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日・米・中・英の人たちの仕事の価値観がどれだけ違うかをあぶり出してみる

おはようございます。ドドルあおけんです。

グローバル・未来の金曜日。今日は、先週に引き続き、ベストセラー「異文化理解力」からコミュニケーション方法、仕事ができない人への言い方、説得の仕方、決断の仕方など8つの指標を使って、日・米・中・英がどんだけ仕事をする上で価値観が違うかをあぶり出してみたいと思います。

一応先週の記事のリンクを貼っておきます。

4つの国の違いをひとつの図にしてみる

この「異文化理解力」という本では、異なる文化の国の人と仕事をする上でぶつかりがちなおさえておきたい8つのポイントについてそれぞれ国ごとにどんな軸でどんな違いがあるか、相対的な位置づけが解説されている本なのですが、それをもとに僕が興味の高い4つの国(日・米・中・英)を抜き出してチャートにしたのが↓です。細かくてすみません。
日本の特性に近いものを右側に配置していますので、それぞれの項目について左にブレている国があれば、その距離感だけ日本人と価値観のギャップがある、という構成になっています。左にいくと日本の感覚とズレる、ということです。

NOTE_ネタ 横長

よくよく見ていくと面白いチャートなので、まずはそれぞれの項目についてその軸を簡単にご紹介していきます。

8つの評価軸

この本で紹介されている8つの評価軸を今回は自分が理解しやすい言葉に置き換えているので、本と内容が異なりますので、予めご了承くださいませ。

1.コミュニケーション
先週やったことなのであまり深く説明しませんが、ハイコンテクストなのかローコンテクストなのか、という軸です。僕的には、皆まで言うなの文脈・空気を読むなのか言ったこと=伝えることべきの超ストレートの世界か、の2軸です。

2.仕事ぶりに不満がある時の伝え方
部下に対して悪いと思うところを指摘する、という場面で、どのような態度で接するか、というところです。軸としては、オブラートに包んで柔らかく伝えるか超ストレートなダメ出しをするか、の2軸です。

3.説得の仕方
誰かを説得する時の話の組み立て方の違いです。
原理・原則をきちんと説明した上でそこから派生する事例に拡大し結論する演繹的なアプローチをとるのか、こういう事例もあるし、こういう事例もある、だからこうだ、という帰納的なアプローチをとるか、の2軸です。

4.馴染んでいる組織のカタチ
ピラミッド型・官僚型の組織が一般的か、フラットでカジュアルな組織が一般的か、の2軸です。

5.組織における決断の仕方
みんなで決めようの合意形成積み上げ型か、偉いおれが全部決めるのトップダウン式か、の2軸です。

6.仕事相手との信頼関係の築き方
個人的に仲良くなって信頼を勝ち得るタイプなのか、仕事のパフォーマンスで相手の信頼を勝ち得るのか、の2軸です。

7.意見の違いに対してのアプローチ
意見が対立した場合どのように処理するかで、対立して戦うか、対立をよしとせず濁すか、の2軸です。

8.時間感覚
時間にカッチリしているか、ルーズなのか、の2軸です。

日本という国を客観的に見てみる

この世界のトップ50に入る経営思想家(32位)が長年のリサーチの上にマッピングした各国の評価をもとに、日本という国の特徴を見てみましょう。

8項目のうち、7項目がほぼ端っこにベタ付けされています。その項目を並べてみます。

・コミュニケーション:空気読みまくらないとだめな皆まで言うな形式
・仕事ぶりへの不満/ネガティブ評価:できるだけオブラートに包む
・説得の方法:概念的な話は苦手で事例主義 ※アメリカがさらに強い
・組織:階層型/官僚型がきつい
・決断:ボトムアップの稟議カルチャー、トップダウンとても苦手
・信頼:仲良くなる、が基本 ※中国がさらに強い
・意見の違い:(表面上の)対立は徹底的に避ける
・時間感覚:めちゃくちゃ時間うるさい

