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写真。カメラでできること、スマホでできること。(初心者向け)

写真を生業にしています。フリーランス歴13年です。このnoteではあまり写真のことを書いていませんので、写真のこと、特にスマホがらみの記事をもっと書いてみたいと思い皆さんの質問に答える形で記事を書いています。


知りたいことがあればコメント欄にお書きください。


今回は下記記事内で頂いためげないやつ子さんからのコメントで気づいたことを書いてみようと思います。


最近のスマホカメラは一眼カメラにも匹敵する絵が取れるようになり、スマホでも十分事足りる時代になりました。


しかし、プロの世界でスマホカメラをメイン機として使っている人には会ったことがありません。企画もので一時的に使うことは稀にありますが、基本的には一眼レフかミラーレスを使います。

その理由は色々ありますが、今回はカメラにはできて、スマホにはできないことに絞って解説してみたいと思います。


カメラでできること、スマホでできること。(初心者向け)

4つほどご紹介したいと思います。

1.ボケ感

まずはこちらの写真を。どちらがスマホで撮った写真かわかりますか?

左側が一眼レフ、右側がスマホ

スマホがボケにくいのは知っている人も多いかと思いますが、その理由はセンサーサイズにあります。受光センサーが小さいほどボケにく、スマホは一眼カメラに比べてセンサーサイズが大幅に小さいんです。

まずは基本的な所。
一眼カメラはボケやすい。スマホはボケにくい。


2、ボケのコントロール

続いてそのボケのコントロールについて。一眼カメラの場合はこのボケをコントロールするための「絞り羽根」がレンズ内に備わっており、この羽根を調整することでボケ感のコントロールが可能です。

(中心の穴が大きいほどボケやすい。F値で表される)

引用:Wikipedia 絞り(光学)
レンズを正面から見た絵。

一方スマホの場合は、絞り羽根は固定されていることがほとんどで、絞りの調整はできません。それを補完するためにスマホでは画像処理でボケを表現するモードが存在しています。iPhoneではポートレートモード。
(古いスマホや古いOSでは無い場合もあります)

iPhoneポートレートモードで撮影後ボケ具合を調整。

これは画像処理のため、後から調整することが可能です。

左上のf1.4という数値で調整可能
(iPhoneのカメラアプリ)

一眼レフは撮影時にボケのコントロールをする。
スマホは撮影後にコントロールする。(ボケ専用モードのみ有効)


3.逆光シーン

逆光と言えば明暗さが大きいシーンですが、一眼レフよりもスマホの方が性能が高いんです。

左が一眼カメラ、右がスマホ
パンダの顔が同じ明るさになるように撮影

もちろんこれは最新の機種、OSであればあるほどと言えますし、一眼レフでも撮影後の編集によってスマホと同レベルの絵を作り出すことも可能です。

しかし、撮ったままの状態を見比べるとスマホの方が白く飛んでいる箇所が少ないんですね。

スマホの方が逆光シーンは性能が高い
※最新機種、最新OSに近いものに限る


4.最短撮影距離

最短撮影距離とは被写体とカメラが近づいた時にこれ以上近づくとピントが合いませんよという距離のことです。

一眼カメラではレンズの性能によってピンキリで、望遠レンズでは1m近く離れる必要なものもあれば、広角レンズでは10cm程度まで被写体に近づけるものもあります。

しかし、スマホはもっと近づくことが可能です。

左が一眼カメラ、24mmレンズ
右がiPhone12 Pro x1倍レンズ(約26mm画角に相当)

一眼カメラはレンズにより変わるが、スマホの方が一眼カメラより寄れる

※一眼カメラでも周辺機器を使えばスマホ並みに寄れる方法はあります。


以上4つの解説でした。

まとめます。

  • スマホは一眼カメラよりボケにくい。

  • 一眼レフは撮影時にボケのコントロール。

  • スマホは撮影後にコントロール。(ボケ専用モードのみ有効)

  • スマホの方が逆光シーンは性能が高い

  • スマホの方が一眼カメラより寄れる


スマホはカメラに近づくために日進月歩で進化を続けています。昨今ではコンピューティングフォトグラフィと言ってAIや画像処理を駆使した絵作りを行い、撮影時には一眼レフでも敵わない絵を撮れるようにもなってきています。


この先の未来、一眼カメラを超えてしまうなんてこともあり得るのかもしれません。それこそ、スマホでも十分なクオリティや機能が出せるようになるならば、スマホカメラマンが出てきてもおかしくないかもしれません。


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Top画像:まと。
本文画像:まと。


このシリーズで他に書いたもの。

#スマホ写真Tips


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