見出し画像

気候変動がもたらす影響はこんなところにも

 こんばんは。12月もなかばを過ぎました。ここ最近は冬本番な気温の日々も続き「温暖化はどこへいったのやら…」と思ってしまう日々が続いています。しかし12月になって観測史上初の夏日を記録することや玄関先においてあるハイビスカスが12月にもかかわらず花をつけるなど、地球温暖化は着実に進んでいます。そんな今回は気候変動が与える生物への影響についておさらいしてみたいと思います。


気候変動による絶滅危機種は4,000種以上

 IUCN(国際自然保護連合)が発表している、世界の絶滅の恐れのある野生生物のリスト「レッドリスト」には、3万8,543種以上とされ、野生生物を追いつめる大きな11の要因の一つとして「気候変動」つまり地球温暖化を挙げられています。
 気候変動による生物への影響は平均気温が4℃上昇した場合には、種の半数近くが絶滅の危機に晒されるとの研究報告もあります。実際に、地球温暖化(気候変動)の影響を受けていると考えられる世界の絶滅危機種は、年々増加のし、2000年時点で15種だったのが、2004年には182種、2008年には632種と増え、2010年には1,000種を超え、2015年は2,000種、2020年には4,000種を超えるといった急激な増加をしました。
 これまで野生生物を脅かしてきた大きな要因「乱獲」「生息環境の破壊」「外来種」といった脅威に、この「気候変動」がさらに重なることは、野生生物の絶滅の危険性を、さらに増大させてしまうおそれがあるということです。

絶滅だけではない生物への影響


 気候変動とは地球環境にもたらされる急激な変化です。気温や気候が変化する中では、食物が採れなくなり、繁殖が出来なくなるなど数を減らす動植物種が注目をされがちですが、一方で生息域を広げ、数を増やすものも出てきます。
 そこに生えている植物が変化し、生息する野生動物が変化をすれば、気候変動による変化に耐えていた動植物も、新たに生息地を拡大した動植物に生息地や食物を奪われたり、捕食されて減少し、絶滅する種が出てくることも考えらえます。気候変動はこうした間接的な影響も生物に対して及ぼす危険性があります。そして広い地域で植物や生物が大きく変化すると、森林や草原だった場所が、干ばつなどで広く砂漠化するといったような、その地域の気温や気候そのものを変化させる一因になり、地域の気候自体を変えてしまう可能性もでてきます。これがさらに在来の野生生物や生態系を脅かす原因になってきます。

生物を守るために


 今年は観測史上最も暑い一年と見られ、国連のグテーレス事務総長が“地球沸騰の時代”と表現して警鐘を鳴らす中、COP28が先週まで開かれていました。COP28は、国連の気候変動枠組条約の28回目の締約国会議にあたります。この条約のもとに具体的な取り決めとして2015年に「パリ協定」が作られ、気候変動がもたらす災害や食糧危機などの被害を抑えるため、気温の上昇を産業革命前から2℃未満、できれば1.5℃に抑える努力をするという目標については既に世界中の国が合意しています。
 温室効果ガス排出を削減する道筋は国ごとに異なるとしても、気候変動対策の重要性は今後さらに高まることから、各国が脱炭素を加速させる方向で一致した意義はとてもい大きなものがあります。今回のCOP28で採択された成果文書には、「この10年で化石燃料からの脱却を加速させる」と明記されました。2021年のCOP26で初めて「排出削減対策のない石炭火力発電の段階的削減」で合意し、今回は、化石燃料全般の「段階的廃止」という踏み込んだ原案がいったん示されました。これは産油国などの反対で「廃止」の言葉は消えたましたが、初めて化石燃料全般を「脱却」の対象とし、10年間という目標も定めた点は、大きな前進だといえます。
 再生可能エネルギーの設備容量を30年までに世界で3倍に増やすことも決まり、併せて二酸化炭素を排出しない原子力発電の価値が認められ、低炭素技術として文書に盛り込まれました。再生可能エネルギーをできる限り拡大していくのは大事なことですが、太陽光や風力発電は規模が大きくなるにつれ、広大な用地を使う割に発電量が少なく、発電が安定しないなどの弱点もあります。日本国内でも様々な議論が存在する原子力ですが、国土が狭い日本においては、再生可能エネルギー一辺倒よりも、比較的小さな敷地で安定した電力を供給できる原発の利用拡大を図っていくことが、二酸化炭素の排出を削減するための最も現実的な方法だということです。

おわりに

 玄関に咲いたハイビスカスも少し前までは日本の気候に合わず冬はハウスに入れるなどが必須だったが、最近でそこまで気にしなくても育ってしまうかもしれない。ただ、霜が降りたら室内にといわれていたのでさすがに中にしまう予定ではいるけれど。最近、鯖が取れずに鯖缶が作れないといった話を聞いた。鯖缶といえばサバには、中性脂肪を減らし血液をサラサラにするなどの効果を持つとされる「DHA」(ドコサヘキサエン酸)と「EPA」(エイコサペンタエン酸)を含むことから、気軽にサバを摂取できる「水煮」が注目をされ、健康ブームも相まって生産量が増加をしたことがあった。鯖の漁獲量が減っているのも気候変動からくる海温の上昇といわれているが、中性脂肪を減らす鯖缶にも影響が出ているとなると、気候変動は私たちの健康にも影響を与えるということにもなるのかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?