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NPC(ノン・プレイヤーキャラクター)がいないと、ゲームは成り立ちません

PRGのゲームをやると、どのゲームにも必ずNPCが登場します。NPCというのは non player character の頭文字で、その名の通り、操作できないゲーム内のキャラクターのことを指します。例えば、どのゲームにも単なる通行人がたくさんいます。あるいは、ゲーム内のところどころにアーマーとか弾薬を買える隠れ家のような場所があり、そこに入ると常に売人がいて、武器を売ってくれます。ゲームの設定がどのステージでも、あるいは夜中だろうが昼間だろうが関係ありません。必ず同じ内装の部屋に、同じ服を着たおっさんがいて、同じセリフで、武器や弾薬を粛々と売ってくれます。

最近カリフォルニアに帰った時にふと思い立ってアサシン・クリード」というRPGゲームを10年ぶりくらいにプレーしたのですが、街ゆく人々や武器商人など、10年前にプレーした時と少しも変わらない人々がゲーム内の世界を淡々と生きていて、まるで、久しぶりに故郷に帰ったときのような不思議な懐かしさを覚えました。

さて、現実の生活でもこれに近い体験は少なくありません。僕はもう海外に移住して17年になりますが、日本に帰った折にコンビニエンス・ストアに入れば、いつ何時にどこの街で入っても、同じ制服を着た従業員が同じようにバーコードをスキャンし、「袋にお入れしますか?」とか「Tポイントカードはお持ちですか?」などと尋ねてくれます。朝夕に電車に乗れば疲れた顔のサラリーマンがすし詰めで乗っています。あるいはバスに乗れば運転手さんがいつもと同じ制服で、同じような低い声で「発車しま〜す。お近くの手すりにおつかまりください」と、何やら厳かな口調で告げてくれます。

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