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【4〜9日目】 突然鬱の大波がやってきた/私は、むき身になりたい

2024年2月29日(木)〜3月5日(火)
24:雨水 72:草木萠動(そうもくめばえいずる)

この時期の胸の苦しい感じは、一体何だったのか過ぎた今もわからないし、数日続く長い発作のようで、つくづく人の心理や意識の不思議を思う。

2月27日の火曜日夜、作家の安達茉莉子さんによる「オンラインむき身クラブ」に参加した。
夫と別居になって2日目、この日を無事に迎えようと、予約して励みにしていた。

この会自体はとても実り多きもの、心強いものだったのだけれど、
「果たして私は本当にむき身になりたいのか? 
まだまだバリアを張りたいのではないのか?」と自問もした。
参加者のみなさんの優しさにくらべて、自分はまだかっこつけていたいのはないかと、恥ずかしくも感じた。

その2日後、ふと過去のある出来事を思い出したことがきっかけで、ドーンという鬱状態に陥ってしまった。
きっかけは何でもよかったのかもしれない。

ちょうどその日は半月も遅れて生理がやってきた日で、一人になった孤独感はもちろん、日本海特有の日照不足も続いており、シンプルに鬱的な発作だったのかもしれない。
そして、そこからほとんどずっと、心臓がドキドキいいつづけて、今の自分ののうのうとした暮らしが申し訳なくなり、ごはんが喉をとおらなくなり、何もかもをぶち壊さなければいけないような衝動にもかられた。
(それはそれで勝手なのだが)

ほんの少しでも晴れ間が出ようものなら、「セロトニン! セロトニン!」と小さく叫びながらひたすら近所を歩き回るが、改善の気配がない。

困り果てて、先日訪れたクリニックを再度早めに訪れる。
医師曰く、「潜在意識って表面に出てくるものよりあまりに大きくて、どんなきっかけで何が表面化するかわからないもので、出てきた時はびっくりするけれども、
でも、それはたいてい成長の時なんですよ」
とのこと。
だから、抑え込んで、へんに正当化したりしないで、感情は表に出し、味わい尽くせば、穏やかになっていくのだと。

そうか。
そうだったのか。
私が金沢に帰ってきた理由は、これだったのか。
そうでもないかもしれないが、
ひとまず、私がこれからやることは、これなのだ。

思えばパニック発作だって、たいていは
「私はこんな状況にいるべきじゃない! 出せ!」という
現状への不満の表層化がはじまりだったようにも思う。
(致し方ないこともあったが)

どうかしている時はどうかしていることが真実に思える。
(嘘でもないかもしれないが)
本当はいろんな見方ができるのに。

とりあえず、ふたりともあったか毛布&窓際

そんな状態なので、MELON(マインドフルネス)のクラスにカメラオンで参加する。

すると、友達と電話したりラジオやPodcastなど人の声を聴いたりして気を紛らわしていたばかりの自分の心の底の、静けさにアクセスできた感があった。
ひとりで寂しいけれど、誰にも侵されない自分の人生があるのだということも、妙に客観的に見えてきた。

もっとはやくやればよかったな。

このまま自分だけの快適な国を作ってばかりいては心身ともによろしくない。のは確かにそうなんだけれども、その前に自分をよくやっている、ここまでがんばったとねぎらいたい。
そして、本当に今こそ日々瞑想をやったほうがいいんだなあと心から思う。合間合間でいいから。合間だからこそ。

用水の土手にだけはわずかに春

スーパーのレジで、店員さんがお客さんに
「あらー!チオビタとか買って疲れとるん?大丈夫?」と声をかけていた。
数日前は「無理かも」と思っていたこの距離感に、今は救われている。
金沢に人情を感じるなんて、想像もしていなかった。
ここまで会った店員さんや業者さん、ご近所さん、みんなみんな優しく気さくだ。

週末は両親に会った。
父も母も、姉も甥も姪も、私の想像していた以上に深刻に苦しんでいたことがわかった。

みんなみんなつらいから、言葉を交わすのだろう。
東京で守られて、優秀な人たちに囲まれ、便利に暮らしている時には、ぜんぜんわかっていなかった。

私は今の自分が嫌いじゃない。
今、とにかく人の優しさを感じているし、もう、どんな人とだってとりあえず接してみようと思う。
この状態になってから数日間、不平不満がほとんどないのだ。
むしろこのままでいたほうがいいのでは、とすら思う。
少なくとも、ほとんどすべてにおいて不寛容だった、ほんの少し前の自分にはもう二度と戻りたくない。

自分と少し違うタイプの人だって、もう、なんでもいい。
変化も成長も、玉ねぎの皮をむくように少しずつしか進まないこともわかっている。
でも、悲しくても、つらくても、寂しくても、それを抑えつけず受け入れて過ごそうと思っている。
(最低限の健康を失わない範囲で)

わたしはいま、心から、むき身になりたい。


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