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DX(デジタルトランスフォーメーション)をざっくり理解する(後編) 今後破壊される産業と伸びる産業

おはようございます。ドドルあおけんです。

さて、DXの木曜日。今日は先週の続きで、DXTコンサルティング株式会社代表である兼安氏の著書から、今後DXが加速する中でディスラプトされる産業、伸びる産業がどんなものかを学んでみたいと思います。

前編まだな方は↓からどうぞ。

これからディスラプト(破壊)される産業

これからディスラプトされる産業の前にまず、ディスラプトされてしまった産業をちょっと振り返ってみましょう。

百科事典・辞典:グーグルさん破壊

CD/DVD/VHSレンタル:アップルさん(Music/TV)、アマゾンさん(プライム)、ネットフリックスさんたちが寄ってたかって破壊

旅行代理店:エクスペディアさん、トリップアドバイザーさんらが破壊中。JTBやHISにかつての勢いはありません

そして、これからディスラプトされる業界と言われているのが以下の産業です。

1.自動車産業
2.火力発電と電力業界
3.教育産業
4.小売・流通業
5.スマホ関連
6.銀行

それぞれポイントを見ていきます。

1.自動車産業

EVへの置き換わりで対応できないところが死亡
・既存の自動車を作るのに必要な部品3万点、対しEVは2〜3千点
・部品目線でいうと90%の部品製造会社はいらない、となる
・さらに3Dプリンタの精度向上&普及で複数の部品の組み合わせでなく、一体成形できるようになり、各パーツ特化のメーカーが苦境に
・テスラ創業2003年で実用化が2008年。5年で安全なクルマが作れるし、テスラは今安全面でトップを走る。熟練とか経験がものを言う時代ではない。

2.火力発電と電力業界

・世界的に自然エネルギーのほうが発電コストが安くなってきている
・アメリカ、火力発電の場合の発電コストは1kwhあたり6円に対して、太陽光・風力は2〜3円
・欧州の保険会社や金融機関中心に石炭火力発電所への融資制限や撤退が続き、船外保険の引受けの取りやめが進んでいる
・自由化や電池の性能アップによる余剰電力の有効利用などで電力価格が下がっていく

3.教育産業

・大学は高等教育の最高機関ではなくなり、本来の研究機関になる(だろうという筆者の読み)
知識は誰かに教わるものではなくなる。TEDで世界最高峰の人たちの話を聞くほうが、ローカルの大学教授の話を聞くよりも価値がある、という前提
・教室という物理的な制限がこれまで前提だったが、オンライン化が進めばキャパはないため、既存の教育機関の枠組みは成り立たなくなる
・さらにVRの進化で教育はさらに劇的な変化。そこに対応できないと厳しい
・VRは坂本龍馬やアインシュタインなどが学んだ体験をバーチャルで追体験するという強烈な学習体験を生み出すことができるので、教育関係者はそういった未来を見据えて仕込み、準備をする必要あり

4.小売・流通業

・アマゾンによってすでにかなりの小売店がディスラプトされている
・業界アナリストの予測では、2022年までにショッピングモールの4つに1つは閉店すると予想されている(アメリカ)
・通販需要の増加で、ラスト1マイル対応が重要。物流の効率化が小売・流通業のデジタル・トランスフォーメーションの鍵を握る
・小売・物流センター含め、無人/自動化への流れが加速し、雇用は失われていく
ハイタッチ(人間による心温まるおもてない)による差別化ができない限り、実店鋪の価値を出していくことは難しくなっていく

5.消えるスマートフォン

画面が小さい、歩きスマホなどの問題あり
・Google Glassは駆逐されてしまったが、さらに高解像度で小型のARグラスが出てくるのは時間の問題
・視界の中のバーチャルキーボードに指を伸ばせばそこで文字入力ができるようになれば、小さな端末で面倒な入力作業をする必要もないし、画面が小さくて見づらいということもなくなる

6.銀行

・なくなりはしないが大幅に縮小していく
・日本は規制があり目立たないが、海外ではFintechのスタートアップがシェアを伸ばしている
・日本の普通預金の金利は0.001%。預けるほうにとって意味ない。
・アメリカのFintech企業グッドマネー社は金利2%で、日本の2000倍。詳細は省きますが、それだけ見ても今の銀行って何?
決済の電子化が進むことで窓口業務など人がどんどんいらなくなる
・アップル、グーグル、日本だとPayPayをやっているソフトバンクなどが金融にテクノロジーを注入してディスラプトしていく
・また与信もAIによってできるようになり、そこも人がいらなくなる

