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数学用語のようで全くそうでないギャンブル用語まとめ

今や義務教育カリキュラムにさえ含まれている数学の「確率」の分野

この確率論という分野は元々ギャンブルを研究するために発展したそうです。そのため、ギャンブルのことをちょっと勉強しようとすると「期待値」や「収束」といった数学的な言葉がほいほい出てきます。

ただし、その言葉の中には数学用語では無い、ギャンブルで生まれた言葉もいくつか存在します。それを仕事などで、あたかも数学用語のように使ってしまうと、もしかしたら恥ずかしい思いをするかもしれません…!ということで今回の記事は

数学用語っぽいけど数学用語ではないただのギャンブル用語をいくつか紹介します!

● 確率分母

まずギャンブル確率の話をする上で必ず出てくるめっちゃ数学用語っぽいこの言葉。

確率分母とは、確率を分子を1とする分数表記で表したときの分母の値のことで、1/319でいう319のことを指します。

かなりしっかりした定義があり、その確率が起こる頻度を表す便利な値ですが、数学にはこのような言葉はありません。この言葉は与えられた確率がどの程度で起こるのかを最も気にする人種であるギャンブラーに端を発する言葉です。

くれぐれもプレゼンなどで、確率を分数表記したときの分母の値を確率分母と平気な顔で言うことは避けましょう、「私はギャンブラーです」と自己紹介しているのと同義です!気をつけましょう!

ちなみに確率分母の数学的な性質についてはこちらの記事で解説しています。

● 期待度

期待値と期待度、両者とも似た言葉ですが全く意味は異なります。期待値はしっかりと数学的定義のある言葉ですが期待度というのはただの造語で、はっきりとした定義もありません。

期待値とは試行結果の平均値で、

期待度とはただの成功確率を示した値です

期待値は値で期待度は確率なので、指してる対象そのものが異なります。しかし名前が類似してるからか両者を混同して利用してる人がちらほら。

混同して間違った使い方をしていると、「ちゃんと言葉を理解してないのにちょっと難しい言葉を使いたがる人」という印象を与えかねません。そもそも期待度という言葉自体、ギャンブルでしか用いられない言葉だと思いますので他の場では使わない方がいいかもしれませんね。

● 完全確率

続いてまたも数学チックな言葉である完全確率。こちらもギャンブルに端を発する言葉で数学用語ではありません。

完全確率というのは、前の結果に影響を受けることのない確率を指します。

例えば理想的なサイコロは各面の値がそれぞれ1/6の確率で得られますがこれはサイコロを何度振っても変わることはありません。

つまり奇跡的に1が10回連続で出たとしても11回目で1が出る確率が下がるということはなく、これまでの結果に依らずそれぞれの面は変わらず1/6の確率で得られます。

このような結果に依らない確率を完全確率と呼ぶわけですが、これに似た言葉として独立試行という言葉があります。この完全確率での抽選のことを独立試行と呼びます。さらに独立試行はちゃんとした数学用語です。両者の関係は、

完全確率での抽選=独立試行
独立試行における確率分布=完全確率

となります。数学用語である独立試行という言葉はギャンブル界にはあまり使われずに、毎度完全に公平な確率と言う意味を強調したい気持ちからか完全確率という言葉が生まれたのだと思います。

もしギャンブルでは無い世界で完全確率なることを表現したいのであれば独立試行という言葉を用いれば問題ありません。ちなみに独立試行についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

この完全確率という言葉が数学用語では無いことを理由に 完全確率=悪徳オカルト説 みたいなことを唱えてる人もいるようですが、完全確率は数学的に形式化できる概念なのでオカルトではありません、あくまでそれに対応する数学用語が無いだけです。本気で完全確率=オカルトだと思っている方は確率のことを少し勉強するだけでそれが間違いだとわかると思います!

まとめ

ということで数学用語のようでそうでない

・確率分母
・期待度
・完全確率

について少し解説しました。他にもそのような言葉があれば追記しようと思いますので教えていただければと思います!ではでは♪

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