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恋愛から不登校まで 実践的すぎる「行動分析学」であの人の行動を変える術を学ぶ

おはようございます。ドドルあおけんです。

さて、ライフハック・教養の土曜日。今日は、いつなんで買ったかわからないKindleライブラリにあった本から「行動分析学」という学問をベースに人間の行動の原理・原則とそれを使ってどうライフハックできるか、ということを見ていきたいと思います。

筆者プロフィールを簡単に

Wikiに略歴がなかったので筆者のブログからコピペです。写真だけ見るとクセ強めですね。

プロフィール___奥田健次_行動分析学者__official_ブログ_by_ダイヤモンドブログ

奥田 健次
1994年から訪問型心理相談業務を開始。
2000年から私立大学助手(2005年から准教授)を得て、2012年退職(大学院客員教授に就任)。法政大学大学院、早稲田大学、愛知大学などで教鞭をとる。
2011年、西軽井沢にあった廃校を行動コーチングアカデミーとして再生し、2012年に開校。
【受賞歴】
1999年、内山記念賞(日本行動療法学会)受賞
2003年、日本教育実践学会研究奨励賞受賞。
2008年、第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)受賞

行動分析学って何?

それではWikiから拾ってみます。

行動分析学とは字義通り人間または動物などの行動を分析する学問である。行動は、生物ができるすべての行動を対象とする。具体的には、独立変数(環境)を操作することで従属変数(行動)がどの程度変化したかを記述することによって、行動の「原理」や「法則」を導き出す。これを実験的行動分析(じっけんてきこうどうぶんせき;Experimental Analysis of Behavior)という。これにより、行動の「予測」と「制御」が可能になる。その成果は、人間や動物のさまざまな問題行動の解決に応用されている。これを応用行動分析(おうようこうどうぶんせき;Applied Behavior Analysis)と呼ぶ。
行動分析学(こうどうぶんせきがく;Behavior Analysis)は、バラス・スキナー(Burrhus Frederick Skinner)が新行動主義心理学をさらに改革し、新たに起こした徹底的行動主義(radical behaviorism)に基づく心理学の一体系である。歴史的には、フロイトやユングらの精神分析学に対抗する形で発展してきた。

行動を分析して、予測・制御ができるようになる。随分実践的な学問っぽいです。人は変えられない、というのが僕の印象ですが、予測・制御ができるなら学んでおきたいです。それでは前置きはこれくらいにして、本の中身を見ていきます。たくさんの事例が出てくるのですが、ギュッと圧縮してポイントだけお伝えします。

人間の行動原理は4つしかない

性別、性格、育った環境や人間関係など、私達の日々の行動は人それぞれの背景と複雑な思考プロセスで決定されているように思いますが、行動分析学ではそれを4つに集約してしまいます。潔く、わかりやすい。

それをチャートにまとめてみました。好子、嫌子など専門用語が若干とっつきにくいですが、言っていることはシンプルです。

NOTEネタ

表は見なくてもいいかもしれません。きちんと分類すると私達のすべての行動は、箇条書き4つのどれかにあたる、ということです。
ちなみに「行動」という場合、その人をビデオで撮ってそのビデオ上で客観的にやったことが表現されるものが行動で、考えたとか、感じたとか、寝そべってる、というのは行動ではありませんのでご承知おきのほど。

さて、簡単にコロナを例に事例を出してみましょう。

1. いいことが起こるためにする行動
 10万円の交付金をもらうために申請書を書く
2. いいことが失くならないためにする行動
 やせてる状態をキープするために巣ごもり筋トレする
3. 嫌なことが起きないためにする行動
 ウイルスに感染しないようにマスクをする
4. 嫌なことを失くすためにする行動
 手についたウイルスを排除するために手を洗う

すべての行動は、この4つのどれか、もしくはその組み合わせで起こると考える学問なんですね。そしてこれまでの膨大なリサーチの結果、行動の後に期待している結果が現れるまでにかかる時間が60秒以内というのがその意思決定を左右するとても重要な要素ということです。60秒の壁があるんですね。

行動分析学の視点から考えると、ダイエットが難しいのは運動してから60秒以内に効果が現れないからなんですね。1時間走った後にすぐ体重計乗って、2キロ減ってたら、オッシャ、となってモチベーションが持続できる。
でも、実際は5キロ走ってもすぐには体重変わらないし、筋肉がついて、逆に次の日体重増えたりするので、ご褒美があいまいです。

原因 → 結果 ではない

よく弱音を吐く人がいるとします。それをなぜか?という問いに対して、大抵はその人の内側に原因を求めます。精神が弱い、とか、甘え、とか、そういう人の性格・性質があって、それが原因で結果として、弱音を吐くという行動に出る、そう考えるんですね。

でも、その考えに立つと、弱音を吐くという行動を解決するためには、その人の精神を鍛える、叩き直す、みたいな方向にいってしまいます。あとで不登校の例が出てきますが、そいつの根性が、って話になるとどうしても叩き治すという鍛冶屋的な発想での解決をしにいこうとするのですが、行動分析学は、行動の後に何が起こったかのほうに注目します。弱音を吐いた後、何が起こったかです。

例えば、彼氏に今日あったことの愚痴を言う「行動」をしている彼女がいたとして、その結果、彼氏からは「それは大変だったね」という言葉をもらったとします。これは今日大変なことがあったという原因を見るのではなく、「それは大変だったね」という労いの言葉、かまってもらえるというご褒美をもらっている、という点に行動分析学は着目します。

