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Obsidianで複式簿記の帳簿をつける!もはや会計ソフトは不要に。

メモアプリとしてもよく使われるObsidianですが、プラグインを追加するとさまざまなことが可能になります。
私のnoteでもたびたび登場するのが「Dataview」というプラグインです。

そして、先日は以下のツイートをしました。このDataviewを使えば、集計なども自由にできるので、家計簿としても使える、という内容です。

そして、もっと工夫すると、複式簿記の帳簿もつけられます。仕訳を入力するだけで、合計残高試算表や総勘定元帳、貸借対照表や損益計算書も作成できます。

実際にどんな感じで作成するのかを紹介します。少し簿記の知識があれば、もう会計ソフトはいらないかも。

仕訳を入力する

まずは仕訳を入力しないと始まりません。
Obsidianで1つの取引につき、1つのノートを作成します。

たとえば、交通費を現金で支払った場面を考えてみます。
このときの仕訳は、次のようになります。

これをObsidianのノートで作成します。
勘定科目を階層的なタグで作成し、ファイルのタイトルで仕訳の概要を記述します。
また、フロントマターで「#仕訳/2022/02/05」のように階層的なタグで年月日を指定しておきます。

費目の入力が面倒だと思うかもしれませんが、Obsidianではシャープを入力したときに、タグの一部を入力するだけで補完が効きます。
一度タグを作ってしまえば、今回の場合はシャープに続けて「交通費」と入れるだけで補完できます。

まとめて仕訳を作成する

一般的な会計ソフトでは、仕訳単位でしか入力できません。
このため、電車に乗って打ち合わせに行って、すぐに帰った場合、「往路の交通費」「打ち合わせの費用」「復路の交通費」はバラバラに記録します。

しかし、Obsidianであれば、記録する単位は自由です。
上記の場合、1つのノートに次のようにまとめて仕訳を作成することもできます。

後から見返したときに、仕訳の意味が分かりやすいでしょう。

仕訳の一覧を作成する

仕訳を入力したものの、これでは仕訳がバラバラに保存されている状態です。
たとえば「2022年2月の仕訳を見たい」というときはどうすれば良いでしょうか?

ここでDataviewプラグインが登場します。
たとえば、次のような1文を指定するだけです。

```dataview
list from #仕訳 /2022/02 sort 日付
```

これでその月の仕訳が日付でソートして表示されます。もちろん、階層的なタグなので、その年の仕訳を見たり、その日の仕訳を見たり、というときも上記の「from」の指定を変えるだけです。

合計残高試算表を作成する

仕訳は自動で計算して入力している訳ではないので、金額の入力ミスがあるかもしれません。
このようなときに便利なのが「合計残高試算表」です。
勘定科目ごとに合計と残高を集計し、最終行で左右の金額が一致しないと、どこかに入力ミスがあることがわかります。

これもDataview(Dataviewjs)で作成できます。
JavaScriptのコードを少し書ける人ならそれほど難しくないでしょう。

総勘定元帳を作成する

勘定科目ごとに総勘定元帳も作成しましょう。
たとえば、旅費交通費についての総勘定元帳を作成すると、次のように表示できます。

それぞれのファイルのリンクにマウスカーソルを合わせるだけで、そのファイルの内容がポップアップして表示されるのでとても便利です。

その他、貸借対照表や損益計算書もDataviewで作成できます。

Obsidianで管理するメリット

上記のような面倒なことをしなくても、一般的な会計ソフトを使えばよいと感じる人も多いでしょう。
おそらく、Obsidianを使っていない人であれば、会計ソフトを使う方が便利です。また、簿記の知識がない場合も、便利な会計ソフトを使う方がいいでしょう。

しかし、私がObsidianを使うのは、それだけメリットがあるからです。いくつか例を挙げてみます。

1.データベースを作る必要がない

一般的な会計ソフトでは、事前にデータベースを作り、設定する必要があります。
業務内容によっては、使わない勘定科目もあります。使う勘定科目を自分の業務に合うようにカスタマイズしないと使えないことも。

Obsidianで、上記のようにタグを階層的に使って管理する場合、仕訳の中で勘定科目を書くだけなので、使わないタグを設定することはありません。
上記で書いたように補完もきくので、覚えやすい名前を設定しておけば入力も楽です。

そして、何よりも階層構造のタグを深くできるので、たとえば「旅費交通費」に集計する分類を「旅費交通費/JR東日本」「旅費交通費/地下鉄」のように細かく設定できます。

2.テンプレートを使える

Obsidianではコアプラグインの「テンプレート」を有効にしておくと、テンプレートの内容を自由に作れます。
よく使うものはテンプレートとして登録しておくと、新たな仕訳を登録するときも一瞬です。

3.普段のノートからリンクできる

私が感じる最大のメリットは、Obsidianの普段のノートからリンクできることです。
デイリーノートの中で、上記の「打ち合わせ(2022-02-05)」のようなノートにリンクすると、当日のノートから簡単に中身を確認できます。

そして、この仕訳のノートもただのMarkdown形式なので、自由にメモなどを追加できるのです。

自分が使いやすいようにカスタマイズできるので、確定申告に合わせて表示するのもいいかもしれません。

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