酒は百薬の長…
これからの時期はお花見や移動などでお酒を飲む機会が増えると思われます。「酒は百薬の長」という言葉は古代中国の「漢書」から出た言葉で飲みすぎなければお酒は健康に良いということを表現しています。最近の研究では、高齢者は適度な飲酒をすることで、生活習慣病などの病気のリスクを防ぎ、寝たきりの生活なども防ぐことができるとされています。また、美味しいお酒を飲むことでストレスが解消されることからお酒は心も体も健康にしてくれるというメリットがあります。
しかしながら、高齢化社会を迎えた現在において約15%の高齢者が飲酒に関連した健康問題があり、アルコール依存症は約3%。高齢者の大量の飲酒は脳血管疾患、転倒による骨折、認知症など様々な疾患のリスクを高め、寝たきり生活の原因になるものばかりです。また、最近では退職後の生きがいの喪失や配偶者や友人などの別れが原因による高齢者のアルコール依存症も増えています。さらに高齢者はアルコールの代謝機能も低下するため、アルコールが分解しきれず肝臓などの臓器への障害も引き起こすこともあります。
お酒にも二面性があるように、諺には相反することもあります。例えば「善は急げ」は常に心掛けておきたいことだが、「急いては事をし損じる」といったように、急ぐことが善にも悪にもなる場合がるように、同じものに良いことも悪い事も混在することがあります。現在の日本はまさにこの状態で、過去最高の株高や大企業の賃上げ、茨城県では県内総生産と県民所得が過去最高になるなど経済は盛り上がっていますが、政治に目を向けてみると政治とカネの問題から内閣支持率が最低になるなど決して良い状態だとは言えません。内閣総理大臣が出席しての政治倫理審査課が開催されています。政治倫理審査会は田中角栄元総理がロッキード事件で有罪判決がでたことにより、政治倫理確立の必要性が言われるようになり、議員が「行動規範」その他の法令に著しく違反し政治的道義的に責任があると認めるかどうかについて審査をし、勧告を行う機関として設置されました。今回の政治倫理審査会は形式的な弥縫策で終わることなくあって欲しい。政治は言葉の芸術とも言われているが、空疎な言葉が飛び交うだけの当座しのぎで終わらないでいただきたい。
話題をお酒に戻しましょう。「酒は百薬の長」という言葉には後ろに「過ぎたるは百薬の長にあらず」という言葉が続きます。お酒を適量飲むことで、アルコールが悪玉コレステロールの増加を抑え、善玉コレステロールが増加することで、血液が血管の中で詰まりにくくなるため、心筋梗塞や狭心症など虚血性心臓病を予防する効果が確認されています。しかし、お酒を大量に摂取すれば中性脂肪が増加し、善玉コレステロールの低下、悪玉コレステロールの増加につながり、血圧上昇や高血糖状態をも引き起こします。政治においても最低限のお金がかかるのは理解できるが、目的がカネになって政治が「過ぎたるは政治にあらず」と言われないように気を付けていただきたい。
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