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データ分析の手法は学んだけど、実務でどう使うのか知りたい人は『世界標準のデータ戦略完全ガイド』を読もう

世の中にはデータ分析の解説書が多く出版されています。
入門書だけでなく、専門書まで幅広く、書店に行けば自分のレベルに合った本を見つけられるかもしれません。
しかし、分析の手法を知るだけでは実務に適用できないのが難しいところ。
そんな課題を解決する本が出ました。

『世界標準のデータ戦略完全ガイド』とは

本日、2022年8月30日に翔泳社から発売された本です。

この本を手に取ったときの私の感想は次のツイートの通りです。

そう、図がないのです。
私は本を手に取ったとき、ページをパラパラとめくって雰囲気をつかむのですが、400ページ以上ある本の、どのページを見ても図が一切ありません。

小説のページを開いたときのように、ひたすら文章が続きます。
データ分析の本でこれは斬新です。

その中身は、「さまざまな会社の事例が豊富な本」という一言に尽きます。
この一冊で何十社という会社名と、そこでデータを活用した事例がたくさん登場します。

この本を読む前に

図がないのに、データ分析やデータを活用した例がたくさんある、ということは、データ分析の手法については、ある程度読者が知っていることを求められます。

相関関係、回帰分析、ニューラルネットワーク、決定木、など多くの言葉が登場しますが、いずれも図はありません。
言葉だけで理解できればいいのですが、分析手法をまったく知らない初心者がこの本を読むのは難しいでしょう。

もしデータ分析の手法について、まったく知識がないのであれば、私が書いた以下の本を読んでみてもいいかもしれません。こちらは図がたくさんあります。

こんな人にオススメ

上記のように、データ分析の手法について知らないと読み解くのは難しい本ですが、文章は平易ですし、行間も広いのでどんどん読み進められます。

この本の対象者は、タイトルに書いたように「データ分析の手法は学んだけど、実務でどう使うのか知りたい人」だと思います。

  • どうやってデータを集めるのか

  • どうやってデータを活用するのか

  • 周囲の人を動かすために何をしないといけないのか

  • データ分析用のインフラの構築に何をしないといけないのか

  • データを扱うときの倫理とは何か

上記のようなことを知りたい人は、ぜひ手に取っていただけると、豊富な事例をもとに理解できます。

個人的に好きな部分

せっかくなので、この本の中で個人的に好きな部分を紹介します。

「データ文化を醸成する」

社内全体を納得させるうえで最重要なのは、データ文化の醸成だ。データ文化とは、データを主要な経営資源とみなし、社内の改善に使えるところすべてに活用する思考だ。(中略)要は、社内の全員が「データ・ファースト」の姿勢を取り入れるということだ。どんな課題に対しても、解決への最初のステップは、「この問題を解決するにはどんなデータが必要だろう?と問うことである。

『世界標準のデータ戦略完全ガイド』第15章より

「データ文化」「データ・ファースト」というのは本当に難しいものです。「データ分析は専門の人がやるもの」という意識があると、なかなかデータの活用は進みません。
この意識を全員が持つ、つまり「醸成する」というのはデータ分析で非常に重要だと感じます。

そして、もう一節。

データ文化で肝となるのは、社内の全員がデータの「価値」と、データが自社の成功にどう役立つかを理解していることだ。だからこそ、コミュニケーションが鍵となる。

『世界標準のデータ戦略完全ガイド』第15章より

分析手法についての本はたくさんありますが、こういったコミュニケーションの重要性などについて説いた本はなかなかありません。
もし、データ分析に興味はあるけれど、会社が取り組んでくれないな、と感じている人は、まずはこの本を読んで、「データ文化」を会社に根付かせるところから始めるのがよいのかもしれません。

ぜひ読んでみてください。


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