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日記⑨(2019.10.26)

 先週、のことだったと思う。ぼくと父と叔母夫婦と祖母の五人で茨城のバスツアーに行った。最近のことに薄められつつある記憶を思い出しながら書いてみようと思う。

 天気をちゃんとは覚えていないが、風がひどく強かったことだけは確かだ。高校で通っていた最寄りの一つ隣の駅――つまりぼくとしては懐かしさばかりが目につく街――で集合し、ぞろぞろとバスに乗り込んだ。
 バスに乗るのは四月の長野以来だった。そのときすっかり長野に心を奪われたせいで道中は田舎に突入していく景色を見ては長野に焦がれた。あそこはとてもいいところだったから。

 最初に着いたのはコスモス畑だった。添乗員が再三、台風の影響を受けてしまってボリュームがなくなっていると言っていたとおり、たくさんのコスモスは倒れてしまっていた。とはいえ――それだけとも言えない気がした。見渡す限り、とはあまり言えないくらいの規模で、二十分もあれば一周できそうなほどだった。これで観光として成り立っているのか、なんて心配さえ生じた。しかしこれは当て馬だった。

 次に向かったのは魚市場で、そこにたくさんの店があるから昼食を、ということだった。このメンバーのなかでは最も権力が低いから(と思っているだけかもしれないが)、為すがままに海鮮丼を食べた。サブとして付けられたあら汁の方が美味しかったように記憶している。ただ、海が見られたのは良かった。

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 三つ目の目的地は今回のメインである国営ひたち海浜公園だった。ネモフィラは時期ではなかったため、コキアコキアと添乗員だけでなく他の乗客も口にしていたけれど、正直期待は出来なかった。コスモス畑の印象がどうも強かったからだ。
 ゲートまで来て園内マップを配られて、すこし気持ちは上がった。なにしろ広いのだ。砂丘エリアやプレジャーガーデン、さらにはゲートからもその大きさが伺える噴水には惹きつけられた。しかし夢は砕かれる。一時間しかなかったのだ。その上コキアの方は強制だった。ぼくが最年少なだけに歩く速度も遅い。絶望的だった。

 しかし――コスモス畑の当て馬様は見事だった。コキアの丘の手前にはコスモスとソバが広がっており、なだらかな傾斜から頂上までコキアで埋めつくされていた。こちらのコスモスは台風などなかったかのように、そこに群生しているのが当然かのように在った。

 正直丘を登るのにも疲れたし、行きたいところなど一つも行けなかったが、ここに来られてよかったとは思った。また来たい、と思えたからだ。ちなみに丘付近で一番気に入ったのはソバだった。

 と、こんな感じだろうか。他は特に思い起こす気も起きない。久しぶりにnote書いたな。
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 これはソバです。

今まで一度も頂いたことがありません。それほどのものではないということでしょう。それだけに、パイオニアというのは偉大です。