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内気な人に、「なんでずっと黙っているの?」と聞かないで

内気な人や内向的な人に質問。
友達や同僚から、「なんでずっと黙っているの?」とか「黙って聞いてないで、何か話しなよ」と言われた経験はありますか?

私は子どもの頃から何度もある。
そのたびに、まるで不正を咎められたかのようにドキっとして、曖昧な答えしか返せず、ますます不審者のように見られてきた。
おそらく私自身、「人は活発で明るい方が望ましい」という既成概念に囚われているのだろう、大勢の人と楽しくおしゃべりできないことに、ずっと引け目を感じてきた。

それに、そう聞きたくなるのも無理はないと理解していた。
明るく社交的な人にとっては、人とわいわい楽しく交流することでエネルギーが補給されるので、あえてそれをしない人が不気味に思えてしまうのだろう。
そのため、「暗くて変な人だ」とか「黙って聞いているだけなんて、馬鹿にしているんじゃないか」など、警戒心を抱いてしまうに違いない。

あるいは、優しい人であれば、「きっと、つまらないから黙っているのだろう。もっと交流に参加して楽しんでほしい」という思いがあるのかもしれない。

とはいえ。
シャイな人にこの質問はグサリと来るし、場合によっては不愉快になるのは事実。どうか、この手の質問は控えていただけるとありがたい。

私自身、この質問に正直に答えるとしたら、「自分は少数の人と向き合って真面目に深い話をすることが好きなのであって、不特定多数の大勢と他愛のない話をすることにあまり価値を感じないから」ということになるが、「くだらない話に付き合えないってことね!」と逆上されそうなので、口にしたことはない。
誤解されたくないが、無意味な話を交わすことが楽しくて有意義だということは私も分かっている。単に、それがうまくできないのである。

これは自分だけの悩みなのかとも思っていたが、先日、内向的な人がそうした質問にどう対処すべきかを解説したウェブページを発見した。

ここで紹介されていた対処法には、例えば次のようなものがある。
1. 話すより、聞く方が好きだと言う。
2. 話す前に、考える時間が必要だと伝える。
3. 自分は内向的な性格なのだと、そもそも性格が違うことを説明する。
4. 単に今は話すことがないから、と答える。

相手との関係性を良好に保ちたいなら、1かもしれない。「あなた(たち)の話が面白いから、自分で話すより、聞いていた方が楽しいの」と伝えれば、相手も安心するだろう。

2だと、「この人、頭の回転が鈍いんじゃないか?」と疑われるかもしれない(考えすぎかもしれないが)。

3は、場の雰囲気が深刻になってしまう気がするが、相手が真面目な性格の人なら、「自分とは違う性格の人間がいる」という認識に繋がるので、よさそうだ。

そして私が一番気に入ったのは4の「単に今は話すことがないから」と答えることだ。アドバイスの中でも説明があったが、人に「なぜ黙っているのか」と質問することはとても失礼なことであり、自分自身のことについて説明する義務なんてないのである。

要は、外向的な人も、内向的な人自身も、まるで「話さない」のが悪いことみたいな偏見に参加しないことが大事だ。

ただ、ちょっと敵意があるように響くな〜というのが気になるので、実際には言えそうもない。こう言い放てたら、格好いいんですけどね。

でも、これは職場では通用しないことは、容易に見当がつくだろう。会議の場で黙りっぱなしでいるのは当然タブーである。
かといって、「会社では性格を変えて活発にしゃべろう」と、簡単に切り替えられるはずもない。

次回は、職場など議論に参加すべき場合に、内向的な人はどう振舞えばいいのか考えてみたい。



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