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独身男性が東京の銭湯を勝手に評価する(その5)

東京の銭湯を個人的観点で評価していきます。
(ある意味)幻の銭湯から、天然温泉まで。

■ 評価ポイント・方法

評価のポイントは以下の10項目。
(各項目1~10で、10が最高)
・アクセス・・・最寄り駅とその距離、道中の施設など
・外装・・・外見の年季入ってる感だったり、ユニークさ
・内装・・・内装の綺麗さやユニークさ
・入浴設備・・・風呂の広さ、レパートリー、快適さ、サウナの有無など
・備品・・・シャンプー、石鹸、ドライヤーなどの有り無し、有料無料など
・接客・・・スタッフの接客態度、気配り
・入浴以外の設備・・・飲食、休憩所などお風呂以外の設備の充実度合い
・混雑度・・・人の多さ
・客層・・・民度、どんな人が多いか

■ 君の湯(文京区)・・・ある意味幻の銭湯。普段使い銭湯の極致

・アクセス・・・・・・8。丸の内線新大塚駅から徒歩4分
・外装・・・・・・・・8。押し出しの強くない宮造り
・内装・・・・・・・・9。全体に清潔感がある
・入浴設備・・・・・・9。スペースを広く使っている。浴槽は3種類
・備品・・・・・・・・7。シャンプー、ボディソープは持参
・接客・・・・・・・・9。おかみさんは柔らかい雰囲気で話やすい
・入浴以外の設備・・・7。ランドリー併設
・混雑度・・・・・・・8。平日夜は人少なめでゆったり浸かれる
・客層・・・・・・・・8。地元の人が多いが、敷居の高い感じはない
・営業時間・・・・・・8。夕方から深夜まで
・総合評価・・・・・・81/100

【総評】
拙稿で恐縮だが、文京区は「銭湯砂漠」だと名付けたことがある。
(銭湯砂漠…人口比で銭湯数が少ないエリア。私が勝手に作った)

文京区は銭湯数は都内23区中でワースト3位、人口1万人当たり銭湯数もワースト2と、立派な銭湯砂漠だ。

ただし、この計算根拠となっているのは東京都の浴場組合に加盟している銭湯だけなので、非加盟の銭湯はここに含んでいない。文京区にそんな非加盟の銭湯が存在することはおそらく広く知られてはいないのではないか。

とはいえ結論から言うと、そして些か失礼かもしれないが、君の湯は取り立ててそれ以外の特徴のない銭湯だ。組合非加盟のため入湯料金を少し安く(20円だったかな)設定できるくらいのもので、天然温泉とかサウナがあるわけでもない。

しかし、施設の清潔感だったり、浴室の微妙な広さだったり、実に細かいところまで気の配られた銭湯だと、入ってはじめてわかる。

なんてことのない日に、ちょっと疲れを取りに行くのに最高の場所。あまり人には教えたくない普段使い銭湯の極致なのだ。「君の湯」、なんて不思議な名前も、ひっそり歓迎されているようで嬉しくなってくる。

君の湯
住所:文京区大塚6-10-9
営業時間:15:00~23:00
定休日:土曜日

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■ 鶴の湯(台東区)・・・ザ・下町銭湯というべき「固さ」と「ゆるさ」

・アクセス・・・・・・7。浅草橋駅から徒歩7分
・外装・・・・・・・・8。3羽の鶴の彫刻がお出迎え
・内装・・・・・・・・8。田舎のお祖母ちゃん家のような安心感
・入浴設備・・・・・・7。なぜか下からライトアップした浴槽がある
・備品・・・・・・・・8。シャンプー・ボディソープの備え付けがある
・接客・・・・・・・・8。番台のお母さんは素朴でいい人
・入浴以外の設備・・・7。休憩所がまあまあ広い
・混雑度・・・・・・・8。人が少なくてゆったり
・客層・・・・・・・・7。地元の人多い。若い人もそこそこいる
・営業時間・・・・・・7。夕方~深夜
・総合評価・・・・・・75/100

【総評】
浅草橋と蔵前の間、銭湯の集積する下町エリアの一角。銭湯名の由来は、宮造りの荘厳な玄関口にある3羽の鶴の見事な彫刻だ。一方で中は手作り感あふれ、掃除が行き届いていて温かみがある。

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浴槽は奥に大きく2つ、湯温は比較的熱めに設定されている。うち1つはなぜか下からライトアップされている妙な工夫も「らしい」。下町らしい重厚感と暖かさを感じられる、一浴(?)の価値があるザ・下町銭湯だ。

鶴の湯
住所:〒111-0053
台東区浅草橋5−27−2
営業時間:15:30~24:00
定休日:土曜日

■ 湯どんぶり 栄湯(台東区)・・・吉原至近の天然温泉

・アクセス・・・・・・6。日比谷線三ノ輪駅から徒歩10分
・外装・・・・・・・・7。いい意味で力が抜けた外見
・内装・・・・・・・・9。清潔に管理されている
・入浴設備・・・・・・10。天然温泉。露天風呂、ジャグジー、ジェットバスなど。サウナ+水風呂も
・備品・・・・・・・・9。シャンプー、ボディソープ備え付け
・接客・・・・・・・・8。番台さんの笑顔が素敵
・入浴以外の設備・・・6。休憩所が狭め。
・混雑度・・・・・・・7。人は多いが混雑するほどではない
・客層・・・・・・・・8。若い人、家族連れが比較的多い
・営業時間・・・・・・7。夕方から深夜まで
・総合評価・・・・・・77/100

【総評】
地下鉄三ノ輪駅から歩くこと約10分、江戸時代の遊郭、そして今でもそういったお店の立ち並ぶエリア「吉原」と大通りで隔てて存在するのが、「湯どんぶり 栄湯」だ。

