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インドと日本の働き方・会社の違い

最近、日本の会社が合わないのか今の会社が合わないのか、わからなくなってきたので、棚卸しのためインド時代の働き方と帰国してからの日本での働き方を比べてみようと思います。ただし、私がインド(しかも田舎の南インドコーチン)にいたのは16年も前なので、今とは変わっている部分もあると思います。当時の話となりますので、参考までに読んでみてください:)

1_仕事の範囲

私は当時、ソフトウェア開発の会社で働いていました。会社にいるインド人のほとんどは、プログラマー(コーダー)でした。職種に関して男女、カースト、宗教は関係なかったと思います。これはITの分野が比較的新しいことも関係しているのかもしれません。

プログラマーの中には皆をまとめるマネージャー的な存在が一人いました。マネージャーもプログラマーの一人なので、社長との交渉を担当してはいましたが、他のプログラマーに対して大きな態度を取ることもなく、そこまで上下関係に関して厳しさはなかったように感じます。
日本のようにモラハラ、パワハラみたいなことは一切なかったです。

後は、受付・電話対応の女性が一人と、システムエンジニアの男性が一人。私は、日本企業とのやり取りと翻訳を担当していました。

日本では、会社に入ると性差や在籍年数で実際の仕事内容以外の雑務があると思うのですが、例えばこんな感じです↓

○前にいた日本の会社(14年前):職種に関係なく、お茶出し、来客対応、掃除・コップを洗ったり片付けたり、ゴミを捨てるのは女性の仕事。朝は女性がコーヒーを淹れて全社員に配る。

○今いる会社:職種と性差が同じ括りになっている部分もありますが、お茶出し、来客対応、電話応対、ゴミ捨ては女性の仕事。若手が早く来てコーヒーを淹れるのは当たり前だろと言われました。

インドでは(16年前ですよ!)、コーヒーを自動で淹れるマシーンがあり、一杯ずつ飲めるようになっていました。誰かが早く来て、みんなのためにコーヒーを淹れるなんでことはなかったですね。

さらに、掃除に関しては、カースト的な要素もあると思うのですが、専門の人に委託していたようでした。

(社会制度もありますが)インドの方が、雑務など一切なく自分の仕事に集中できる環境だったと思います。
何度も言いますが、これは16年前のインドです。
(なぜ雑務を減らせないんでしょうかね)

今、私は、度重なる来客対応で朝と昼の時間の集中力が途切れまくりです。
これ、おじさんたちは絶対に出ないんですよね。

2_ミーティングの有無

日本の企業はミーティングが多いという記事を読んで、そういえばインドではどうだったかなと考えてみましたが、きちんと会議室に集まって何かの議題を持って会議をした経験は一度もなかったなと気づきました。

では、どうしていたかと言うと、社長からのお達しは、マネージャーなど少人数が社長室に呼ばれて話していました。呼び出された方は立って話していたので、そんなに長時間ではなかったと記憶しています。

では、社員同士はというと、気になることがあれば、それぞれの席にマネージャーを呼んで、必要人数で話をしていました。画面を見ながら話す必要があるからマネージャーを呼ぶんですよね。日本では自分から行かないと、無礼だと言われかねない・・・。

日本みたいに、○月○日○時~ミーティングします、みたいな文化はなかったです。

3_残業

基本的には(インド人は)残業はしていなかったです。
というのも、インド人が何のために働くのかというと家族のため。
早く仕事を終わらせて家に帰り、家族と一緒に過ごす、ただそのためだけに働いています。なので、残業するなんてもってのほか。
よく日本人が言う、「お先に失礼します」なんて考えは皆無!

「お先に失礼します」って表現は一体何なんでしょうね。
なんで早く帰るのが悪い、みたいになっちゃうのか。
早く帰る=仕事してない、みたいな雰囲気ありますよね。あるんです、うちの会社。おじさんですら、用事がある時以外は、上司より先には帰りません。上司が帰ったあとに、おじさんは帰り支度を始めます。

4_休み(有給)の取り方

家族の行事が入ると、必ず有給を取ります。
特に、家族や友人の結婚式、実家に帰るなどでみんなとにかく休みます。
日本の会社みたいに、
・明日は有給いただきます。何かあればご連絡ください とか
・昨日は有給いただきありがとうございました、ご迷惑おかけしました
なんてことは一切言いません。

今の会社は、みんなが朝礼で、
「有給いただきありがとうございました。ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」って言うんです。
思ってないのにこの台詞を言うのが苦痛すぎます・・・。
っていうか、そもそも朝礼って意味あるのかなとも思ってしまいます。

5_転職するのは当たり前

いい条件の企業があれば速攻で転職するなんて当たり前!
入社して数日でいなくなった人もいました、さすがインド!

給料が低い所に長くいる意味がわからないって感じですよね。

日本では、転職回数が多い=社会不適合者みたいな扱いをされますよね。転職って前向きなはずなのに、日本社会はものすごく生きづらさを感じます。

6_働きやすいのはインド

インドでは仕事や職場、人間関係に関するストレスはほぼありませんでした。あるとすれば、日本人同士の人間関係だけです。
皆の仲も良く、よく電話やメールをしたりしていました。休日には一緒にでかけたり、結婚式に呼んでもらえたりと、私が外国人だからというのもあってインド人同僚がよくケアをしてくれていた気がします。

では何が大変だったかというと、それは生きることでした。
水は出なくなる、ガスがなくなる、電気は止まるなどのインフラがしっかりしていなかったので。
日本ではテロなどによる命の危険もないし、生きるのは簡単ですが、仕事のストレスが大きいですよね。
私は大学を卒業してまずインドの企業に就職してしまったので、帰国してからの日本社会への馴染めなさは半端なかったです、というか今ですら馴染めていません。

いつかまた海外で働いてみたいですが、16年前ほど気力もありません。
せめて、思っていないことを言わされる職場にはいたくないと思いました。


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