母乳に関することはメリットばかり取り上げがち?
第二子を妊娠して妊婦健診に行っているのだが、もらった資料の中にこんな記述があった。
母乳の母と子にあるメリットである。
母乳信仰という言葉があるぐらい、母乳は良い!と言われているが、デメリットはなぜ書かないのだろうかと私は不思議に思う。
娘を完母で育てたからこそ思う、母乳のデメリットをあげたい。
他の人に任せられない
もちろん搾乳をして冷凍しておいて誰かに代わってもらうことができるのは知っている。
しかし、それは事前の準備が必要なわけで即座にできるものではない。
ミルクの場合は作り方さえちゃんと知っていれば母親以外の誰でも作って与えることができる。つまりは完母だと母親の負担が圧倒的に増えるのだ。
災害時の母乳の供給が不安定
大きな災害時、誰もが食料の確保が難しくなり、精神的にもストレスがかかって母乳の出が悪くなるのは良く聞く話だ。
安定した生活ができて、ストレスも過度にかかっていないことが母乳の出を左右するというのは知っておいて損はないと思う。
できるだけ完母と思っている人でも液体ミルクなどを非常時用に買い置きしておくのをお勧めしたい。
体力が奪われる
これは自分が娘の卒乳を終えて初めて気づいたことだが、母乳を作るのにはかなりの体力を使っているということだ。
母乳は血液からできているため毎日すごい量の献血をしているようなもので、尚且つ夜に何度も起きる生活と重なるとかなり体がしんどい。
出産後すぐから母乳を与えていた私は休む暇なく母乳を作り続けていて眠れてないからしんどいのだとばかり思っていた。しかし、卒乳すると一気に体が軽くなり体力が回復している感じがした。
母乳を作るのは母の体で、勝手に湧き出ているものではない。
母親が体調を崩した時に一時的に減る事がある
卒乳までの間に2度ほどだっただろうか。私はただの風邪と胃腸性の風邪を引いた。
熱があり食欲も少し下がったことから、母乳の出が一時的に悪くなった。どの程度回復するかもわからない状況がストレスで、娘はちゃんと飲めているのだろうかとずっと不安だった。
結果的には体調が良くなれば母乳も徐々に増えたし、心配だった時は母乳の出を助けるハーブティーを飲んだこともあったが、回復はするのでそんなに心配はいらないと思う。
赤ちゃんが飲んでいる量がわからない
これは切実だった。
ミルクの人は目で見て何ml飲んだかがわかる。しかし母乳の場合は赤ちゃんの体重を測る以外どれぐらい飲んだかわからないのである。
病院では(NICUに入っていたので)毎度飲ませる前後で体重計にのせてどれぐらい飲んだか把握していたが、家に帰れば測る手立てがなく娘と共に体重計にのって少しずつ体重が増えていればオッケーとするしかなかった。(絶対知りたい!という人は赤ちゃん用の体重計を買うかレンタルを検討するのがお勧め)
出過ぎて何度も洋服を着替えることもある
これも予想外だった。私の母は出が悪くて困ったと言っていたのでそちらの心の準備ばかりしていたのだが、逆に私の場合は娘が毎度むせるほどよく出ていた。
母乳パッドは気休めでしかなく何度も張り替えなければならなくて、服にも滲み出てくるし困っていた。ある助産師さんからオムツ充てるといいよと聞き、その手が!とすぐに実践したところ、夏は暑いのがネックなのだが吸収率は母乳パッドよりだいぶ良くて助かった。
母乳が作られすぎないようにお風呂を短時間に
母乳が出過ぎる人の悩み事として乳腺炎もきくが、飲まれないままおっぱいでたまるのも良くないので作る分量と飲む分量はバランスが大事だ。
母乳は温まるとよく作られるので、娘を出産したのは11月で寒かったにもかかわらずお風呂は短時間しか浸かれなかった。
カチカチに張って痛い思いをするぐらいなら寒い方がマシだと思っていた。
D-MER(不快性射乳反射)の存在
D-MERというのはDysphoric milk ejection reflexの略で、不快性射乳反射と言われるものである。
これは娘の卒乳を終えてから知った存在だったのだが、私が経験したのは母乳を飲ませている最中になんとも言えない不快感だった。ゾワゾワするような、イライラするような、早く飲み終えてくれないかなと貧乏ゆすりをしたくなるような感覚だ。
精神的に疲れているのかなと思っていたのだが、この症状は誰にでも起こりうるもので、ホルモンの作用だからどうしようもないことだと後からわかって安堵した。
「母乳をあげると幸せな気持ちになる」以外の反応を良しとしない世間の目はおいておいて、こう言った症状の存在ももっと多くの人に知られるといいなと思う。
完母にこだわりすぎて栄養失調になりかけた私の過去
先にも書いたが、私の母は母乳信仰で完母で育てようとして私が栄養失調になりかけた。
栄養失調になるぐらいならミルクをしっかりあげた方がと今の私ならはっきり言えるが、昔の方が母乳信仰は深かったし、こだわりたかったのだろう。
完母で1人を育てたからこそ感じた母乳のデメリット。完母が絶対いいとは私は思わない。お母さんと赤ちゃん双方にとっていいバランスのあげ方があると思うからこそ、誰かにこの体験が届いて自分の価値観で判断してほしい。
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