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ちいさな一手で十分だ。

一度だけ、浅間山に登ったことがある。

10年近く前。人生初の登山。浅間山の記事を書くための取材だった。長野に来たばかりの頃だったし、せっかく近くにある山だし、上司も一緒に登ってくれるというので、いいチャンスだと思って登ってみた。

登ってみた。なんて言ってますけど、振り返ってみると、実際は、体力のない私はわりとぎりぎりの状態だったと思う。呼吸も苦しくなっていたし、最期は荷物を全部上司に持ってもらって頂上についたんだった。無事に帰って来れて良かった。下りの平らな道で、残っていた雪に足をとられて転げたくらいだ。

登山の難易度なんて、ひとそれぞれです。

なんでこんなことを思い出したかと言うと。

目を瞑って呼吸を整えていたら、ふと浮かんできたのです、あの時の風景が。

頂上に着いたとき、あっぱれな天気ではなかったけれど、左手に見えるのが長野で、右手に見えるのは群馬、というのがわかった。

右手からものを投げれば群馬のひとに届いて、
左手からものを投げれば長野のひとに届くのか。

みたいな不思議な感覚。(実際はそんなことはないだろうけれど)

その時の風景が、なぜか今朝は、
どんどん俯瞰していくと、状況を変えるのは、ちいさな一手で十分なんだなあ、みたいな捉え方で入ってきた。

ゆるくゆるく。視点は自分でいくらでも変えられる。
ちいさな一手を大切にしようっと。

ヘッダー画像は、先日プロフィール写真を撮ってもらった、ひびきわフォトの杉山亜衣さんの写真。6月のあさまやま。

目に触れられず流れていく宙ぶらりんなローカル情報を囃し立てて、自分の住む地域ってなんかいいな、誇らしいな、暮らしやすいな、と感じられる循環を作り出したいと思っています。(team OHAYASHI細川敦子)