ポゴとわたし
OPENRECという配信サイトでは登竜門と言われている「ポゴ」
自分の人生に大きな影響を与えたので記しておこうと思う。
【ポゴとは】
Pogostuck: Rage With Your FriendsというSteamで販売されているゲーム。
ポゴスティック(ホッピング)を使い、山をひたすら登っていく内容だ。
オンライン対応で、1つのサーバーに最大16人が入り、同時にお互いの様子を見ながらプレイすることが出来る。
Steamストアページ:
https://store.steampowered.com/app/688130/Pogostuck_Rage_With_Your_Friends/
【ポゴとの出会い】
このゲームソフトを買ったのが2020年1月30日
ポゴ自体は過去に【操作が難しいクソゲー】という配信を見たことがあったので、存在は知っていた。
1月に多くのリスナーを集める大手配信者達がポゴ配信を始めて、なかなかクリア出来ないのを見て、「きっとゲームがうまい人たちでもこれだけ時間かかるんだから一般人がしたらもっとかかるんだろうな」と思って配信を始めた。その為、配信タイトルを「一般人のポゴ」にしていた。大手配信者達がいかにゲームセンス自体があり、上手かというのを人々に見せる為だった。
【いやめっちゃ難しいやんこのゲーム】
正直、見るのとやるのとでは大違いのゲーム。
操作自体デフォルトで「A、D、スペース」という3つのキーしか使わない。
AとDで左右を調整し、スペースキーでジャンプの勢いを調整するだけ。
だがしかし、
なんとこのポゴちゃん、何も入力しなくても常にホッピングして動いている。頭をぶつけると「アウ!」とか言って思わぬ場所に飛んでいく。そもそも思った方向に進んでくれない。
ヤバいゲームに手を出してしまった。
【ポゴは1日1時間まで】
2月6日には『ポゴは1日1時間まで』という配信タイトルに落ち着いた。
そう、ポゴは、ひたすら長くやり続ければいいというゲームではない。
いや、やってんなコイツ。
ポゴの操作技術は、丁寧に自分を観察しながら、感覚で掴んでいくことが必要で、ただ闇雲にステージを跳ね回って、「これだけ時間を費やしたのだから上手くなるはず!」ということではない。そこにこそ個人差がある。自分は初クリアに60時間以上かかったが、それ以下のタイムでクリアしている人もごろごろいる。
話は戻るが、その技術を得るために大切なのが「集中力」。己の集中力の持続時間を普段から知っていると、行動の管理がしやすい。もし、知らなかった人は一度どれくらいで自分の気が緩むか意識して大体の時間を把握してみるといいかも。ポゴの乱れは心の乱れである。
自分は大体1時間で頭がパーになるので、ポゴだけでなく、他のゲームの配信時間自体、出来るだけ1時間程度で終わるようにしている。
(今度もし自分の配信に来てもらえることがあれば、是非観察してみて欲しい。1時間付近になると、リアクションが薄くなり口数も減っていく様子がみられる。)
【OPENRECの配信チャンネル、よかったらフォローしてね。】https://www.openrec.tv/user/splamatchtoon
【難所をクリアできずに涙を流す】
存在自体が難所のこのゲームにも、それぞれ個人が限界を迎える一定の場所がある。
その中の一つである、「木」をなかなか越えることが出来ず、いつの間にかフレンド達にも抜かされ、「自分はこんなものなのか」と己の能力の低さと無力さに打ちひしがれ涙を流した。
レベル29で到達したのに、ここを越えた時にはレベルが98になっていた。
ひたすら自分との戦いだった。
【クリアまでがんばれた理由】
そんな風に涙を流すほどつらかったのに、クリアまでがんばれたのには理由が3つあって、
まず1つ目が「コロナで死ぬまでに何かを成し遂げたかった」。当時は「これから全世界にこのウイルスがバラまかれて世界が終わっていくんや…」と割と本気で考えてた。自分は喘息持ちなので、罹ってしまったら絶対重症化して死ぬと、今でも思っている。それで、今まで何もしてこなかったので、「こんな人生のまま終えるのは嫌だなぁ」と思い、クリアすることにケツイをみなぎらせた。720円のゲームをクリアしたところでどうだという話だが、実際、自分の人生は大きく変化を遂ることになる。
次に2つ目、「負けず嫌い」。争いは嫌いだが、人が出来ることが出来ないというのが悔しいので、「この鬼畜難易度ゲームをクリアした人がいる」という事実は、自分の気持ちを常に前へ向かせるのに充分だった。
最後に3つ目。「たくさん支えられたこと」。これが理由の割合の大部分を占める。最初の方で伝えたように、このゲームはオンラインに対応しており、フレンドじゃなくても他のプレイヤーと一緒に遊ぶことが出来る。OPENRECで「配信者の登竜門」と言われるだけあって、そこには元々クリア済みの先人達がそれなりにいた。
