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マタニティリープマガジン vol.38 コーチとクライアント対談:チェコ人との結婚、移住そして隕石が落ちたような出産経験、「自分の可能性を掛け算する」コーチングでリープ (最終回/全3回)

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。マタニティリープです。このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。今回は恩塚翔子さんのインタビューの最終回(全3回)になります。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。

2012年、恩塚さんが人生の迷いの中で出会ったのが、コーチのなべゆき こと 渡辺有貴(マタニティリープ共同代表)でした。コーチングで自分の本音に気づき、行動を変え、人生の大きな決断や挑戦を重ねてきた恩塚さん。コーチとクライアントの二人が再び集まり、コーチングを通じてどのように「リープ」を遂げてきたのかを振り返ります。独身時代からチェコ人の旦那さんと結婚し、移住、二人のお子さんを出産した恩塚さん。心の変遷と、人生の選択に影響を与えたコーチングの力、恩塚さんのマタニティリープの軌跡を探るインタビュー形式の対談です。(二人がコーチ&クライアント関係であることやコーチの守秘義務については、クライアントの恩塚さんから了承を受けて、インタビュー内容として記載しています。)

「不安と挑戦の中で見つけた自分の道:家族と夢を両立させるリープ」(最終回/全3回)

1回目記事「揺れ動く心と新たな一歩 〜 コーチングで見つけた自分の本音」
2回目記事「チェコでの新しい挑戦と家族のリープ」


コーチングとヨガの学びでリープ

なべゆき: ライフスタイルや家族の形が変わる時に、コーチングの学びに飛び込んでいったんですね。リープを感じます。

恩塚さん: そうです。その時はまだコーチを仕事にするって100%決めていなかったけれど、自分がこれだけ恩恵を受けたコーチングの力を学ばない理由はないと思ったんです。それで、やりたかったんです。

なべゆき: チェコから日本に来て、京都でヨガの勉強をしたりと、妊婦さんであるにも関わらず、学びを諦めない姿が印象的でした。その時のエピソードを教えてください。

恩塚さん: そうですね。受講したかったコーチング(CTI JAPAN)の勉強は日本で対面で受けるコースだったので、妊娠中でも行くか行かないかを迷いました。周りの人は「無理しないで」と言ってくれましたが、自分がどうしたいのかを考え、「行こう」と決めました。しかし、台風でコースが延期され、チェコに戻る予定が狂いました。両親は帰りなさいと言いましたが、私はこれを妊娠中に終えたいと思って、夫と泣きながら電話で話し合ったことを覚えています。

なべゆき: その決断は大きなリープですね。子どもを大切にしながらも、夢を追い続けることを諦めなかった。

恩塚さん: そうですね。それが私にとってのリープでした。その時36歳で初産、高齢出産です。その時なべゆきさんのコーチングを受けながらわかったことがありました。私を気遣って周りが優しい声をかけてくれるんです。でもそれが目に見えないガラスの鎖だったって。「ガラスの鎖」って名前をつけて呼んでたんですけど。嬉しいんですよ。ありがとうなんだけど、めちゃくちゃそれが見えない鎖になって私のことを縛っているように感じていて、どうしてみんな私に無理しないで、無理しないでって言うの?って泣いた記憶があります。

なべゆき: 恩塚さんのことを思って、みんなそういう風に言ってくれるってことですね。

恩塚さん: そうです。今は体を第一にって言ってくれるけど、どうして誰も私の可能性を信じてくれないのとすごい泣きました。それで、何を信じるのかというと結局自分と、あとはお腹の子。お腹の子が私のバディなんだと。飛行機の中で「よし、一緒に頑張ろうね」「よし、行くよ」みたいな感じでお腹をさすった記憶があります。

なべゆき: きっとそれって今のお子さんとの関係性みたいなものも作るベースになってるんじゃないかなって思いました。
 
恩塚さん: そうですね。あの時の決断はすごい大事だったなと思います。どうにもならなさそうな状況の中でも、多分これもコーチングで一緒に話した中で出てきたのかもしれないですけど、自分の可能性に掛け算をするっていうことなんです。諦める選択って、0.98とか「1」以下の数字をずっとかけ続けていくこと。そしたら自分がどんどんちっちゃくなっていきますよね。
 
なべゆき: でも、ちょっと頑張ってみようと1.02とか、「1」以上の数字をずっと掛け続けていくと自然と可能性が開けていくっていうことなのかな?
 
