから...大丈夫だって...」

戸井「もしまた家出したくなったら俺の家に来なよ!」

浪江「だからなんであんたはそんなに距離感が近いのよ...」

鳥町「浪江!」

浪江「は、はい...!」

鳥町「ほんっっとに大丈夫なんだな?」

浪江「う、うん」

鳥町「じゃあいいだろう、今回だけは許す」

浪江「何を許されないといけないのよ...」

鳥町「心配してるんだ、当然だろ」

浪江「いや、本当にごめん...」

鳥町「顔色が悪いぞ!?」

浪江「だああああああもういい!わかった!!わかったから!心配してくれてありがとう!!もう帰るね!!バイバイ!」

鳥町「おう、気をつけて帰れよ!」

〜浪江帰還〜

男「はぁ...」

驚木「おいおい○○(女)、いったい何を言ったんだよ」

女「言ったでしょう、少しは考えてって」

鳥町「なんなんだよ...」

女「そうね...じゃあヒントをあげる」

驚木「なんだ?」

女「彼女が困ってた原因は”人間関係にはあっても家庭は関係していない“」

〜少し間を空けて〜

美緒:ここに一人
家出をした少女がいた。
彼女はなぜ家出をしたのか、
寒空の下で肌を震わせながら感じているものは一体何か
それを知る友人は後にも先にも“一人きり”。
私達が友人としてできたことは結局、
”友人として彼女を振り回す“ことだけ、
これからもきっと、
そんな平穏が続けばいいな...

                 おわり

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