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手を動かして、書く、描く、画く

最近の方には、ささらない内容かもしれませんが、
ある程度歳がいっている方には共感してもらえるかな…


書いて書いて書きまくっていた時代が懐かしい。

私が幼いころは、何でもかんでも書いて覚えるのが当たり前でした。
英単語を覚えるのに、何度も何度も書いたり、
単語帳を一生懸命書いて、見て、唱えたり、
計算もその辺にある紙にひたすら書いたり、
歴史の年号を覚えるために、年表を書き出したり…

ところが…いまは???

天才が増えてきた?

今は見て覚える、授業もノートを取らない、そもそも授業も動画でメモも取らずに聞き流し。
でも覚えているみたい…

見ただけで覚えられる人が増えた結果なのかな…

凡人は書かないと頭に入らない、と思っていますが、間違い?
それとも、天才が増えた??

ハンドコピー推奨派です

私が現場に出ていた時に、よく「例題1をノートにハンドコピーしてね」みたいな形で、教科書をそのまま書き写させていました。
理由は、見ただけよりは書いたほうが定着しやすいから、です。
黒板にそのまま書くと、書かない子が多いので、自分で書かせていました。
例題って、解き方の手順がちゃんと書いてあるんですね。
それの通り真似てみれば、あとは数字を変えるだけ…

絵を描くために、何かの漫画を写し書き(トレース)するのと一緒です。

まずは物を写し書する。

「まなぶ」ことは「まねる」こと

私が高校生の時の現代文の先生の言葉です。
1年の1番最初の国語Ⅰの授業の最初に言われました。
でも、なんでもそうだと思うのですよね。
上手になりたかったら、自分より上手な方のマネをしますよね。
サッカーが上手になりたかったら、上手な方の真似をしますよね。
だから、勉強できるようになるようになるためには、勉強できる人のまねをすればいいですよね。

だから、先生が書いてくれた黒板は書いておけばそのうち先生のレベルまで行けるかもしれない、というのが単純な発想。

だから、教科書は問題を解ける人が、解き方を書いてくれているので、それを真似すればいい、それだけ。

まあ、みんながそれだけでできるようになれば、先生いらないけどね(笑)
教科書さえあれば。

でもみんな書きたがらない

自力で問題解け、と言っているわけでもないのに、みんな書かない。
それもやらずに、「できない」と開き直っているのは、私は

ちがうよ、「できない」ではなくて「やらない」だよ

書きなさいといった時に書かないのは自由。
でも後になってできなくなっても、自己責任です。
やらなかったらできるようになるわけありません。

泳げない人がよく言いますよね、
「泳げないからプールはいらない」
いえ、プールはいらないから泳げるようにならないのです。

それと一緒です

最低限のことだけでもやってみよう

だから、私は宿題によく「何ページから何ページまでの例題ハンドコピーしてきてね」と出しました。
そうすれば、授業中寝てる子も、黒板書かない子も、最低限のことには触れられるから。
まあ、宿題もやらない子もたくさんいましたけどね。
宿題にしなかったら、本当にやらない子はやらないですから。

書くことの効果

それで、私が言いたいのは何かといいますと、
見て覚えられる天才は抜きにして、
我々一般人は覚えるためには多少の苦労しなくてはいけない
ということ。

先ほども書きましたが、絵が上手になりたい人はいろいろなものを書き続けるではないですか。
歌が上手になりたい人は、いっぱい歌いますよね。
シュートがうまく打ちたければたくさんシュート練習しますよね。

覚えるためには…覚え続ける??繰り返す??

書けばいいんです

書いてあることを、書くののには、まず見なくてはいけない
つまり情報を目から入れます(視覚から脳へ)a
次に紙に書きます(脳から動作)b
それを確認します(もう一度視覚から脳へ)c
これだけでも、見るだけの3倍です
さらに読み上げてみると
読む(視覚から脳へ、脳から動作へ)c d
それを聞く(聴覚から脳へ)e
つまり、見て 書いて 確認して 声に出し 聞く
と見るだけの5倍になるのです。

※わかりやすく、動作効果にabcdeをつけてみます。

ここで、よくあるのが
いわれたから書いている、というケース
こうなると字が汚くてもお構いなし。

見る、書く、書く、書く、書く、書く a b b b b b 

今5回書いてみたのですが、ただ見ただけよりは6倍ですよね。

書いて読んでみるのは??

見る、書く読む(聞く)、書く読む(聞く)、書く読む(聞く)、書く読む、書く読む(聞く)
 a bde bde bde bde bde

これだと、効果としては16倍です。
字をきれいに、と意識すると、それだけで確認動作が入るので、

見る、書く読む(聞く)確認、書く読む(聞く)確認、書く読む(聞く)確認、書く読む(聞く)確認、書く読む(聞く)確認
 a bdec bdec bdec bdec bdec

もっと効果的でしょう。

つまり、何回もかけ、と言っていた昔の先生方は無駄なことをさせていたわけではなかったんですね。

ちなみに、きれいに書いて、後で見返せばそれだけでも効果があるので、

見て書いて読んで(聞く) 読んで(聞いて)確認
 abde dec

となります。

計算途中を書きなさい

よく学校の先生が言いがちのセリフ
私は高校時代、自信があったので、空中で計算していました。
つまり、計算は(紙に)書かなかったのです。
そうすると、ケアレスミスがいっぱい…
高3の微分積分(今でいう数学Ⅲ)の1学期中間が97点でした。
3点分はケアレスミス。
担任でもあり教科担当に言われたのが、
「お前はできるのに書かないからダメなんだ」

大学生になり、塾で教えるようになってから気が付きました。
計算を書いておけば、ミスしたことに気が付く
と。

よくよく考えれば、当たり前のことである。
だから先生方は、しつこく言っていたのだ。
教える立場になって気が付きました。

防げるミスは事前に防げたほうがいい、
答案提出前に、見直すときにも計算途中が書いてあれば、ミスに気が付く。

つまりは…中学高校で、暗算に自信があったって、きちんと書く習慣付けておけばもっと偏差値が上だったのでしょ…
そうすれば憧れだった トンペイニモ …(とらぬ狸の…後悔先に…)

図形の話でも書きましたが、補助線を書くのもすごい大事です。
受験終わりかけのこの時期書いたら遅いですが…

皆さん、見て覚えるのではなく、書く習慣をつけてくださいね。

ちなみに、書く、描く、画く、は違います

タイトルにも入れましたが、実は違うのです。

書く は 主に文章を書く 数式を書く などの使い方

描く は 主に絵を描く 図形を描く などの使い方
ちなみに読み方は かく えがく です。

画く は 描く と同義
ただし、描く の えがく という意味合いは持っていないため、あまり使われない
どちらかというと名詞的(動名詞的)に使われる。

だから、同じ数学でも 図形は 描く を使わないとだめですし、
国語でも イメージを絵で 描く でなくてはいけません

詳しくは、このようなページを参照にしてみてね。

あ、私はもともと数学教師でした(笑)

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