世界自閉症啓発デーにASD当事者が思うことver.2023
4月2日は世界自閉症啓発デー!
毎年、4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」です。そして、日本では4/2~4/8の1週間を「発達障害啓発週間」としています。
僕自身、このことを知ったのは2020年で、自身に発達障害の疑いがあるとわかったことがきっかけでした。
そのことを書いた当時のnoteもありましたのでよければお読みください。
では、具体的にこの日に何をするのかですが、当日は世界各地で自閉症について啓発するイベントが行われていたりします。特にわかりやすいのは建造物を青色にライトアップすることです。ほかにも各地で啓発イベントが行われているようです。
(なぜ青色なのかは厳密には不明で、落ち着く色だから…みたいな情報しか見つけられませんでした。まあ偉い人たちの決定の問題でしょう)
日本におけるイベントについては、日本の公式サイトに一覧があるので興味があれば覗いてみてください。
…いやでも正直さ、自閉症と関わることのない多くの人からしたら、たまたま東京タワーが青く光っているからって、それが「自閉症の日だから」なんてわからないわけで。
せいぜい「わっ今日青じゃん!」「きれいだねー」とか言いながら素通りするカップルが周辺を賑わせるくらいのことに変わりはないわけですよ。
じゃあ!ということで、せっかくの機会なので、たまたま当事者に生まれたひとりとして世界自閉症啓発デーに啓発したいことver.2023を文章にしておこうと思います。
「アスペルガー」という呼び方はもうやめてもいいのでは?
一般的に、「自閉症」と聞くと「アスペルガー症候群」という単語を連想する人がまだまだ世の中に多い印象です。実はこの「アスペルガー症候群」という呼称は、ひとつ古い診断名で、現在は「ASD(自閉スペクトラム症あるいは自閉症スペクトラム)」という診断になります。
DSMという世界標準の診断マニュアルがあり、世界中の精神科医さんは原則これに基づいて診断を行います。このDSMの「Ⅳ」というバージョンでは「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害(PDD)」のように別々のカテゴリーとして診断されていました。
そしてDSM-Ⅳによる診断が20年ほど続き、2013年に発行されたDSM-Ⅴによって上記のカテゴリーが「こいつらって、明確な区切りがあるというかスペクトラム(連続体)だよね~」とまとめられ、「ASD」として扱われるようになりました。
なので、もうすでに10年ほどはASDとして診断される状態が続いているのです。
しかし、まだまだ世の中では「アスペルガー」の単語を聞きますし、SNSでも蔑称としての「アスペ」をよく見かけます。
いち当事者の思いとしては、もうそろそろ自閉症の話をするときは、古い分類の言い方はやめて、「ASD」という言い方、そしてスペクトラム(連続体)という考え方をインストールしていただけると嬉しく思います。スペクトラムは日本人にわかりやすく直感的に言えば「グラデーション」で、症状の程度は人によってグラデーションのように濃淡があるという考え方をしようぜってことです。
もちろん、DSM-Ⅳの時代におりた診断について話すときは「当時アスペルガーって診断されてさー、…」で問題無いと思います。そのときはそういう診断名だったのは事実なので。
ただ、いま自閉症を語る(考える)際にはASDのほうでいきましょうよっていう思いです。
いま、太陽系の惑星として冥王星を含めて話している人がいたら「えっ?」ってなりますよね。そんな気持ちに近いです。
【期間限定】無料で読める発達障害本
毎年恒例(?)ですが、この4/2~8の発達障害啓発週間にあわせて、SBクリエイティブさんが発達障害関連本の無料公開をしてくれています。興味のある方はぜひ見てみてください。絵本ライクにサクッと読めるわかりやすい本ばかりで、はじめて発達障害とふれあう人にはとくにオススメです。
最後に、世界自閉症啓発デーの日本公式サイトがイケてなさすぎるので、サイト改修のお仕事ください厚生労働省or日本自閉症協会さーん!笑
(Webサイトの制作・運用に携わったり、現在はフロントエンドエンジニアしてまーす!ご連絡まってまーす!)