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「図鑑」と「図解」、どちらが好きですか?

「図鑑」や「図解」というタイトルがついた本を書店で見かけることがあると思います。
「図鑑」というと子供向け、「図解」は大人向け、というイメージがある人もいるかもしれません。

しかし、実際には大人向けの本でも両方存在しています。
私はその両方の本を2冊ずつ書きました。
そして、ときどき「図鑑と図解はどう違うの?」という質問を受けることがありますので、両方を書いている著者の視線でどんな違いがあるのか紹介します。

※このnoteは「図解 Advent Calendar 2020」に参加しています。

どんな本を書いたの?

まずは「図鑑」というタイトルがついた本から。

最初に書いたのは『プログラミング言語図鑑』です。

タイトルの通り、プログラミング言語を集めた本です。世の中には数多くのプログラミング言語がありますが、その一部を図鑑形式で紹介しています。

もう1冊は『IT用語図鑑』です。

最近ではIT業界にいる人に限らず、多くの人がIT用語に接しています。そこで、入門としてビジネスでよく使われるIT用語をまとめて図鑑にしました。

続いて「図解」の1冊目は『図解まるわかりセキュリティのしくみ』です。

セキュリティに関する用語を見開きで紹介し、左ページでは文章で、右ページでは図解で紹介しました。

そして、もう1冊は『図解まるわかりプログラミングのしくみ』です。

これは上記で紹介した「セキュリティのしくみ」のシリーズ本で、プログラミングの用語を見開きで紹介しています。

「図鑑」と「図解」、何が違うのか?

どちらも図を使っていることに違いはありません。
しかし、明確な違いとしては、「図鑑」はイメージであり、「図解」は解説です。

このため、「図鑑」の図を見た人から、「ここのコレはどういう意味?」と聞かれても答えられないものがあります。雰囲気で描かれている部分も多く、著者である私の意図というよりも、イラストレーターさんの想像で描かれる部分もあります。

実際、「図鑑」の場合は私が原画を描いたわけでもなく(私は絵の才能がないので描けません)、「こんな感じ?」という雰囲気を1行から数行で書いた文章を、イラストレーターさんの手によって綺麗な絵にしていただいています。

一方で、「図解」については、図に含まれるすべての要素について、意図して書いています。順番に意味がある、並列にすることに意味がある、というように、図を見て直感的に理解できるだけでなく、正確に伝わるか、ということも意識しているのです。

そして、「図解」の場合は私がすべての図のもとになったものを描いています。これはイラストではなく、PowerPointなどでラフを作成し、それを綺麗な絵にしていただいています。

このように、書籍の場合で、同じような絵に見えても、作り方が全然違うのです。

他の本との違い

今回した「図解」の本以外にも、セキュリティやプログラミングの本を書いています。わかりやすいところでは、以下のような本が挙げられます。

これらの本ではタイトルに「図解」とは入っていませんが、いずれにも多くの図が登場します。
しかし、基本的な考え方として、「図解」というタイトルが入っている本では、できるだけ図解で説明しようという方針があります。もちろん、すべてを図解で説明できるわけではなく、文章でじっくり解説する必要がある部分はたくさんあります。

このバランスが多いか少ないか、というのもありますが、これは書籍のコンセプトと言えるでしょう。
これらの本との違いは、他のnoteに書いていますので、合わせて読んでいただけると嬉しいです。


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