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ロンドンからの便り :2. 還暦すぎての海外暮らしは?

読者0ゼロの想定で始めた「ロンドンからの便り」なのですが、私にとってはまったく予想外のことが起きました。たくさんの人たちに読んでいただいていたのです。

彼女がこの世から消えたことに、まだ全然慣れず、その不在感に鬱々としている身には本当に有り難いです。

ありがとうございます。

コメントもありがとうございました!

読者が10数人ぐらいだったら、この「ロンドンからの便り」シリーズは本当に気楽に続けられたのですが・・・。読んでいただいている人の数が私の想定を越えているので、そのことにおののいています。

つまり、このシリーズの投稿は、たんに昔のメールの再録みたいなものなのです。それが果たして読んで良かったと思えるようなものになるだろうかという不安です。

まぁ、気にしてもしょうがないことなので、読むに堪えるかなと思えるものを出来るだけ選んで掲載していこうと思います。

ちなみに見出し画像はタワーブリッジです。天気の悪い日の写真です。
私の心象風景を表すために、敢えて使いました。

はじめに

この時(2013年夏)の私は、大学時代の友人たちに、この後も性懲りもなく「ロンドンからの便り」ということでメールを出し続けました。それに対してまったく反応がありませんでした。音沙汰なしでした。

当然、モチベーションはだだ下がりです。
ちょっとした感想とか、ここが面白かったとか言ってもらえると頑張れるのですが、音沙汰なしは結構しんどいです。

まぁ、私自身の鬱がまだ寛解していなかったことも、モチベーションだだ下がりの原因だと思うのですが・・・。

帰国後みんなに会った時に聞いたら、「matoibaのメールは暗いんだよ」で終わりでした。うーん、難しい。

男たちは、私も含めてそうですが、コメントを書いたりなどが苦手ですよね。

この時は依然として鬱で苦しんでいたので、内容がどうしてもネガティブになるのはしょうがないかなぁと、今でも思います。それでも何とかネタを見つけて「ロンドンからの便り」と称して仲間にメールを書き送り続けました。それだけでも鬱の私にとっては大きな進歩でした。

ということで、第2便は、ロンドンに着いてから体調を崩したという、これまたしょうもない話です。


第2便 7月某日

ロンドンの夏は涼しい

日本では梅雨が開けて毎日30度以上の暑さだという便りをもらいましたが、こちらでは、7月の中旬だというのに、午前中はまだ暖房を入れています。

先週の週末から20度を越える気温になりました。ようやくイギリスにも夏が来たかぁという感じです。それでもこの暑さは数日のことで、またすぐに寒くなるんではないかと、私と同じ身分で在外研究に来ておられる先生方と話しています。

街歩く人々も様々で、日本の夏以上に薄着をしている人から、依然としてコートやジャンパーを羽織り、マフラーを巻いている人もいます。イギリスでは衣替えなんていう習慣はないんじゃないかなぁと思います。

気温の日較差はすごく大きいです。昼間が暑いからと思って油断していると、夜というか夕方から急に冷こみ10度以下になることもあります。

借りている部屋には暖房の設備はありますが、当然のようにクーラーはついていません。もちろん扇風機もありません。電車やバスなどの交通機関、お店などでは冷房が入っていますが、個人の家では冷房はないような印象です。

定着は大変

こちらに定着するのに思ったよりもずっとエネルギーと時間がかかってしまいました。

基本的な家具、つまり、電化製品(冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、乾燥機など)は備え付けでありました。しかし、布団、シーツ、タオルなどに始まり、食器(皿、スプーン、フォークなど)まですべて買い揃える必要がありました。毎日、リストを作成して買い物にいくのにエネルギーの大半を吸い取られる感じでした。

銀行口座を再開したり、ネットができるようにするのも、また携帯電話を購入したりするのも結構手こずりました。

ヘタレな私には、そのひとつひとつがストレスでした。しんどいなぁ、嫌だなぁ、行きたくないなぁと思いながらも、彼女に尻を叩かれて何とかかんとかこなしているという感じです。

英語が堪能でないのも一つの原因ですよね。
言葉の壁で往生しました。とにかくひとつの用事をこなすだけでぐったりして疲れています。一日はそれで終わるという感じです。

ロンドンは寒い

この精神的なストレスに追い打ちをかけたのが、ロンドンの寒さでした。

3月下旬の日本はぽかぽか陽気だったのと、昨年(2012年)の3月に研究図書購入のためにロンドンに来た時には、まるで夏のような天候だったのです。それで油断して、Tシャツと短パンだけをたくさん持ってきました。秋冬ものといえるのは、飛行機の中での寒さ対策でもってきたセーターとジャケット、それにジーンズだけなのです。

ロンドンに着いた途端に真冬に逆戻りです。
手袋がないと凍えそうな感じで、みんな真冬のような服装で、コートを着てマフラーを巻いて歩いているのです。

体調を崩した

その寒さとストレスから体調を崩しました。
風邪がまったく治らず、かといって病院に行く元気もなく、スーパーに売っている風邪薬を飲みまくりました。安いのから高いのまで、ほとんどの薬を飲みました。何が効いたのか分かりませんが、数日寝込んだだけで、それほど深刻にならなかったので良かったです。

いろんな種類の薬を飲んだのは、こちらの薬は、2日分とか3日分しか売っていないからなのです。処方薬局で買うのではなく、日本のドラッグストアで風邪薬を買うような感覚です。日本では60錠とか、100錠入っているような風邪薬が売っているので、1種類か2種類買えばOKですよね。

量がない代わりに安かったので、いろんなモノを買って飲んだという訳です。

風邪が一段落した4月中旬からは、今度は手足に発疹が出始めました。その発疹がかゆくて眠れなくなり、睡眠不足に陥りました。

終わりに

肉体的にも精神的にも若さがなくなってからの外国暮らしというのは、本当にしんどいです。適応能力がガクンと落ちているのを実感します。

3ヶ月が経ち、ようやくのことでこちらでの生活が慣れてきたのでこうやってみなさんにメールを書く元気が出てきた次第です。元気が出てきた頃には、あと残すところ2ヶ月ということで、あっという間に終わってしまう留学生活になりそうです。


最後に

自分で昔のメールを書き写しながら、うーん、確かに暗いわぁ、これじゃ何か返事を書く気になれないのは分かるなぁという感じでした。

こんなメールもらっても困りますよね。
もっと何か楽しいこと書けよという感じですね。

この大学時代の仲間へのメールは7月になってから慌てて書き始めたので、ご無沙汰していたことの言い訳を書いているような気がします。だから余計に暗いのかもしれません。

本日も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました!


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