マガジンのカバー画像

日々是好日(にちにちこれこうじつ)

5
日頃のエッセイ集です。
運営しているクリエイター

記事一覧

運動オンチ

運動オンチ

 駆けっこはビリ、野球をやっても飛んできたボールも取れない、それどころかボールを追っかけようとして転んでしまう。幼少の頃から病気がちで気も弱く、人見知りのところがありました。親はとても心配したと思います。子供が成長して思うのはどのような親であっても心配はするものです。また、生まれてくる環境は誰も選ぶことはできません。不幸と言えば不幸で、幸せと言えば幸せなことです。

体や能力も先代の祖先や親の遺

もっとみる
キリマンジャロの記憶

キリマンジャロの記憶

 キリマンジャロと言って何を連想するか。アフリカの大地に悠然とそびえるキリマンジャロの山か。ヘミングウェイの小説、キリマンジャロの雪か?

 昭和47年、私が中学生の頃、叔父さんから初めて喫茶店と言うところへ連れていかれました。昭和の高度成長期にみられたジャズ喫茶、マンガ喫茶と言った喫茶店ブームが遅ればせながら田舎でもブームになりました。

 白の漆喰に木目の木材がうまく組み合わせられたレトロ調の

もっとみる
50歳からの筋トレ

50歳からの筋トレ

 日曜と木曜の午後はスポーツセンターにあるジムに通っています。50歳で始めて10年になります。私にとって、筋トレはリハビリのつもりで行っています。と言うのも子供のころに小児喘息を発症してから体が弱く、アレルギー体質が大人になってもなかなか治らなかった。そのうえにお酒を飲むようになって、肝臓も弱って肝炎をも患った。肝炎も入院して何とか治療をしてが今度は右目に白内障を発症。白内障の原因も運動不足で酒の

もっとみる
煙草をやめた

煙草をやめた

 昭和六十二年の春、建築現場の工期がないため残業続きで疲労感が抜けない毎日が続いた。さらに、季節の変わり目もあって夜になると喘息を発症し、煙草を吸うことも出来ないようになった。無理して働いたのも訳があった。もうすぐ、子供が生まれることで期待と不安が入り混じって気が高揚していたのだ。そして出産費用を稼がないという焦燥に駆られていた。

 妻から子供が出来たと結婚前に告げられていた。妊娠八か月になるお

もっとみる

うどん屋のアイスクリーム

 昭和46年の夏、遊びに行ってる近所の公園に町営のプールができた。当時、町に本格的なプールが無かったので多くの子供たちで賑わっていました。私も毎日のように友達と泳ぎに行ってました。

 ある日、友達がプールの帰りにかき氷を食べようと言いました。そこは夏になると店先にかき氷の旗を吊るす年寄り夫婦が営むうどん屋でした。夏になるとうどんは売れないのでかき氷やアイスクリームを売っていました。お店は商店街の

もっとみる