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売らない店舗。注文後7分で家に届くネットショッピング・・・ 進化するアフターデジタルなリテールの未来

おはようございます。ドドルあおけんです。

このnoteでは、月〜金日替りテーマでIT系のビジネストレンドなどをできるだけ噛み砕いてご紹介しています。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)の木曜日。今日は中国で話題のビジネス書の日本語版をもとに、IT企業のアリババなどが実店舗の小売に攻め込んでいき、革新的なデジタル化によってどんなすごい変化を生み出しているのか、そのエッセンスがわかる回となっています。

劉 潤(著者)紹介

コンサルティング会社「潤米咨」代表。中国の教養アプリ「得到(デァダオ)」内のビジネスコンテンツで26万以上(2018年9月現在)のユーザー数を抱える著名ITビジネスコンサルタント
前マイクロソフト戦略協力ディレクターで、現在、ハイアール、バイドゥ、恒基(不動産デベロッパー)、中遠(海運会社)など多くの大手企業で戦略顧問を務める。

売らないお店?

お店で実物を見て比較検討して、欲しいのが決まったらネットで一番安いのを探して買う。この行動はお店の店員さんが一生懸命説明してくれたりすると申し訳ないと思ったりしますが、すこしでも安く買えるところで買う、というのは、当たり前といえば当たり前のことなので、それ自体は悪いことではありません。

でも、お店を構えている側からしたら、店の家賃を払い、在庫をお店にストックして、店員さんを雇って、ということまででかなりのお金が出ていっているわけで、それで結局アマゾンや楽天で買われてしまっては、さすがにいたたまれない気持ちになります。

このお店でチェック〜ネットで購入、の流れは止まらないので、小売店もメーカーもそこに対して何か手を打たないといけなくなってきました。
その中で出てきた考え方が、店舗=ショールーム、という発想です。
実際に在庫をお店に持たなければそれだけスペースはキュッと縮められます。借りるお店が小さくなればコストも削減できますし、売らなくてよくなれば店員さんもノルマが減ってより余裕のある積極ができ、結果自社製品を選んでもらう可能性が高まります。

ナイキの強烈な小売(おおかた)撤退方針

店舗のショールーム化、ブランドを体験してもらう場所と位置づける動きがこの本の中でもいくつか紹介されています。まずはナイキです。

2017年10月に、ナイキのCEOは、世界各国で提携している3万社の小売企業を40社へ縮小すると発表した。このえりすぐりの40社は独立した体験型店舗を運営できるだけの能力がなければならない。
今後は、ナイキのオフィシャルサイトとアプリケーションが主要な販売チャネルとなり、体験型店舗はより良質なUXの提供に注力するだろう。

3万社が40社って恐ろしい切り方。。29,960社が切られるということは、0.1%の生存率です。デジタルの世界に移行する(トランスフォーメーションする)っていうのはこのような劇的な変化を伴う可能性があるということです。

確かに↑の世界を作れるパートナーはそんなにいませんね。

ノードストロームの店でしかできないことに集中する姿勢

続いてアメリカの百貨店の事例です。

2017年、アメリカの有名な高級百貨店、ノードストロームも、ロサンゼルスで「販売しない」実店舗をオープンした。
面積がたったの300㎡の店舗では、主にパーソナルスタイリング、サイズ直し、店舗での商品の受領・返品、注文変更などのサービスを提供する。オフラインで体験しオンラインで購入するというモデルでは、オフラインでのサービスがその核心となる。  

モノを並べて売れるのを待つ、そのために巨大な売り場を確保する、というやり方ではアマゾンのようなオンラインプレイヤーに勝てません。
実際にお店にいくことでしか得られない体験やサービスを提供することに焦点をあてた実験的な取り組みがされています。ファッション系が強い百貨店はお客さんごとに最適なファッションを提案する「パーソナルスタイリング機能」がもしかすると戦いに勝つための武器になるかもしれません。

なかなか味わい深いノードストロームのスタイリストのおじさん。この人ならなんか会いに行って色々相談したい気持ちになるのわかります。

豊富な品ぞろえのオンライン vs. 思い立った時にすぐ手に届く距離にあるコンビニ

オンラインショップには店舗の大きさの制限がないから、何千、何万という商品を陳列することができるので、豊富な選択肢の中から良いものを選びたい、というお客さんのニーズを満たすことができます。

一方でオンラインに苦手なこともあります。それは思い立った時にすぐ手に入らないということです。
あー、ちょっとのど乾いたな、三ツ矢サイダー飲みたいなー、と家で思ったとしても、そこでアマゾンでぽちって届くのは基本明日以降です。一日たったときには三ツ矢サイダーじゃなくて、なっちゃんが飲みたくなっているかもしれません。

そういった衝動的な欲求に対応するにはオンラインショップというのは基本向いてないわけです。そこにうまくフィットするのがコンビニです。
からあげ棒、スナック類や各種アルコール、スイーツなど衝動買いの宝石箱といっても過言ではないその品揃えはまさに人間の持つ”思い立った時にすぐ欲しい”の衝動買いに応えてくれるお店です。

さすがにこの衝動買いにオンラインショップは応えられないだろう、と思っていたのですが、そこをAIを使った予測をぐりぐり回すことでその欲望に応えようとする取り組みが進められています。

注文から家のドアをノックするまで7分の事例を作ったJD.com

中国No.2の大手ECサイトで年間30兆円(!)以上の売上があると言われている「JD.com(京東商城、ジンドン)」。
そこの創業者がとあるインタビューで語った話によると、ある消費者がスマートフォンを購入したところ、注文から自宅のドアをノックするまでにわずか7分だったといいます。

注文してから配送完了までじゃないです。自宅まで行ったのが7分。
なぜ、こんな魔法のようなことが実現できたのでしょうか?

その理由は「ビッグデータ」×「AI」で、このお客さんが住むマンションにスマホ購入の需要があることを予測していたからです。
ジンドンは毎日の売上データと配達先の住所のデータを大量に持っています。その情報をAIを使ってひたすら分析しまくっていると、このエリアのこのマンションで◯◯%の確率で今日◯◯のスマホを買いたいという人が出てくるはず、だから、先に出荷をしておき、そのスマートフォンをそのマンションからもっとも近い配送拠点に事前に届けておき、注文を受けたら、すぐさまその拠点から届けに走るんです。

アリババもまた同様、タオバオというサイトで同様のビッグデータ分析をしていて、予測がたった商品はお客さんが買う前にお客さんにより近い配達拠点に事前に送り込まれています
アリババは購入の決定をする前にできるだけ、欲しい候補をまずはカートに入れておいて、ということを勧めているそうですが、そのデータをもとに裏側で熾烈な配達スピード競争が進んでいることの現れです。

近い未来、三ツ矢サイダーが飲みたいな、と思ったら、ロボット配達員が注文前にドアの前に立っているかもしれませんね。

ということおで、本日のお話は以上です。

日報

備忘録として。

・Mさん+前職Bossセッション(7am)
・Mさまへ移動(11am〜)
・Mさま商談(3pm)
・Mさま店舗視察〜ディナー w. CEO/JPS/S&Hちゃん

(独り言)CC&C含め価格設計見直し必要。肉うまし、大人じゃんけん怖し、なんとか難を逃れる。しかし、新しいとこ行くとだいたい何か失くすな。携帯落とすか? @高崎に向かう新幹線の中

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明日は、グローバル・未来の金曜日。まだ、思いついてないので携帯見つけにいきながら考えます。

マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の木曜日
グローバル・未来の金曜日
ライフハック・教養の土曜日
エンタメの日曜日

それでは今日もよい一日を。

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