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ITエンジニアが考える「バックアップ」の理想と現実

最近、マウスのダブルクリックがうまくいかないな…と感じていたら、クリックもときどき失敗するようになり。。。マウスを交換するとスムーズになりました。
そこで、今回は私が普段考えているバックアップについて書いてみます。

データのバックアップ

おそらく「バックアップ」という言葉を聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのはデータのバックアップではないでしょうか?
突然パソコンが壊れた、起動しない、となったときに、困るのがデータが失われることです。パソコンは買い換えれば済むけれど、データは戻ってこない。

最近では、ウイルスによる被害も増えてきました。ランサムウェアは身代金要求型ウイルスと訳されるように、勝手にファイルが暗号化され、元に戻すには金銭を要求されるものです。

こういったデータの喪失から身を守るには、バックアップが必要です。でも、多くの人が忘れがちでもあります。何かトラブルが発生してから、バックアップを取っていないことに気づきます。

「面倒だから」というのが最大の理由でしょう。では、私の場合はどうしているのか、というと、一言で言えば「日々のバックアップはオンラインストレージ」、「定期的に外付けハードディスク」です。

最近はオンラインストレージの種類も増えてきました。OneDriveやGoogleドライブ、iCloud、Dropbox、boxなど、多くのサービスが存在します。普段からここに保存している、という人も多いでしょう。
ただし、無料で使う場合は容量に制限があります。月額数百円で容量が大幅に増加するので、有料プランを使っている人も多いでしょう。

私の場合は、「NextCloud」というアプリを使っています。仕事柄、サーバーを持っているので、そこにサーバー側のアプリを導入し、パソコンやスマホにNextCloudのクライアントを導入します。これでファイルを保存するたびに自動的に同期されます。つまり、ネットワークにさえ繋がっていれば、いつでもバックアップが取得されているのです。

また、定期的に外付けのハードディスクにバックアップを作成しています。だいたい1ヶ月間隔に気が向いたときに実施しますが、旅行などでパソコンを持ち出すとき、などリスクが高そうだな、と思ったときには取得しています。

ハードウェアのバックアップ

データのバックアップだけで十分な人がいるかもしれませんが、私の場合は仕事の時間中はほぼパソコンを使っています。原稿を書く場合も、ソフトウェアを開発する場合も、セミナーで講演する場合も、パソコンがないと仕事になりません。

そこで、ハードウェア面でもバックアップを用意しています。具体的には、「パソコンはほぼ同じ性能のものを2台」「キーボードは外付けのものを2つ」「マウスは外付けのものを2台」「電源ケーブルは同じ種類のものを2つ以上」「スマホは2台」「タブレットは2台」「DVDドライブは2台」「USB変換アダプターは2台」…

挙げれば次々出てきます。パソコン以外でも、時計は2つ、メガネは2つ以上、など基本的にほとんどのものを2つ以上持つようにしています。それぞれ、普段は1つでいいものです。

しかし、2つ持っておくことで、どちらかが壊れたときにすぐに仕事が再開できるのです。前述のようにデータはクラウドにありますので、ネットワークに接続すれば自動的に同期されます。

これは壊れたときに限った話ではありません。Windows Updateのように更新に時間がかかる作業がある場合も、もう1台を使って仕事を継続できます。また、新しいソフトを導入したい場合も、とりあえず1台で試してからもう1台に導入する、ということができます。

できるだけ普段はクリーンな状態で仕事をする環境を用意しておき、ちょっと試したいな、と思った場合にはもう1台で試す、というテスト環境が用意できれば気軽に試せるのです。

当然、お金はかかりますが、「形あるモノはいつか壊れる」という考え方をしていると、壊れたときの影響も少ないものです。

ソフトウェアのバックアップ

これは多くの人にとっては関係のない話かもしれません。しかし、普段使っているソフトウェアが急に使えなくなったとき、あなたはどうしますか?
例えば、ソフトウェアの開発会社が倒産し、そこで作られたソフトウェアは今後サポートされなくなる。可能性は高くはありませんが、ないとも言い切れない世の中です。

そこで、代替ソフトを常に意識するようにしています。OSであればWindowsだけでなくmacOSやLinuxを使えるようにしておく。オフィスソフトであればWordだけでなくGoogleドキュメントも。WebブラウザであればIEだけでなくChromeやSafariも。テキストエディタであればVS CodeだけでなくEmacsやVimも。

当然、なかなか代替ソフトが見つからない場合もあります。その場合も、とりあえず他の方法で何か代替できないか、考えておくことが大切です。

ネットワークのバックアップ

ここまで書いてきて、当然必須なのはネットワークです。今はネットワークがないと何もできません。しかし、自宅のインターネット回線は1つしかない、という人が少なくありません。

最近はリモートワークも普及しつつあり、ネットワークにつながらなくて仕事ができない、という状況は避けなければなりません。ということで、私はネットワークもバックアップを持っています。例えば、現在は自宅に3種類の回線があります。

1つ目はモバイルルーター。基本的にはこれで仕事をしています。持ち運びもできるので、日本全国ほぼどこでも仕事ができます。
残り2つはスマホの回線です。上述のようにスマホを2台持っており、それぞれに別の事業者との契約になっています。

つまり、ネットワークも3つの事業者で別々の回線を用意しているわけです。これなら1つの事業者で障害が発生しても、他の事業者で接続できます。当然、毎月の料金もそれだけ必要です。しかし、継続して仕事をするためには必要なお金だと考えています。

まとめ

上記のように、データ、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークに分けて紹介しましたが、いずれにも共通して理想的だと感じるのは「異なる種類」のもので構成することです。まったく同じメーカーの、まったく同じ機種を使っていると、故障する場合も同じように故障する可能性があります。

そこで、一方がiOSならもう一方はAndroid、一方がWindowsならもう一方はmacOS、一方がオンラインならもう一方はローカルのハードディスク、など違うものを含めて用意しておきます。

もちろん、現実はなかなかそううまくはいきません。異なる種類のものを使っていると、生産性が低下することもあります。慣れの問題ではなく、機能面でどうしても勝てない壁があるのです。
例えば、macOSとiOS, iPadOSの連携です。ここにAndroidが入るとちょっとしたデータのやり取りにも面倒な部分が出てきます。

結果的に、私の場合はパソコンはMacのみ(もちろん機種が異なる2台ですが)にして、仮想環境でWindowsを用意する、といった対応になっています。これはある程度受け入れざるを得ないかな、と感じています。

最後に、私にはどうしても用意できていないバックアップが1つだけあります。それは、私自身です。これだけはどうにもなりません。皆様も健康にはくれぐれもお気をつけください。

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