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アスルクラロ沼津×ヴァンラーレ八戸 天敵!3バック!! 崩し方を分析

 まずは前回読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!
現地応援、DAZN応援の皆さん、選手、スタッフの皆さんお疲れさまでした。そして、Jリーグ通算300試合出場を達成した染矢選手、おめでとうございます!!

両チームのスタメン

 沼津は前節と同じ4411を使用。八戸は前節とメンバーは違いますが沼津の苦手な3バックを前節に引き続き使用してきました。なぜ崩し切ることができなかったのか、なぜ沼津は3バックを使うチームが苦手なのか、それについては後程分析していこうと思います。

そもそも3バックとは

 まずは3バックと4バックの違いについて。3バックと聞くと、4バックより人数が少ないから一見守備的には思えないかもしれません。ですが、3バックは4バックと違い3人全員がセンターバックで、加えてウィングバック(八戸の黒石、丹羽選手がいるポジション)が下がってきて守備に参加し、ディフェンスラインが5人になります。(5バックと呼ばれるのもこのため)    なので、実は4バックよりもディフェンスラインの選手が多く、数的優位やスペースを作るのが難しくなります。

八戸の攻撃の形

 今回は沼津の攻撃面で書くことが多いため、八戸の攻撃と沼津の守備の形は簡潔に紹介させていただきます。下記の図をご覧ください。

 この図は、八戸の攻撃の形と沼津の守備の形です。沼津は前節と同じように渡邉選手が片方のサイドに限定し、瓜生選手が中盤の選手へのパスコースを切りながらプレスをかける守備を行いました。この形が全く機能していなかったわけではなかったのですが、どうしても中盤の選手へのパスコースを切りながら寄せるので、少しタイムラグが生じ相手選手が落ち着いた状況でボールを蹴れているという印象がありました。

八戸の守備の形

 八戸は守備時、基本的には両ウィングバックが下がり、シャドウの中村選手が1列下がる532のような形でした。

 この形の厄介なところは大きく分けて2つあり、前述したように5バックな点、中央の人数が多く、中でのコンビネーションなどで崩すのにはとても難しい点だと思います。(図ではわかりにくくてすみません)

 では、532を崩すにはどうすればいいのか。僕は外に張る選手を使い揺さぶること、できたスペースを使い合うこの2つが重要だと思います。そして、今回の沼津はこの2つを使って攻撃することがあまりできていなかったため苦戦してしまったと思います。

532の崩し方①

 まずは1つ目の外に張る選手を使い揺さぶることから。これが重要な理由はサイドで2対1の状況を作る、中にスペースを作ることです。
 外に張る選手にボールが渡ると、基本的にはウィングバックの選手か中盤の選手が付いてくることになります。

 この図では、外でボールを持っている安在選手にウィングバックの選手が付いてきた場合、基本的に裏が空きます。裏が空けば、内側にいる染矢選手が裏を狙い、クロスを上げての攻撃ができます。

 また、それに合わせディフェンスライン全体でズレを埋め、裏を狙う染矢選手についてきた時は

  逆サイドがフリーになるので、一気にサイドチェンジを狙うか、1個飛ばしのパスを使いながら反対サイドで張っているフリーの選手へボールを届けることができます。このように長距離のパスの使用がマストになるので、もう1つの崩し方にも共通するのですが5バックを崩すにはディフェンスラインの選手のパスをつなぐ技術が重要になると思います。
 また、このようにサイドに素早く、大きく揺さぶることで当然中にもズレが生まれてスペースができます。なので、中央が密集する532が相手でも中にパスを通しやすくなります。

532の崩し方②

 次に紹介するのはできたスペースを使い合う連携です。これを使って欲しかったシーンが8分54秒の後藤選手がボールを持ったシーン。この時、瓜生選手がライン間でボールを受けに来たのですが

このように、裏がぽっかり空いていました。ですが、ここを狙う選手がいませんでした。5バックは後ろに人数をかける分ディフェンスの選手が余裕をもってボールを持つことができます。なおかつ、数的優位を作りにくいので、このように少しのズレを狙うことが重要になってくると思います。

今回の沼津の問題点

 今回、沼津が上記の崩し方をなぜ使うことができなかったのか。様々な理由があると思いますが、その中の1つに僕は沼津の攻撃時の構造があると思います。それは、ディフェンスラインの人数です。沼津は昨シーズン、菅井選手がディフェンスラインに下がり、2人のセンターバックと合わせて3人になるダウンスリーを使っていました。ですが、今季からダウンスリーをやめてしまったので

 図では少しわかりにくいですが、2センターバックなのでセンターバック同士の距離感が近くなってしまい、サイドに張る選手へパスが出しにくく、うまく繋げられずに相手を揺さぶることができませんでした。なので、サイドで2対1を作ることや中にスペースを作ることができませんでした。また、今回相手は2トップ。なので、2人のディフェンスラインではプレスがはまってしまい尚更ボールの保持が難しく、簡単にボールを蹴ることが多くなってしまったと思います。

前半で瓜生選手を変えた理由

 先ほどの話にもつながってくるのですが、前半の途中でみられた瓜生選手に代えて鈴木選手を入れたのは、今井監督のハーフタイムコメントの「セカンドボールを拾って先手を取ろう」という発言から考えると、主に空中戦で勝ち、簡単に蹴ったボールの回収のためだったと思います。
 ですが前線でボールを収めるのが上手くいかなかったため、今回のように相手に試合の流れを持っていかれてしまったと思います。


 ここでも先ほどの話と繋がってくるのですが、ダウンスリーでディフェンスラインに数的優位を作ることができれば、簡単にボールを蹴るにしても、もう少し落ち着いて狙った場所へ蹴ることもできたと思います。
 

最後に

 ここまで読んでくださりありがとうございました!前回は個人について書くことが多かったので、今回はチームとしての戦術について分析してみました。いいなと思っていただけたらいいねやRTよろしくお願いします!ご意見やご質問ありましたら、お気軽にTwitterのリプ欄やDM、質問箱にお書きください。

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