これから発展する産業

続いて発展する産業はこちら。紹介されている9つの中から5つピックアップしました。

1.長寿・美容産業
2.都市農業・細胞農業
3.宇宙産業
4.VR/AR産業
5.エンターテインメント産業

さっそくそれぞれ見ていきます。

1.長寿・美容産業

データをもとにヘルスケアのDXが加速
センサー、ウェアラブルデバイス、ナノボットが身体の状態を常時監視する時代に
・アップル、グーグルがヘルスケア領域を次の成長領域と定め、研究開発を進めている(血糖値測定、心電図測定等)
・CTスキャンなど高額医療機器がディスラプトされる
AI診断&AI製薬開発によって医療品質があがっていく
臓器を3Dで再生する技術が進化中
幹細胞の注射による毛根再生や肌の若返りの技術が進む


2.都市農業・細胞農業

・テクノロジーの進化により都市の工場で野菜・穀物を育てることが可能に
ラボで作れる肉の品質も上がり、家畜を育てて殺して食肉にするという生産フロー自体が変わる

3.宇宙産業

・イーロン・マスクのロケット会社スペースXの1回あたりの打ち上げコストは70億〜100億円程度。それまでは例えばスペースシャトルだと500億円くらいかかってたのでかなり安くできている。それは飛んでった機体がまた戻ってきて再利用できる設計だから。
・その他、アマゾンやFacebookも宇宙へ向かっていて、数十億人の潜在的な利用者にインターネットサービスを提供することで莫大な利益を得ようとしている
宇宙での太陽光発電という概念があり、これだと天候に左右されず発電が可能
・また他の星の鉱山を開発することで希少な物質を人類に供給するという可能性も深堀りされている

4.VR/AR産業

・VR・ARが進めば、会社に出勤するということ自体必要なくなり、バーチャルオフィスにログインするようになる
・その他日常生活の様々なシーンに浸透していく
・具体的には、旅行、ショッピング、エンタメ、スポーツ、教育、ビジネスと全方位的
マジックリープ社のプラットフォーム構想は自分たちの手でバーチャル空間上に別の世界を作り出そうとしている

5.エンターテインメント産業

・ゲーム産業はeスポーツなどが市場拡大に貢献する
・映画もスペーシャルウェブと呼ばれるバーチャル空間で自分がその映画の世界の中に入ってバーチャル空間で物語を楽しむ時代
・インスタで160万人のフォロワーをもつ、Li Miquelaは実在しないシリコンバレーの会社Brudが生み出したバーチャルインフルエンサー。こういった実在していないけど、影響力を持つような存在が生まれてくる

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ゲームのルールが変わったよ

DX時代に突入する中で世の中のルールが変わってきた、と筆者は言います。具体的には以下4つです。

1.資金調達の方法が変わった
銀行からではなく、エンジェル投資家やVC、上場前に大企業から調達。昔より企業も個人もこうした人たちから融資を受けやすくなってきています。

2.すべては無料に近づいていく
デジタル化し、AIが広範囲で稼働するようになると、人件費に頼らないビジネスが回り始め、サービスは無料に近づいていく、と筆者はいいます。
(が、僕はここは単純にそうは言い切れないというか、人が食えなくなる、という話になってしまうのでそこまで単純ではないと思います。)

3.日本を市場にしていたら生き残れない
これはよく言われる話ですね。生き残る人もいると思いますが。

4.雇用の終焉
これはちょっと短絡的な気がするのでよくわかりません。

ではDXが加速する中どう生き残るか?

この本事例は豊富でいいのですが、ではどうするか、がちょっと雑です。自分がいまいち筆者が言ってることがよくわからないところもあるので、ここは書いてある大項目を列挙して終わりにしたいと思います。

<企業が生き残るには?>
・世の中の変化の先を知る
・自社の未来を脅かす可能性を洗い出す
・未来を予想し、今はない課題を想像する
・その課題を解決するためのリソースを考え、そこにいたる未知を考える
<個人が生き残るには?>
・好きを追求する
・できると信じる
・さまざまな経験をする
・空想力を豊かにする
・不労所得を生み出す方法を追求する

とうことで本日のお話は以上です。

日報

備忘録として昨日のMTG。

・お仕事相談 w. Eさん(2PM)
・プロジェクト進捗MTG w.Pチーム(5:30PM)
・Board meeting (7:30PM)


明日は、グローバル・未来の金曜日。ちょっと重いですが、今アメリカで大騒動になっている警官による黒人への暴力による抗議行動について書いてみようと思います。

マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DXの木曜日
グローバル・未来の金曜日
ライフハック・教養の土曜日
エンタメの日曜日

それでは今日もよい一日を。

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