大変なことがあった、ということや、愚痴をいうネガティブな性格、という部分は見ないってことですね。あくまでも、そのご褒美を得るための行動、そしてその結果、行動の60秒以内に労いというご褒美を得る、という構造に着目して、彼女の行動はかまって欲しいという欲求を満たし、上でいうところの”いいことが起こるためにする行動”として、愚痴を言うという意思決定をしている、ということになります。

不登校を劇的に改善した「すぐにご褒美」の魔力

がん検診の目的とその利益(メリット)・不利益(デメリット)|とうきょう健康ステーション

不登校、引きこもりというのは社会問題化していますが、行動分析学的な視点でいうと、家にいる/引きこもることによるご褒美/メリットと、学校に行くことによるご褒美/メリットのどちらの総量が大きいか、によって行動が変わる、という見方をします。その子の内面の問題はいったん置いちゃいます。

本の中では3人兄弟の一番上の子が不登校になり、それを知った下の子たちもお兄ちゃんばっかりずるい、といって不登校しはじめる、という負の連鎖が始まった家庭の実例がでてきます。以下は、その母親に対して筆者が行ったカウンセリングのお話です。

さて、私がこの母親にまず提案したのは以下のことだ。
・下の二人はまだ学校に行く日もあるので、学校に行けた日(遅刻せず早退もない日)には、大きなカレンダーにそれぞれの子ども専用のシールを、記録代わりに本人に貼らせること
・次回、そのカレンダーを持参すること
・1週間の過ごし方を表にして持参すること

3週間後、母親は上記の事をすべて実施して、記録を持って来所した。それらの記録に基づいて、ムリのない目標設定をそれぞれの子どもに立てて、来週以降、目標達成(行動の結果)に応じて、週末の母親との過ごし方を変えることを提案した。
目標は、次男・次女は週4日以上学校に行けたら、週末に母親とファミリーレストランとバーガーショップ。長男は週一日、保健室登校でもできればバーガーショップ。

こんな提案すら、母親にとっては驚きだったようだ。私と出会うまでは「兄弟別け隔てなく」などと言われていたのに、私から初めて「行動の結果に応じて、きょうだいに歴然とした差をつけること」目標はそれぞれの子どものスモールステップなので、きょうだい間で『ずるい』とか『甘い』などと言わせない」「ファミリーレストランやバーガーショップは、どんなことがあっても普段は行かないこと」などと聞かされたからだろう。しかし、これが私の「行動の処方箋」だ。

母親は、子どもたちに来週からの方針を伝えて実行に移った。すると、次男と次女は1週目、いずれも目標をクリアした。予想通り、長男は不機嫌な1週間を過ごして、それまでと同じように学校には1日も行かなかった。
大変なのはその週末である。母親は、長男だけを家に残して、次男と次女を連れてファミリーレストランに外食に出かけた
これまた私があらかじめ母親に伝えていた予想通り、長男は怒ったりすねたりしたが、母親は手応えを感じることができた。学校を休んで好き勝手やっている兄のことを「ずるい」と不満に感じていた下の子二人が、学校に1日も行かない兄のことを「かわいそうだね」と言えるように変わったからである。
母親からすれば、親の関わり方を変えてたった1週間で、不満が満足に、憎しみが哀れみに変わったことは、奇跡のように思えたに違いない。
2週目、長男はひさしぶりに保健室登校ができたことも、母親の驚きを倍増させた。その週末、母親はようやく3人の子どもを連れてバーガーショップに行くことができた。

この5ヶ月後には、一番重症だった長男も毎日学校にいけるようなったそうです。恐るべし行動分析学。

4つしかない行動の機能

4つしかない行動原理と合わせて覚えておきたい4つしかない行動の機能は以下のとおりです。

NOTEネタ

本の中では鉛筆のペン回しの例が出てきます。同じ”ペン回し”という行動でも行動によって得られる機能・効用に種類があるということです。

<ペン回し行動の機能>
1.ものや活動が得られる
ペン回しをすることで徐々にうまくなり、もっと高度な回し方ができるようになる
2.注目が得られる
ペン回しをすることにより、クラスメートの注目を集められる
3.逃避・回避ができる
ペン回しをすることにより、つまらない授業でひまを潰せる
4.感覚が得られる
ペン回しをすることにより、回った時の達成感・気持ちよさを味わうことができる

学問というのは、さまざまなことに当てはまる法則を見出していくというのがひとつな大事なポイントですが、行動分析学はいったらこの原則4つに機能4つでだいたいオッケーぽいので、とても実践的ですね。

学び・気づき

・人間は複雑そうに見えて、実は、行動によって予測できるご褒美を見すえて、ご褒美と労力のバランスを常に判断しながら合理的に”行動”している

・そのため、人の行動を変えるためには、その労力とご褒美の設計をきちんとしてあげれば良い、ということになる。難易度が高すぎない目標設定と確実にもらえるご褒美(理想は60秒以内)がカギ

・子育てやチームビルディングなどいろいろなところで応用できそう。ご褒美デザイン、重要。その際、行動がもたらす4つの機能・効用のどれにあたるのかも考えると精度があがりそう。

ということで本日のお話は以上です。

日報

仕事の備忘録として。
・P定例(11AM)
・議事録(日英)PM
・emailテンプレセッション(3PM)
・名刺調整(夜)←これから作るんかい!


明日は、エンタメの日曜日。最近注目のジョー井上さんオススメの日本人シンガー3名をご紹介予定です。 

マーケティングの月曜日
経営戦略・事業開発の火曜日
EC・ロジスティクスの水曜日
DXの木曜日
グローバル・未来の金曜日
ライフハック・教養の土曜日
エンタメの日曜日

それでは今日もよい一日を。

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