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DL Japan 2024 「Keynote speech “Different ways of exhibiting student work 生徒の作品を展示する様々な方法” by Ron Berger」その1

Keynote speech
“Different ways of exhibiting student work
生徒の作品を展示する様々な方法” by Ron Berger

前回の記事

1日目が終了し、2日目。前日に「明日は皆が作った作品を展示するよ」とアナウンスがあった。

そして、最初はロンからの展示に関するキーノートスピーチ。
のはずが…ロンの手元にあの本が…

ロンの手にあるのは…

「生け雑草」の事例紹介をお願いされて前へ…
「まじか聞いてない、やばっ…。」
でも本音を言うと、去年さとさんから英訳してロンに渡すことを勧められ、悦子さんにロンにファイルを共有してもらって、ロンからメッセージをもらってた。だから今回の会でもしかしたら話題されるかも…と若干の期待はしてた。本にして会場に持って行ったっのもそれを狙ってたところはある…笑」

「ニッチなものにスポットライトを当てたい。そこに魅力を感じられる子どもたちになってほしい」
そんな想いを持って行った実践だったと言うことを共有させてもらった。
そしてロンから
「これはbeautiful workだ。この事例は、日本での実践で初めて【EL education】に載った事例として、色々な場所で紹介している。日本でもこんなことが行われているよって」と言っていただいた。
EL educationはロンが所属している団体で、そのHPには今回のワークショップでロンが紹介してくれた実践がModels Of Excellenceとして紹介されている。「生け雑草」はそのModels Of Excellenceの1つとして、日本で初めてModels Of Excellenceに認定された事例として載せてもらっている。
実際の「生け雑草」のデータはこちら⤵️(本としてほしいという方は個別に連絡をください)。

ただ、ロンの実践を聞いていて、この実践には「大きな欠陥がある」ことに気がついた。それもとてもとても重要な部分が…
それは、beautiful work(美しい作品)を学校で行う本質的な目的の部分である。
ロンは生徒がbeautiful work(美しい作品)を生み出すことで、
「子ども自身が自分がつくる作品の変化を通して、自分自身の成長を認識して、自分は成長できることを実感すること。そしてそんな自分を誇りに思えること。」
を目的としている。

しかし、僕の「生け雑草」の実践では、子どもたちに「何度も(3〜4回)作品を作り直す過程で、自分の思考にどんな変化があったか」を文章での振り返りはしてもらったが、作品の変化を見えるようにして、自己の成長を実感してもらうような働きかけはなかった。
本当はその部分が最も大切なはずなのに…

「学校は博物館であるべき」

「生け雑草」の紹介の後、ロンから色々な学校の展示の紹介があった。
その中で印象的だったのが「学校は博物館であるべき」という言葉だ。
子どもたちの日々の生活で、「どこに行って」「何をして」「何を感じて」「何を学んだ」のかを展示することで、日々の学びを蔑ろにしない文化が生まれるんだと思う。
僕がLCL(Learning Creator's Lab)で最も感銘を受けたのが、長野県の伊那小学校の学校観「詩境」
「子どもの一日は一編の詩である。今日一日が果たして詩なりえたか。」
という言葉。

生活科・総合的な学習 (その1:伊那小学校の源流)〜私たちの教育のルーツをたどる(17)より

同じような言葉を教員1年目の時、『学び合い』について学びに行った講演会でも聞いた。
「教育にかかっているお金を時間にすると、1コマの授業は大体映画1本見るのと同じくらいのお金がかかっている。あなたの授業は子どもたちにとって映画1本見るよりも価値があるものですか?」
教員1年目の僕にはこの言葉がすごくキャッチーで、ハッとさせられた。そこから数年経って、「子どもたちにとって今日一日が果たして詩なりえたか」という言葉に出会い、自問する日々が続いた。この言葉は娘(2歳)が生まれてから一層共感するようになった。この前も娘が「ママお月様が2つある」と言う。よく聞くと、壁を挟んで2つの窓があり、それぞれからみえる月が違うから2つあると言っているようだ。
その話を妻としながら、「なんで僕らは月は1つだと信じているんだろう?行ったことも触ったこともないのに…」とTOKのような問いを考えていた。
娘の頭の中では毎日このようなことが起こっていると思うと、「毎日が詩になりえるな…」と思い、これが学校にいる中高生だとどうだろう?と少し虚しくなった。
話を戻すと、ロンの博物館とう言葉と伊那小の詩という言葉には共通する部分が多くあると感じる。日本の教育も決して悲観的になることばかりではないと思った。

左側と右側の窓から月を見て、「ママお月様が2つある」という2歳の娘

生徒をエンゲージメントするアセスメントとして下のスライドを元に説明があった。その中で展示と近いものとして、「生徒主導の三者面談」「進級時のポートフォリオ発表」「学びを祝う機会」の3つをそれぞれ分けて説明してくれた。
その話をしようと思っていたが、今日は一旦ここまでにしよう。
また今度。




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