恩塚さん: そうです。だから、何かあった時は、私は1.2とか、「1」以上が掛けられる人でいようって思っています。
 
なべゆき: 恩塚さんはコーチングでは悲しいとか嫌だとか、本音もたくさん言ってくれたんじゃないかなと思います。同時にでもこうやりたいんだっていう夢の部分もすごく言っていました。マタニティリープでも本音と夢はやっぱり大事だし、コーチングもそうなんだけど、利害関係なく聞いてくれる人がいるとリープできるんですよね。恩塚さんが、そういったことをやり続けてきたのを私は何度も見てるなって。
 
恩塚さん: いやー、そうなんです。多分このインタビューでは割とサクサクと決断してる人に見えるかもしれないんですが、めっちゃくちゃぐじゅぐじゅしていました。本当に悩みに悩んで、毎回何度泣いたかわからない。さっきも言いましたが、根っこの性格としてめっちゃ心配症で不安だし。でも最後に「うーん」って言って、「えい」って感じになるんです、いつも。

家族との協力と新たな挑戦

なべゆき: ところで、子どもが生まれると、家族との関係も変わりますよね。旦那さんや義理の家族との関係はどうでしたか?

恩塚さん: 出産後、コロナ禍で家族全員が家にいる状況になり、圧力鍋の中にいるようでした。夫も子育てに熱心で、意見の違いでぶつかることも多く、義理のお母さんも加わって複雑でした。

なべゆき: 義理のお母さんとの関係で変化のきっかけは何でしたか?

恩塚さん: 自分の生きてきた世界や得意なものを手放すことから始めました。これもなべゆきさんとのコーチングで話したことでしたが、出産のインパクトは隕石が落ちてきて地球が破滅したみたいに、すべて溶けてしまったような感じでした。それを認めて、新しいものを作ると決めた時に抜け出せた気がします。そして、最初の数ヶ月はその破片を拾って、まずちょっと雨風しのげるくらいのちっちゃな屋根を作ったような感じです。確かこれもなべゆきさんが言ってくれた比喩なんですが、地球の磁場が変わって、今まで通りの動きができなくなった。重力とか空気の構成要素とか変わって。それを認めて、手放して、全然違うものを今から作っていくんだって思った時に、一回抜けた感じがありました。

なべゆき: 今話してくれていても、なんかこう腹が座った感じがしました。そこからはどんな風に磁場が変わっていったんですか?
 
恩塚さん: そうですね。長男が生後8か月くらいの時に、コーチングの上級コースというプロコーチになるための最後のコースを受けるって決めました。自分の勉強の時間とか、セッションをする時間が必要で、夫にそれを理解してもらい、義理のお母さんと協力体制を取り付けることを一個一個やってった感じがあります。

なべゆき: コーチングを続けるために、夫や義理のお母さんと協力体制を築くことも大事だった。

恩塚さん: そうですね。一歩ずつ、お願いをして、協力してもらいながら進めました。子どもを連れ出してもらうなど、具体的な対策を立てて進めていきました。まずは散歩に連れ出してもらルーティンを、やりながら作っていく。うまくいかなくて、講義中にめっちゃ泣いてる声とか聞こえたりして、いろいろあったけど、じゃあどうするか?ということを一緒に話し合って改善していく。お義母さんは多分なんで出産直後にこんな勉強するのって思ったと思うんですよね。お義母さん自身がそうじゃなかったから。チェコでは会社で働いてる人も四年間とかマックスで育休取れるんです。だから「今は楽に子育てして」というところが結構あるのかなと。私がいろいろ頑張ろうとしているのが不思議だったと思いますよ。だけど、それは私が何でする必要があるのかと、日々の言葉などで見せていくしかなかったですよね。

新たな挑戦と未来への展望


なべゆき: さっきもチェコに行って赤ちゃんみたいに何もできない。一人じゃ何もできないみたいなところから、言語のこととか、お仕事も始めたっておっしゃっていました。お金のことも大きいじゃないですか。これまでずっと働いてきて、それが途絶えてしまって、社会とのつながりとかお金とかも自由にならなくなるところから、自分が好きなことを一つずつ仕事に、学びながら取り戻していく。新しい章を作るというか。そんなことをされてきた期間なのかなと思いました。
そして、資格を取得してコーチングを生業にし、二人目の出産という大きなリープが続くんですね。

恩塚さん: はい、不妊治療を経て第二子を授かりました。嬉しいことですが、仕事と家庭のバランスを取ることがとても難しかったです。一人目の時はすごく時間があったので、基本的に好きなことができました。だけど、次の妊娠は葛藤の方が大きくって。生まれてくる楽しみとかっていうよりも、長男の面倒を見ながら、自分の仕事をどうやっていくのか、と。アクセル踏みたいんだけど、ブレーキかけてみたいなことをずっと繰り返してしんどくなってしまったり。求めてくれる人がいるから、やっぱり期待に応えたい。そこにビジネスのチャンスもあるし、やりたいっていう気持ちがあって応え続けていたんです。でも、本当はブレーキをかけたかった。体がしんどかった。これまたそれを認めて、初めてブレーキをかけた。これもある意味リープでした。

なべゆき: ブレーキかけてみてどうでした?
 
