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小説「プール・タブーを集めて」②

 次の2つ目のタブーのことを聞いたおれたちは
「えっ…でも早い方がイイよな」
と、さっきの女子たちが見学しているにも関わらず、女子のプールの授業をしているところに再びお邪魔することになった。
「ナニナニ⁉アノ2人!」
「アッタマ、オカシ~んじゃないの?」
などと諸々のオコトバを浴びながら、プールの中へと潜り込んだ。
 まだまだキャーキャーという声を尻目にやっとこさ目当ての〝塩素〟が見つかった。
「先輩~!やっと塩素が見つかりました!」
 その言葉をプールから遠く離れたところから見ていたイチル先輩はマルっとジェスチャーを我々2人に見えるような仕草をしたかと思ったら、その足でどこか遠くへと一目散に駆けていった。
 陸上部だったかしらん…イチル先輩。水泳部だけじゃなかったかしらん…などと思いながら…。
 その後のおれたちのことなど知るよしもなかったろうに。

「よし!2つ目のタブーはよくよく分かっただろうけど、〝プールに入っている塩素を見つけてはイケナイ〟だ!」
「センパ~イ!コレって別に男子のプールの授業の時でもよくなくないっスか~?」
「ム?そうだな…が、おれは別に女子の時に見つけに行けとは一言も言ってないぞ!」
と、責任転嫁の応酬が止まりそうにないところで、ここからは駆け足で、3・4・5のタブーについてのハナシをさせてもらいたい。
 3つ目のタブーは…
〝夜のプールで裸同士の男女が抱き合ってはイケナイ〟…だったのだが、コイツは難航した。こんなおれらに彼女もイナイし、ましてやまた女子にこんなことお願いした折には何されるかを考えるとたまったもんではナイ。致し方なくココは2つ目のタブーの時の責任を取ってもらう形でイチル先輩とその彼女さんにやってもらうことと相なり、どういう紆余曲折があったかは詳細不明だが、とにもかくにも3つ目のプルタブをゲットした。
「とんでもない代償を払うこととなった」
とはセンパイの弁ではあった。

 4つ目のタブーは…〝水泳部の更衣室の一番端っこのロッカーを開けてはイケナイ〟…だったのだが、コレはセンパイに頼めば楽勝楽勝と踏んでいたのだが、あいにく
「悪いが、男子のロッカーにそんなものはナイ。女子じゃあないのか?」
と言われたので、また誰が行く、カレが行くのハナシに。
 ココはまたまたセンパイの彼女さんに頼んだらしい…ので4つ目のプルタブをゲットしたのだが、
「取り返しのつかない事態となった」
とは再びセンパイの弁。
 知るか。
 そして、5つ目のタブーは…〝スクール水着に興奮してはイケナイ〟だったのだが、コレは3人のうち誰のおかげか(?)難なくゲットできた。詳細は略させてもらう。

続く。


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