【書評】「ドリルを売るには穴を売れ」でマーケティング脳を手に入れる

マーケティングを学ぶならまずはこの本、と言われている本。
前々から知ってはいたものの、上司に貸してもらえたので読んでみました。

本書は「マーケティングとは価値を提供して対価をいただくこと」という顧客起点を常に意識させるように工夫されています。
また、マーケティングでこれだけは押さえておけ!という点にだけフォーカスしていますので、基本をしっかり学ぶことができました。

「想い」といった暑苦しさもあってとても好きな本です。

では、5つの章に分けて紹介していきます。
と、その前にこの本で学んだたった1つのことを。
この1つだけが身に染みればOKと思ってます。

マーケティング脳を鍛えろ

理論を覚えても何の意味もない。
自分の周りの購買行動をマーケティング視点で観察しなさい、ということ。

マーケティングは専門用語がけっこうあって、それを追いかけているだけで学んだ気になってしまいがち。
そうならないためにもまずは購買行動に興味を持つこと。
そして、なぜ買ったのか、なぜ買わなかったのか考えてみる。
その後に初めて、マーケティング理論を使って有用性を体感する。

読むより、聞くより、体感することが一番の学びになるはずです。
以上、本書で学んだたった1つのことでした。


板書的書評って意味ないよな、と思い気付きを書いてみました。
本書の内容をわかりやすく知りたい方は、筆者がまとめてくれてますので↓

ここからは自分のことばで書いた殴り書きまとめです。

第一章 ベネフィット

マーケティングの本質は、「顧客に価値を提供して対価をいただくこと」。
これが本書最大の主張であり、随所に現れる顧客起点の考えです。

そんなベネフィット(価値)は2つの要素に分けることができます。
 ・機能的ベネフィット(いわゆるスペック)
 ・情緒的ベネフィット(所有感など気持ち的なところ)

それとは別軸で、価値の源である人間の3大欲求を以下のように定義しています。
 ・自己欲求(自己満足の欲求)
 ・社会欲求(他人によく思われたい)
 ・生存欲求(生きることや肉体的快楽)

ヒット商品であれば、だいたいいずれも満たした商品となっています。

本書ではベネフィットをこうやって理論立てて考えるよりも、自分の周りにあるマーケティングを見つけて、考える(マーケティング脳を鍛える)ことを推奨しています。

第二章 ターゲティング、セグメンテーション

全人類向けの雑誌があっても、誰にも刺さらず売れないように、売れる商品・サービスにはターゲティングが必要です。
性別・年齢、趣味・嗜好などでセグメント分けをして、どのあたりの人を狙うかターゲットを決めます。

ターゲットは自社の強みや市場の大きさなどを加味して、ビジネスチャンスが見出せるセグメントを選びましょう。

第三章 差別化

競合にない、特色ある価値を顧客に提供するために考えるのが差別化です。
差別化の軸は下記の3つ。

手軽軸
「安い、早い、そこそこうまい」といった軸。
吉野家とか牛角がこの辺の軸を強みにしてます。

商品軸
とっておきの商品を顧客に提供。
バルミューダなんかが、商品軸が強いイメージ。

密着軸
顧客に寄り添ってサービスしてくれるといった軸。
「大将いつもの!」が言える行きつけの居酒屋。

これらの軸はすべて両立することは難しいので、1つ、多くても2つに経営資源を投下するのがポイントです。

第四章 4P

4つのPを一貫性を持たせて提供することが大事です。
主に第三章の手軽軸、商品軸、密着軸といった自社の強みにあわせて4Pを構築していきます。

・Product(製品・サービス)
・Promotion(広告・販促)
・Place(流通・チャネル)
・Price(価格)

第五章 強い戦略は美しい

ディズニーランド、Apple、コカコーラなど、大ヒットしたサービス、商品はどれもマーケティング戦略に一貫性があります。
考えてみるとどこも美しくまとまった戦略になっているなあと思います。
逆に大ヒットと行かなくとも、尖ったサービスを分析してみるのも面白かったり。


以上、体感しないと学べないよな、というマーケティング脳が身に付くきっかけになる本の紹介でした!




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