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タイ人女性との共同生活 第七話 ~消し去りたい過去~


彼女は毎晩安いウイスキーを浴びるように飲んでいる。決して味わっているわけではなく、とにかく酩酊状態になるためのようだ。

昨夜、酷く泥酔した彼女が帰宅した。

「何で私にこんなことしたのよ!」
そんなような事を独りでブツブツ言っている。

崩れたメイクは彼女の精神状態を表しているようだった。何かあったに違いない。すかさずどうしたのかと尋ねると、彼女は堰を切ったように話し始めた。

しかし悲しみからくる怒りというのはあまり長続きしない。10分後、気が済むまで話し終え、疲れきった彼女は人形のように眠りについた。

俺はその話を淡々と聞いていた。情がないわけではないが特に衝撃は受けなかった。何故なら俺は彼女を愛しているわけではないからだ。俺はただのバックパッカーだ。旅の途中で彼女と出会い、家に泊まらせてくれるというから彼女と暮らしているだけなのだ。

第八話↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


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