見出し画像

創作デブとガリ以外は読むな!1

デブとガリが再会した場所は、母校の近くの新しくできたカフェだった。競輪場だった場所が公園になり、複数の飲食店とファストファッションの店舗などが出店しているショッピングセンターが併設してできている。

二人が学生だったのは半年前。たった半年のことなのに時間が流れるとはこういうことだとガリは思った。

「こんな暑い日にホットコーヒーなんてよく飲めるな。何も食べないの?」

デブはパンケーキを頬張りながらガリに話しかける。

「腹は減ってねぇよ。お前こそよく食うよな!?現役の頃よりもデカくなっているんじゃないのか?」

 デブに比べてガリの方は、現役の頃よりも体重が30kg近く痩せてしまった。二人はアメリカンフットボールをやっていた。4年生の時はガリがキャプテンで、デブが副キャプテンだった。

「飯、ちゃんと食っている?」

「食っているよ。最低限だけどな」

 デブの方はというと、現役の頃の食欲がそのままなのに運動量が減ったわけなので、体重は150kgを少し超えた。

ガリはランニングバックで、デブはディフェンスライン。二人とも部活を引退してからアメリカンフットボールにはかかわっていない。

「なぁ。俺達が会うのって卒業式以来だよな」ガリの方が呟くように言った。

「そうだな。不思議な感じがする。お前、誰とも連絡取ってないだろ?」

そういうデブも、かつての他のチームメイトと距離を置いている。

「すまん!遅くなった!」

一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!