見出し画像

自分の読後感。

いつからだろう。
1冊の本を読み終わったら、抱いた感想を口に出したり文字に綴ったりする前に、SNSやレビューサイトで、世間の反応を調べてしまうようになったのは。

自分の読後感が正しいのか、皆と同じなのか、
同じように感じている人が見当たらないと不安になる。

すごく面白かった作品の、同志がたくさんいればテンションが上がる。
それは良い。
でも、反対だと、ちょっと焦る。

この作品の良さが分からないなんて、自分の教養が足りないのだ。
皆が持ち合わせている感性が欠落しているのだ。
そこはかとない不安感に駆られて、落ち込んでしまう。

そもそも、昔からそんな傾向はあった。
皆が好きで見ているテレビや、爆笑するシーンで楽しめない。
何が面白いのか分からないことが多い。
誰かに対して爆笑が起きているとき、その渦中にいる人の気持ちを考えてしまう。
本当にその人も楽しんでいるんだったら、それは良いのだけど。
もし、自分がその人なら嫌だなあ、と少しでも思ってしまうと、もう無理。
そんな場面が、今まであまりに多すぎた。

自分らしく生きるって、そんなに簡単なんだろうか。
思いをそのまま話して、それで周りからどう思われても、反応されても
気にしない強さと鈍感さを持ち合わせることが、大切なんだろうなあ。

ああはなりたくないなあ、ばかり考えて生きてきたから
自分の中でやってはいけないことが多すぎて、窮屈。
今ですら普通(だと自分が思い込んでいる)ラインにすら立てていないし、
全方位完璧な人間なんぞいないのだから、
人に多大な迷惑をかけない程度には、思うままに生きてみれば。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?