「やさぐれ魔法の王女様」 16、足し算


 その日の夕方、アルバーノは持っていた物の修理を終えてガレージに届けにきた。カレンはお礼を言うと代金を渡し、修理されたものを眺めていた。カレンはその後、ユイにローレルが来ることを伝えるとさっそく彼女を迎えに行く。

カレン
「ようこそ、ローレル。この中には入ったことが有るのかしら?」

ローレル
「・・・入ったことは無いかな。いつも外から見てるだけだったから」

 食事をするダイニングには大きな机が置いてあり、テーブルクロスが引かれている。その上にはユイが作ったおいしそうな料理が並べられていた。ローレルは促されるまま椅子まで案内されると腰を掛ける。

ローレル
「・・・・」

ユイ
「お酒は飲めますか?」

ローレル
「ええ、飲めるわ」

 ユイは笑顔になると近くに置いてあったラム酒の封を切り、グラスに注いで炭酸水を入れる。

カレン
「私、実はワインって苦手だったのよ。白も赤もね。どっちかと言うとビールとかラム酒とかそっちの方が好みかしら」

ローレル
「・・・・ありがと」

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7,592字
「龍を倒す」こと。剣や魔法でドラゴン退治はファンタジーの王道ですが、そんな王道から少し外れた先の未来。握らなければいけないのは剣や魔法の杖ではなく、自分の種になるかもしれない。

完結済みのオリジナルの小説です。全21話。文字数は大体18万字あります。少々長いですが良ければどうぞ。

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