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財務経理担当者以外に見て欲しいSaaS財務経理の話

こんにちは、iCAREで財務経理を担当している小松です。

今回は、財務経理に関連する知識を社内のメンバーに知ってほしい!ということで、財務経理の勉強会を開催してみましたので、その時に話したことのサマリを記載します。

最低限の財務経理の知識は社会人なら一定知っておいたほうが良い、みたいな話がありますよね。

例えば、BSやPLの見方とかが典型的なものかと思います。

それに加えて、iCAREは「スタートアップ」、「SaaS」、「サブスクリプション」という要素を持っていることから、以下にようなことを頭に入れておいたほうが良いという側面を生んでいます。

①誰に資金を出して頂いているか

②SaaSは一般的に先行投資が大きくなる

③MRR、ARR、NRR、Churn Rateなどの独特な横文字

以下、思うところをつらつらと書いていきます。

①誰に資金を出して頂いているか

資金の出し手が誰であるか、ということは会社にとって根本的な事項であるものの、根本的過ぎるからなのか、経営層や財務経理以外のメンバーは特段気にすることはないのではないでしょうか。

iCAREは基本的にVC(ベンチャーキャピタル)の方から出資を頂いて、その資金をもって事業を行っています。

VCからの出資を全く受けずに、銀行からの借入金のみで事業成長させていくスタートアップもあれば、(かなりレアだと思いますが)エンジェルの方からの出資のみで事業成長させていくスタートアップもあると思います。

ちなみに、iCAREに資金を出して下さっているVCの中には、iCAREに社外取締役を派遣するという形で事業をサポートして下さっているところもあります。

VCにも色々と種類や考え方の違いがありますが、iCAREに出資頂いているVCは「iCAREの企業価値が大きくなってほしい」と思っています。

なので、iCAREも(超ざっくり言うと)「事業成長して、企業価値を大きくします!」と約束することで、資金を出して頂いています。

銀行や、エンジェルの方(、または事業シナジーを求めるCVC)の「企業価値最大化」に対するスタンスは、少し弱まるケースが多いのではないでしょうか。

投資家の方のスタンスは企業によって様々なので、他の会社の財務経理の方の話を聞いたり記事を見たりした際に鮮明に違いが出ているのは非常に興味深いと感じています。

投資家の方たちが何を求めているのか、ということは財務経理以外の部署だと普段考えることが少ないと思うので、そういう視点があると視野が広がって(特に上位の職位のメンバーは)良いのではと思います。

②SaaSは先行投資が大きくなる

SaaS(厳密には、SaaSかつサブスクリプション)のモデルだと、先行投資が大きくなるのが一般的です。

解約されない限り将来の売上が恒常的に見込めるために、先行投資をしても十分回収することができる(若しくは回収する見通しが立ちやすい)からです。

なので、赤字であることが多いと思います。

特に人材獲得の費用、プロダクトの開発費と広告宣伝費が大きくなるのが一般的なケースかと思います。

「赤字上場」みたいな言葉もあるくらいなので、世の中的にも一定理解をしてしてくれているようです(最近は少し風当たりが厳しくなってきているかもですが)。

「自分の勤めている会社が赤字」と聞くと、不安になる人もいると思います。

しかし、ビジネスモデルによっては健全な赤字と解釈できるものもあり、SaaSの場合もそのビジネスモデルに当たります。

赤字というのはPLで言えば最後の一行だけを切り取ったものですし、ビジネスモデル全体や会社の方針全体を一歩引いたところから俯瞰的に見る必要があるかと思います。

③独特な横文字**

MRR、ARR、NRR、LTV、Unit Economic、、、などなどSaaSの財務周りは横文字で溢れています。

海外(特にアメリカ)の方がSaaSに対するナレッジやノウハウという面で先行していて、日本がそれに倣っているからだと思いますが、それにしても多いです。

僕自身5年間、監査法人で会計に触れていましたが、SaaSに関する殆どの言葉を転職活動を始めてから知りました。

なので、日本にもSaaSがどんどん浸透してきているとは思いますが、まだまだ独特なニッチな領域の言葉だという認識を持っています。

書籍でこれらのワードがまとまって記載されているものは見たことが無いですが、ネットには様々な所謂「まとめサイト」のようなものがあります。

いくつか見てみれば、書いてあることの共通項も多いので、その当たりを頭に入れておけばよいのではないでしょうか。

SaaSの会社って、MRRやNRR、Churn Rate等が非常に重要な指標として、恐らく様々な会社の中で扱われていると思いますが、それらが何故重要な指標として扱われているのか、を理解することは非常に重要だと思います。

MRRが伸びればそりゃ良いし、解約率が下がればそりゃ嬉しいと思いますが、「何故」という一歩掘り下げたところまで理解があると素敵だなと思います。

これらの各種数値は上場しているSaaSであれば、決算説明資料に載っていたりするので、各社のIRライブラリ的なところで他社の水準を知るということも非常に有意義だと思います。

まとめ

以上、財務経理担当者以外のメンバーにも知っておいて欲しいこと集でした。

現状の情報の集め方は、人に聞く以外だと書籍は少し弱く、ネット記事や、他社の実際の決算説明資料を見るのが良いと思います。

SaaS関連のnoteも多いですし、VCの書いている記事も非常に参考になります。

財務経理以外の方であれば、深く知識を掘り下げることは必要ないとは思いますが、最低限上記のようなことを知っておいて頂けると財務経理としては共通言語が生まれるのでコミュニケーションがスムーズになって嬉しいですし、何より、組織として多くのメンバーがこういった視点や知識を持っているというのは非常に強みになるのではないでしょうか。



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