下町では珍しい天然温泉で、それをふんだんに活かした銭湯体験を提供している。広々とした露天風呂はシルキーバスになっており、壺湯も2つ(男湯)。内湯にはジャグジー、ジェットバスも完備。さらにサウナ+豪快にかけ流せる水風呂も備わっており、全方面にスキがない

下町情緒溢れる湯どんぶり、ずっと残ってほしい銭湯遺産(?)だ。

湯どんぶり 栄湯
住所:〒111-0021
台東区日本堤1−4−5
営業時間:14:00−24:00
※日曜、祝日は12:00から営業
定休日:水曜日

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■ 熱海湯(新宿区)・・・花街の裏路地に佇む粋な銭湯

・アクセス・・・・・・8。地下鉄牛込神楽坂駅から徒歩5分
・外装・・・・・・・・9。宮造りの粋なたたずまい
・内装・・・・・・・・8。全体に清潔感がある
・入浴設備・・・・・・9。浴槽は2種類。あつ湯とぬる湯がある
・備品・・・・・・・・7。シャンプー、ボディソープを備え付け
・接客・・・・・・・・7。取っつきにくさは感じない
・入浴以外の設備・・・7。ランドリー併設
・混雑度・・・・・・・8。土日でも人少なめでゆったり浸かれる
・客層・・・・・・・・8。地元の人が多いが、敷居の高い感じはない
・営業時間・・・・・・8。夕方から深夜まで
・総合評価・・・・・・79/100

【総評】
神楽坂の路地裏に佇む、宮造りの銭湯。古くは花街関係者のご用達だったそうで、今では至近の東京理科大学の関係者に愛されているのだろうか。理科大が実にうらやましくなる立地である。

浴槽は2種類の温度設定がされており、スペースがゆったり使われている印象。浴室の壁にはいかにも銭湯らしい富士山がペンキ絵で描かれている。脱衣所からは金魚の泳ぐ池が見え、格天井も見事だ。

もし銭湯の教科書というものがあるのならば、熱海湯は最初のページに載るだろう。銭湯に行ったことのない人は、まずここからと言ってあげたい。

熱海湯
住所:〒162-0825
新宿区神楽坂3−6
営業時間:15:00~25:00
定休日:土曜日

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■ 湯~ゆランドあずま(豊島区)・・・池袋の外れにある大当たり銭湯

・アクセス・・・・・・6。池袋駅から徒歩10分。西武池袋線椎名町駅、地下鉄要町駅からの方が近い
・外装・・・・・・・・7。カジュアルな銭湯といった外観
・内装・・・・・・・・9。肩肘張らない温かみがある
・入浴設備・・・・・・10。岩風呂、薬湯、電気風呂、サウナなど。水風呂が広い
・備品・・・・・・・・9。使い捨てシャンプー、ボディソープが無料。サウナを付けるとタオルもつく
・接客・・・・・・・・7。番台さんは一見近寄りがたいが親切
・入浴以外の設備・・・8。ランドリー併設
・混雑度・・・・・・・8。週末夜でもそんなに混まない
・客層・・・・・・・・8。地元の人が多い
・営業時間・・・・・・9。昼過ぎから深夜まで
・総合評価・・・・・・81/100

【総評】
この記事を書いているタイミングで、JR東日本の銭湯スタンプラリーが開催されていた(現在は終了)。

ニューモダンな銭湯、露天風呂のある銭湯、など4テーマが設定され、テーマごとに指定された都内のいくつかの銭湯を回ってスタンプを集めていく企画だ。今回訪れた湯~ゆランドあずまは、この企画で「背景画が迫力満点の銭湯」にノミネートされた銭湯で、滝のタイル絵が圧巻なのだそう。

池袋が最寄ということで行ってみたのだが、実際には池袋の西口側(サンシャインじゃない方)を出て10分以上歩かないと辿り着かない程度には距離がある。

具体的には立教大学のキャンパスがあるエリアを丸々通り過ぎる必要がある、といえば距離感がわかるだろう。スタンプラリーで池袋駅と紹介されていただけで、実際には西武池袋線の椎名町駅、地下鉄の要町駅からの方が
近いようだ。

ただし誤解なきように言っておきたいが、場所こそ微妙であるものの、それを帳消しにするぐらい素晴らしい銭湯だった。(どうでもいいけど、ずっと湯~ランドあずまだと思っていたけど違うらしい。「ゆ~ゆ」ランドなのか)

昭和の感じを残すいい感じでチープな入り口を入り、下足札を取ってフロントへ。フロントのお爺ちゃんは一見近寄りがたいが、快くスタンプを2つ(↑のスタンプラリーと銭湯お遍路)押してくれた。

湯~ゆランドあずまはサウナを備えていて、サウナに大小タオルと使い捨てのシャンプー、ボディソープがついて770円と、かなり良心的な価格設定。

浴室に入ると真正面に見える壁は評判通り、流れ落ちる豪快な滝が目に楽しい。都心の銭湯としては広めにスペースを取っており、お風呂は座風呂もできる岩風呂、電気風呂、バイブラ、薬湯とレパートリー豊富。

サウナも10人以上入れるかな?と思うぐらい広く、暑すぎず汗かきの自分にはちょうどいい。サウナと水風呂と2往復ぐらいすると、心からゆったりした気分になれた。

こんな場所が家の近くにあればいいのに…って毎回いい銭湯行くたびに思ってるな

湯~ゆランドあずま
住所:〒171-0021 東京都豊島区西池袋4丁目13?9
営業時間:15:30~翌1:30(日曜日は14:00~)
定休日:火曜日

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