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ほめて伸ばすが近道

大人や兄には日々のタスクがあるため、暇を持て余すのは大抵弟である。「あーつまんないなぁ」と、大声で喋りながら近づいてきたら暇の合図。今はちょっとお構いできないなというタイミングのときは、めいろ、折り紙、お絵かき、塗り絵など、隣に座らせてできるワークのおすすめを試みる。

お絵かきに乗り気になった弟は、小さなメモ帳に大好きなスピノサウルスの絵を描き始めた。好きなものを絵で表現するということがあまりないので、出来不出来はさておき、自分の意思でモチーフを考え、絵を描き、色まで塗ってきたことを褒めた。いつもと違うアクションを見ると、こちらも自然と感動モードに入るものだ。「おぉ、上手にできたね!背中のとさかがスピノサウルスっぽくていいよ。かわいいから壁に貼っておくね」「うん!つぎはティラノサウルスをかくね!」 褒められた喜びが、弟を次なる創作へと誘う。その後も次々と作品を生み出し、ペタペタ貼りつけて、壁はあっという間にメモ帳だらけになった。自分の絵が貼られた壁を眺めながら、弟はニコニコ上機嫌だった。

褒められると、もっとやりたい、もっとできる、もっと頑張ろうという力がみなぎるのは大人もそうだ。特に子どもはわかりやすいほどに結果が違ってくる。失敗を執拗に追求したり、できないことを認識させようと精神的に追い込めば追い込むほどに、もうやりたくない、もうできない、頑張りたくないの悪循環に陥ることを何度も経験してきた。こんなにポジティブな空気で話が終わることも滅多にないが、絵の内容を指摘したり、逐一指導するより、創作をひたすら褒めて、もっと描きたいという気持ちを起こさせる方が子どもの画力は伸びる気がする。

何においても、子育ての要は褒めることにあると思っている。思ってはいるけど、常に実践することは、かなりの忍耐を強いられることも分かっている。こればっかりは、何年経っても精進あるのみだ。

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