【美術展2024#48】超・日本刀入門 revive―鎌倉時代の名刀に学ぶ@静嘉堂文庫美術館
会期:2024年6月22日(土)~8月25日(日)
わざわざ静嘉堂文庫美術館まで行かなくてもトーハクでいつでもたくさん見れる日本刀だが「超・日本刀入門」というキャッチーなタイトルに釣られて行ってみた。
今までたくさん日本刀は見てきたけれども造詣が浅いため、違いがいまいちわからずに、かっこいいなあとかきれいだなあとかそんな表面上の浅い感想しか出てこない私。
さて、少しは見どころがわかるようになるだろうか。
太刀と刀。
身につけ方が違う。時代的に太刀より刀の方が新しい。
その辺はまあなんとなくは知っているのだが、刀自体の形状や長さはそれほど大きく違わないようだ。
ならばあえて分類する必要はあるのだろうか…
脇指と短刀。
こちらはなんとなく見た目にも違いがあるな。
全体を見て、部分を見て、蘊蓄を知って、それでなんだかんだと言えば良いというのはどんなコレクションでも同じだだろうが、刀は鎧や兜と違って機能性に特化しているので、色は一様に素材そのものの鋼の色だし形状にもそれほど大きな差異は見られない。
様式美みたいなものがある程度確立されてしまっているのでなかなか違いを見出しにくいというのが正直なところ。
う〜む。
チェックポイントをアメカジ的に置き換えてみると、Gパンの色落ちでヒゲがたまらんとか、ハチノスがよく出てるとか、赤耳が必須とか、タグがBigEだとか、革パッチだとか、隠しリベットだとか、大戦モデルだとか、そんな感じで合ってる?
Gパンは最初期のものなんかはボロ雑巾のようなただのハギレだとしてもそれこそ博物館級の価値がついたりする。
興味ない人にはなんの価値もないものでも然るべき手段で出すところに出せばとんでもないお宝になるというのはどの世界でも同じだ。
一昔前のロレックスのスポーツモデルなんかも数年で何倍にも値が跳ね上がっているし、ゴローズのプラチナヘッド全金大イーグルなんかはいつか国宝指定されてもおかしくないくらいの希少品だ。
私はその昔OAKLEYのオールドモデルをコレクションしていたことがあり、なかなか激レアモデルが揃っていたのだが、これなんかも興味ない人からしたら訳わからないだろう。
今は全て手放してしまったのだが、オールドOAKLEYは海外でも人気があるので今値段を付けたら当時の数倍は付くはず。
なんだかお宝鑑定団みたいな話になってきたな。
大幅に逸れたので話を戻して刀を見ていこう。
国宝《太刀 銘 包永》 鎌倉時代
刃の部分がかっこいいとかきれいとかはあるのだけれど、工芸的な視点で見るとどうしても鞘や柄の細かい装飾の方が気になってしまう。
細かい部分まで本当によく作り込んであって感動する。
ところでこのように作られた時代が違う場合、国宝なのは刃部分のみ?鞘や柄も込み?
文化庁の分類では日本刀は工芸品として区分されるそうで、2023年時点で国宝の工芸品は254件あり、その中で日本刀は122件あるそうだ。
国宝の工芸品の実に半分が日本刀なのだ。
そう思うと国宝認定しすぎな感もなくはない。
重要文化財《短刀 銘 西蓮》 鎌倉時代
やっぱり刃部分より鞘や柄の方に目が行ってしまうなあ。
重要文化財《小太刀 銘 真長》 鎌倉時代
後家兼光
《鉄錆地十二間小星兜 勝虫前立・面頬付》 江戸時代
兜の装飾は本当に面白い。
特に変わり兜くらいイカれてるとなおさら良い。
戦場だと目立って的になりやすくなるのではと思うのだが、まあ大将がそんな最前線に立つわけでもないだろうから、それよりもわかりやすく威光を放つような形状の方が大切だったのだろう。
だけど中には罰ゲームかと思うような変な形の兜もあったりするのがまた面白い。
結局大して詳しくならなかったけど、かっこいいなあとかきれいだなあとかすごいなあとか、そんな感じで純粋に楽しむのもまあ悪くないかな、と無理やり納得することにした。
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