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(コラム)書籍「子どもたちの未来を創ったプログラミング教育」を読む


自分にぴったりの本を見つけました


プログラミングを題材にした教育に関する本で、その考え方が自分の考え方にこんなに似ていると感じたのはあまりない気がします。
そして、自分が一番気になっている「プログラミング教育の効果」が書かれていそうなところは楽しみでしょうがありません。
この本から多くのことを吸収して、note で連載している「高校数学をプログラミングで解く」をより面白く、ためになるものにしていきたいと思っています。


以下では、気になったところをピックアップ(引用)してコメントを残していこうと思います。

プログラミング教育が盛り上がっていない?

2020年からプログラミング教育が全国で始まりました。ところが必修化されたのに、あまり盛り上がりません。

p.5

実は、自分も以前(2022年7月頃)ある方に

プログラミング教育については学習指導要領改訂前に多少話題になったけど、告示後トーンダウンしている

と説明してもらったことがあります。
正直、「始まってもいないのに何で・・・」と思ってしまいました。

著者は、このあと盛り上がっていない理由として次のように述べています。

プログラミング教育について教育現場がぜひとも知りたい次の問題が未解決だからです。
①プログラミング教育は子どもの学習と発達にどんな影響を与えるのか?
②ソフトウェアなどの「道具」は子どもの学びにどう作用し、同学習を助けるのか?

p.5

この本は、40年以上前からプログラミング教育を始めた著者がその教え子たちを追跡調査して上記の未解決問題を考察し、その詳細をまとめたものになっています。
自分も是非知っておきたいところなので、先を読むのが楽しみです。


コンピュータに教える

「そうだ!」、次の瞬間、洞察しました。180度逆転してみよう。子どもたちを「コンピュータに教える」という積極的な立場にまわしてみるんだ。「教えることは最高に学ぶこと」という。そうすればどれだけ主体性が呼び覚まされ、どれほど学習に意欲的になれるかわからない。

p.19-20

自分が note で連載している「高校数学をプログラミングで解く」の狙いの一つはまさにこの「コンピュータに教える」ことです。つまり、コンピュータに高校数学の正しい答えを導き出させるためには、自分がコンピュータにその道筋をきちんと教えてやらなければなりません。そしてそれは自分がしっかり理解しておかないとできないことですので、必然的に高校数学を理解せざるを得ないことになります。
40年以上前に、この考えにたどり着いていた方がいたとは。


勉強じゃないみたい

「先生、これとってもおもしろい。まるで勉強じゃないみたい!」

p.23

プログラミングって、はまると夢中になれるんですよね。どういうアルゴリズムだったら正しい計算ができるか、どうすればプログラムが正しく動くのか、などを考え抜くことは楽しいです。まさに、勉強ではなく、遊びの感覚になります。


「評価」だけでなく「効果」も大事

教育では授業結果やテスト結果など、速度のように瞬間的に測れるものを「評価」と呼んでいます。逆に学習成果や教育成果など、走行距離のように時間をかけないと測れないものは「効果」と呼んで使い分けています。

p.38

「高校数学をプログラミングで解く」の紹介記事のサブタイトルには、

「覚えた数学」を「使える数学」に

と記述しています。この「評価」と「効果」の使い分けの文を読んで、自分は「高校数学をプログラミングで解く」の連載記事を読者の将来的な「効果」つまり「数学を使えるようにする」を期待して書いているんだと感じました。
もちろん「評価」を気にすることは大事なことだと思います。ただ、せっかくならそれだけを指標にするのではなく、将来的な「効果」も期待できるような記事を書いていけたらいいなと改めて思いました。


ミックス手法

筆者はこうした視野狭窄を避けるために、いろんな教科の中にあえてプログラミングやITをとり入れる『ミックス手法』をとっていました。理科や算数、図工や音楽、総合的な学習(プロジェクト学習)の中にプログラミングを取りこみながら学ばせる教育手法です。

p.60

「高校数学をプログラミングで解く」はまさに、「高校数学の中にあえてプログラミングをとり入れるミックス手法」と考えることができます。
著者はこの後「このやり方(ミックス手法)は大成功だったと思う」と記述しています。自分がやっている「高校数学をプログラミングで解く」も方向性としては間違っていないのかなと少し自信が持てました。


今回は、ここまで。この書籍の第2章まで読み進めました。
第3章以降はまた別途、コメントしていきたいと思います。

MK's papa

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