恩塚さん: 結論、良かったなと思っています。ブレーキかかってるのに、外面だけ見えるところだけ頑張っていても、やっぱり届けたいものが届かない。多分不思議なエネルギーが伝わってたと思う。一致してない感じは人にやっぱり伝わる。ブレーキをかけた時はすごく自分が楽になったし、その楽になった自分のままでいることで、自分のことを好きだと言ってくれる人が増えてきたりして。自然体でいるってすごい大事なんだなって思いました。
 
なべゆき: 前から自分に正直になるとか、自然体とかキーワードで出ていました。よく寝て穏やかにとか健やかとか、そういうところを恩塚さんはこれからも大事にしていくんだろうなって。
 
恩塚さん: そうですね。その健やかでマイペースでおっとりとしていてみたいな自分と、自分を超えていくみたいなところが共存している自分だから、時によってバランスをうまく取りながら、やりたいなって思います。

未来の夢と可能性

なべゆき: 最後に、これからの夢について教えてください。

恩塚さん: 自由に飛び回りたいです。自分が楽しんで仕事をしている姿を子どもたちに見てもらいたい。子供がこれから大きくなっていった時に自分がそういう姿でありたいなって。それは自分が生業としてやっていることで、きちんと経済的に自立することだったり、それを本当に楽しいってやっている姿を見てもらうことだと思います。

なべゆき: やっぱり変わらないのは家族のことをすごい大事にしてるなあと。あと恩塚さんが実のお母さまから受けたお母さんの面影というか、雰囲気、お仕事されていたり、グローバルっていうのが息づいていて、それがまた恩塚さんのお子さんたちにも伝わっていくわけですね。家族を大事にしつつ、自分の夢も追い続ける姿勢が素晴らしい。これからも応援しています。

恩塚さん: ありがとうございます。上の子は4歳で下の子は0歳、まだまだこれからです。たくさんの葛藤や学びを経て、これからもリープを続けていきたいと思います。

なべゆき:最後に、読んでくださった方に一言お願いします。

恩塚さん: そうですね。やっぱり人って自分が本当にやりたいことをやっている時が一番健やかで輝いてるなと思います。クライアントさんを見ても、私自身のことを振り返っても結局そうだなって。妊娠出産の時って関係者が増えたり、もらう声の質が急に変わったりして一番戸惑う時。だけど、そういうことを「ありがとうございます」って聞きながら、本心はどこなのかっていうのを握りしめていけば、結果はいいようになる。私の場合の「ガラスの鎖」は外して、好きにやったらいいんじゃないかと思います。

なべゆき: 今の恩塚さんの表情と笑みにも表れてるけど、それが力が出るし、一番エコロジーだよねって思います。それが家族という生態系のエコロジーにもつながっていきますね。恩塚さんのそんなところを私は何度も見てきました。今日はお話をありがとうございました。これからのご活躍を楽しみにしています!

恩塚さん: これからもよろしくお願いします。ありがとうございました。

恩塚さんのチェコでの様子が満載のインスタグラム
https://www.instagram.com/shoko.onzuka?igsh=NnUxcG1yaGJyN25t&utm_source=qr

<完>

▪️マタニティリープ情報

今週も「マタニティリープマガジン」をお読みいただき、ありがとうございます。おかげさまで、マタニティリープがお届けする本も順調に形になってきました。冬になる前にみなさんにお届けできるよう、全力で取り組んでいます。

タイトルは「ママのためのリープデザインブック〜「わたし」を生きる旅の歩き方(仮)」です。ホリデーさんのアートディレクションのもと、とても素敵な本に仕上がってきており、私たち自身も完成をとても楽しみにしています。

今回は特別に、ホリデーさんデザインよる中面の一部を掲載させていただきます。ぜひご覧いただきながら、本の完成を楽しみにお待ちください!

引き続き、マタニティリープの活動をどうぞよろしくお願いいたします。

今回も読んでいただき、ありがとうございました!

<編集>
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/

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