そうだ、転職をしよう。その3 自分にできるのか?
おはようございます。
今日は、本題に入る前にベビーメタルの話から。#そこから?
今をさかのぼること6年前の2014年、色々重なってラッキーなことにシリコンバレーでとあるプロジェクトのプロジェクトマネージャーをする機会をえました。しかし、当時英語ネイティブたちが早口でまくしたてるテレカンで8割がた言ってることがわからない中、そのプロジェクトをリードするプロジェクトマネージャーの立場を任された僕は悶絶していました。
何度もミーティングの録音を聞きなおしては、わかんねー、と舌打する日々。そんな時、夜寝る前に彼らが海外の小さなライブハウスをドサまわりしているBabymetalの海賊版映像をYoutubeで見ながら、
”俺もがんばるから、お前もがんばれ”
と思っていたわけです。
好きでもない人に、付き合ってあげてもいいよ、って言われているみたいで気持ちわるいですが、単身シリコンバレーに突っ込んで玉砕しかかっていた自分には彼らのがんばりを見ることが心の支えだったんですね。
彼らは、既存のテレビ・広告といったマーケティングから外れたところで活動し、お客さんと直接SNSでつながり、ライブ+物販でファンからお金をもらうダイレクト課金モデルを確立しています。
社会の情報化が高度に発達していく中でより体験のもつ価値があがっていく、という現在の状況を見るにつけ、この人たちの戦い方がいかに先駆け的だったのか、というのを最近改めて感じます。
ということで、前置きを終え、そろそろ本題に入ります。
この仕事は自分にできるのか?
前回は、自分がこれから全精力をかたむけてがんばる仕事にするだけの意味があるかどうかを探る中で、日本の物流の今そこにある危機を解決する、は、意味がありそうだ、という腹落ちをした、というところまでお話をしました。
次は果たして自分がカントリーマネージャーなんてやったこともないのにやりきれるのか、ということです。
やり切れるかどうかは自分もわかりませんが、少なくとも面接を突破して、スタートしない限りチャレンジもできないので、まずは、採用される、というゴールを目指すことになります。
Doddle本社は日本でどんな人を欲しがっているのか、というのがこちら。
IDEAL CANDIDATE
• A Tech salesperson selling Doddle’s ecommerce fulfilment technology platform to omni-channel retailers and parcel carriers
• In terms of experience: sales, retail, e-commerce, logistics – ranked in that order
• Someone who could build a team around them
• Native Japanese skills and enough English for business reporting (written and spoken)
• Japan could potentially be the sales centre of gravity for Doddle so someone keen to grow a brand and business
これを自分のキャリアと照らし合わせて、〇×で仕訳けてみます。
〇:
ソフトウェアプラットフォームの営業は海外の通信キャリアにサービス売ってて実績もある、英語そこそこいける、サービスの直販マーケは経験あり、事業開発&ブランディングはいける
×:
流通業・物流業の理解とコネクション&チーム作り
作戦
Doddleのサービスは、通販で買った荷物を家だけでなく、コンビニやスーパー、ドラッグストア、ロッカーなど自分が一番便利だと思うところを選んでピックアップできるサービスです。
このサービスを日本で広げられるかどうかは、ピックアップの場所となる小売店の人たちがこのサービスを導入してくれるかどうかにかかっています。ニワトリ・たまごの話で、ピックアップの場所が増えないと、通販会社も乗り気にならない。
これはリボンのかたちしているからリボン図と言われるみたいですが、プラットフォームを考えるときはこのリボンの両側に誰を想定して、どう結び付けるか、それでどのような価値を生み出そうとするか、ということを考えるのが大事ということを尾原サロンで学びました。
(注)今後僕がビジネスについて話すときはだいたい尾原さんが言ってたことや、尾原さんのサロンで講師の方がコメントしていたことの受け売りですので。ご承知おきのほど。
通販企業からするとピックアップポイントが増えることはよいことなので、そこはあまり深堀りする必要はないかなと思い、小売店側が導入に前向きかどうか、をチェックできれば自分の確信も深まるし、同時に小売店側に意向を確認するところまで面接前に済ませておくと僕の本気度、実行力が示せるだろうと思いました。作戦です。
そこでまずはリクルーターから手に入れたDoddle社の会社概要を再構成して資料に落とし込みました。こんな感じです。
これを作ったあとで、最近は僕のメンターともなっている尊敬するパイセンに送って、こういうサービス日本で可能性ありそうですか?とメールで聞いてみました。パイセンは、リクルート、Googleを経て、今は独立して流通業界を中心にコンサルティングをしています。
そしたら、メール送って1分で、”紹介したい人いるから、これから資料プリントアウトして来なよ”と言われたのが、その日の夕方5時くらい。もう帰ろうと思ってたところだったのですが、パイセンのお誘いは乗るの一択なので、プリントアウトしていきました。
訪れた銀座の飲み屋さんには、某物流会社の方々と某ドラッグストアの方々が親睦を深めていらっしゃいました。ふだんジーパンにトレーナーみたな恰好で仕事していた僕はかなり異質に見えたと思いますが、皆さん温かく迎えいただき、まず、某ドラッグの社長さん(!)にDoddleの概要をビール片手に説明。
最後のスライドで、このDoddleサービスが導入されたMorrisonsというイギリスの大手スーパーの顧客調査では、荷物をピックアップに訪れた人の半数以上が実際についでに何かモノを買って帰ったんです、ということをご説明すると、面白いねー、と言ってもらえて、もしカントリーマネージャーになったら具体的に検討してもよいよ、と言ってもらえたんです。
さらに、物流会社の方に聞いてみると、複数の通販会社とピックアップポイントになる小売店を結びつけるプラットフォームは今日本にない、ということも同時にヒアリングすることができ、自分のいけるかも、という感覚は、確信に近いレベルまで引きあがっていきました。
資料を送ってからわずか2時間後の出来事です。
自分が見えないところで何かのスイッチが入った、そう思えた夜で、今回の転職活動のハイライトは面接ではなくこの夜だった気がします。
選考
選考はZoomの面談が3回。最初にオーストラリアにいるAPACの責任者、その次がチーフレベニューオフィサー(営業本部長?)、そして最後にCEO。
それぞれ事前に準備した前回ご紹介した日本の物流の現状を自分なりに調べた結果を説明した後、物流・小売業界での職歴はないが、コネクションがあること、実際にDoddleの紹介をしてポジティブな反応を得たことを説明しました。
総じてよく調べてくれた、と反応がよく、あっけなくというか内定をもらうことができました。作戦成功ですね。
でも、あの夜がなければ、確信も持てず、自分の弱みを消すトークもできなかったので、本当に自分の力というより、パイセンのサポートと時・タイミングによるところが大きいと思います。
自分にできるのか?という最初の問いには、できる気がする、としか言えないのですが、いろいろタイミングが絶妙なので、たぶん神様がこっちこっち、と言ってるのだと思います。その直感を信じ、これからも突っ走りたいと思います。
というところで、今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。またまた長文となってしまいましたが、参考になるところがあれば幸いです。
それでは、今日もよい一日を!
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