自分が観ていた大手のポゴ配信には、よくお花が咲いていた。それは、クリア済みのベテランポゴ達で、新規ポゴをひっそりと見守り、新しい場所に到達できた時は共に喜び、落下してしまった場合は共に泣く。時には美しいアートで元気づけることも。
そんなお花たちが、なんと、ポゴ配信を続けるうちに自分の配信にもポツポツやってくるようになったのだ。「お花のスキンはクリア者にしか装備できない」と勝手に思っていたが、いつの間にか未クリアの自分も装備出来るようになっていた。胸が躍った。かわいい。身体も緑にして気分は完全にひまわりだ。
ひまわりの花言葉は「あなたを見つめる」。
素敵やね。
お花たちは、最初は全然姿を見せないが、長くポゴ配信を続けていると、どこからともなく現れる。自分がそっち側になって分かったことだが、「ポゴの配信を(いい意味で)監視していて、コメントはしてなくても大体どの人が今どの段階にいるかを把握している」ので、ゴールが近づいてきたら「そろそろか…?」とラストスパート手前あたりから応援が始まる。初めてのゴールは、他の人のものでも気分が良いものなので何度でも経験したくなる。
当時、本当に多くのポゴ達に元気づけられた。直接言葉を交わすこともなく、何度も何度も一緒に落ちたり、目指す先で待っていてくれたりもした。それがとても嬉しかった。
【初めての牙イン】
牙インというのは、ポゴの実質のゴールである。それに挑み何度も何度も落ちた。クリア出来ないもどかしさで気分が落ち込んだりもした。
配信でその場所をクリアできた時、ボロ泣きしてしまった。まさか配信であんなに号泣するなんて。
実は、そのちょっと前に配信外でサブ垢で練習中に牙インを経験してしまったので感動が薄れるかと思ったがそんなことは無かった。
(問題の初めての牙インの動画がこちら)
当時の気持ちとしては、「時間を使って見守ってくれる人たちがいるのになかなかクリア出来ないのが大変申し訳ない」と思っていたので、無事牙イン出来てとても安心したのを覚えている。
ありがたいことに、クリアした時のアーカイブがまだ残っているので、もし良かったら見てみてね。
【クリアして変わったこと】
特に、精神面で大きな変化があった。忍耐力もつき、何度も諦めず挑戦することを覚え、一度できたならもう一度出来ると思えるようにもなり、つらい苦しみの先には「歓び」があることを知ってしまった。それにより、新しいことに挑戦してみようかなと思うことが増えた。
あと、自分は、タイムアタックでいい時間も出したりもしてないが、ありがたいことにポゴのガチ勢が集まるコミュニティに、にぎやかしとして関わらせてもらっている。まだまだプレイ人数が少ないし、クリア者も少ないので、多くの人に自分が経験した「歓び」を感じてもらえるように、何かできないかと常日頃考えている。
最後に、配信を始めるきっかけになった憧れの人に、最近SNSでフォローされた。その通知が来た時、「!?!?!?!」ってなった。ゲームが上手とは言えない自分とまさか縁が紡がれる日が来るなんて全く思いもしていなかった。
「縁」とは常に流動的で、不変のものではないので、これから先どうなるかは分からないけど、人生はどうなるか分からないなぁという話。
このポゴを通じて知り合えた全ての人々に感謝している。人生に日々刺激を与えてくれてありがとう。
【最後に:マップ2とこれから】
6月末に、新マップがアップデートで追加された。
しかしそのマップ2で更新は終わりの予定だそうだ。
「野球が好き」な人がみんなイチローになれるわけではないので、「ポゴが好き」なだけではタイムアタックで上位を取れるわけではない。それを知っているので、自分はタイムアタックで時間を縮める行動は控えめにしている。
タイムアタックをしない人が、マップ2をクリアしてしまえば、その先がなくなってしまう。
それはつまり自分にとっては「ポゴの終わり」である。
週刊少年ジャンプで連載していた話が終わるような、RPGでラスボスを倒してしまうような、そんな気分。その世界の終わり。
ずっと楽しんでいたい、お別れをしたくない。
なので、毎日ほんの少しずつ、ほんの少しずつだけ進めていくようにしている。大事なお弁当を少しずつ食べるように。一度に食べ過ぎないように。
ポゴは自分にとって、とっておきのゲームである。
たとえ上位勢と実力に差があっても、大切で、大好きなゲーム。
もし、時間があって、日々の生活にハリがない人がいたら、是非この世界に踏み込んでみて欲しい。合う合わないはあると思うが、クリア前と後では見える世界はきっと違うはず。
自分は、タイムアタックや操作技術で盛り上がらせることは出来ないけど、より多くの人に「ポゴが楽しい」と思ってもらえるような情報の発信をしていけたらと思う。
読んでくれてありがとう。
ほなまた。
楽しいことを好きなだけ