もちろん例外はありますが、傾向として世界の中で上のような傾向が強烈に強い、一番強い国。それが日本ということになりますね。

これは良い、悪いの話ではなくて、みんなそれぞれの国の普通が違うので、普通に何も考えずに行動していると日本人の感覚や行動は別の文化圏からは上のように見られるよ、ということです。

国別傾向と対策

以上をもとに国ごとの傾向と対策を考えてみたいと思います。

NOTE_ネタ 横長

アメリカ人 傾向と対策

共通点的なものは「3.説得の仕方」のひとつしかありません。難しい話はいいから事例出して、という感覚ですね。ここではお互いわかりあえます。

逆にそれ以外はわかり合うのが難しい人たちですが、その感覚のズレが真逆なのか、半分くらいズレている(ちょっとはわかり合える余地がありそうか)かで分類してみます。

<真逆>
コミュニケーション:空気とか文脈とかはアメリカ人に期待したらいけないので、とにかく思ったことをわかりやすく伝えたほうが良さそうです。
信頼:基本、仕事の内容で判断されるので、仲良くなればなんとかなる、はない、ということですね。ただ、個人的な経験としては、個人的に仲良くなるのも大事な気がしますが、絶対遅くまで飲み歩いたりはしない人たちでしたね。

<半ズレ>
ネガティブ評価:悪いものは悪いと言う。でも言い過ぎない。
組織:日本よりフラットな関係性を模索してみる。
決断:トップ同士で決める、という感覚が強いから、お飾りの上司の場合は連れて行かないほうがいい
意見の違い:主張すべきは主張すべし
時間感覚:遅っ、と思ってもイライラしない

イギリス人 傾向と対策

似ているところは、アメリカ人と同じく事例主義的ですが、アメリカ人よりも抽象的、本質みたいな話が好きそうです。島国であり、文化的に歴史があるので、アメリカに比べてハイコンテクストなところがあるのでその点では気質が少し日本人に近いかもしれません。

<真逆>
・特になし。ただ、コミュニケーションでは、空気を読みまくるという文化はないので、だいぶ遠いところにいる、という認識は必要

<半ズレ>
・上のアメリカと基本同じです。イギリスから飛び出していったのがアメリカ人なのでイギリスとアメリカと同じような傾向にありますが、仕事・仕事、というアメリカ人の信頼軸よりは、個人的・人間的な関係性を重視する傾向がありそうです。

中国人 傾向と対策

同じアジア人として共通点もありますが、全然違うところもあり、そこをきちんと理解していないと危険そうです。特に決断に対する考え方が、合議制とトップダウンで全く違うので、日・英以上にそこは意識して調整しないと日本側のトップが決断力のない人間だと判断される可能性があります。

<似ているところ>
コミュニケーション:皆まで言うな圏
ネガティブ評価:オブラート
組織:階層構造
信頼:仲の良さ重視 ※ここは日本人より強い。
意見の違い:濁す。ただ、日本人よりは対立傾向

<真逆>
決断:トップダウン ※ここだけ全く違うので注意が必要です
時間感覚:かなりゆるい

気づき・学び

・日本はハイコンテクストで争いを避けまくる、という世界の中でもかなりイレギュラーな国で、普通でない国、という意識をもたないと、異常と思われる可能性が高い

・イギリスはアメリカよりも比較的に日本に近いので、個人的な関係性については重視したほうがよさそう

・中国は現場で仲良くしながら、いかにトップの人に決めてもらえるように調整できるかがカギとなりそう

ということで、本日のお話は以上です。

日報

昨日の備忘録。
・昨日はMTGなし
・JPS/BCと来週以降のMTG調整 ※色々設定いただきありがたい限り
・日本語版の会社概要づくりに専念

明日は、ライフハック・教養の土曜日。BBCのポッドキャストでたまたま小津監督の東京物語を熱く語る外人が出てきたので、そのことを取り上げてみたいと思います。 

マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DXの木曜日
グローバル・未来の金曜日
ライフハック・教養の土曜日
エンタメの日曜日

それでは今日もよい一日を。




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