数学小話#1〜抜き打ちテストのパラドックス〜

今日は｢抜き打ちテストのパラドックス｣を紹介しようと思います。

ある日、先生Aは生徒に向かってこう言った。
先生A｢来週の月曜日から金曜日の間に、抜き打ちテストをする。しっかり勉強しておくように！｣と。
生徒は怪訝な顔をしてザワつく。
帰りのホームルームを終えて先生が教室を出ると、ずる賢い生徒Xが教壇に立って次のような話を皆にした。
生徒X｢来週のテストはないぞ！皆、勉強なんてしなくていいんだ！｣と。
もちろん、ほとんどの生徒は｢何言ってんだ？｣とした様子で聞いていた。
生徒X｢先生は来週の月曜日から金曜日の間に抜き打ちテストをするって言ったんだぜ？それなら木曜日までに抜き打ちテストが無かったらいつ抜き打ちテストがあると思うんだ？｣
生徒Y｢金曜日か。｣
生徒X｢そう！抜き打ちでもなんでもないだろう？｣
生徒Y｢確かに。｣
生徒X｢金曜日には抜き打ちテストが無いって証明だよ！金曜日に無いって事がわかった上で、次に水曜日までに抜き打ちテストが無かったらいつ抜き打ちテストになる？｣
生徒Z｢木曜日ってなるけど、これも推測可能だな。｣
生徒X｢そうそう！だから木曜日も抜き打ちテストなんて出来ないんだよ！｣
生徒Y、Z以外の生徒も納得しだした。
生徒X｢同じ推論をしたら、水曜日も火曜日も月曜日も抜き打ちテスト不可能なんだ！だから勉強なんてしないでパーッと遊ぼうぜ！｣
生徒全員｢スゲー！天才じゃん！流石Xだな！｣
クラス一同大盛り上がりして、誰一人勉強をしなかった。
だが実際には、抜き打ちテストは火曜日に行われ、全員悲惨な点数を取ったんだとさ。。。

生徒Xの推論は正しいように思えましたが、何が間違っていたか分かりましたか？
是非考えてみてください。
解答解説は次回しますね。