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固定は、デメリットしかない

こんにちは、院長の増田です。みなさんは、ケガや捻挫をされた場合にどんな処置を思いつきますか?ギブス固定、サポーター、装具、インソールetc かと思います。当院は、祖父の代から急性のケガの人を60年継続して見てきています。そんな、外傷のデータを多く持つ僕が思うのは

「固定にはデメリットしかない」

ということです。本日は、この問題についてお話しします。さっそくですが、結論から申し上げます。固定やサポーターはいりません(厳密には、急性期〜亜急性期には必要な場合はあります)私が、サポーターや固定が必要ないと考える理由は3つあります。

1.固定は、関節を固める
2.固定は、医療制度に影響を受けているから
3.機能低下

いきなり、何いってんの?と思うので、一つずつ説明します。

①固定は関節を固める

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人間の関節というのは、「動かないと固まる」性質があります。具体的に説明しますね。この説明ではよくわかりませんよね?

例を出して見ましょう。

「みなさん映画に行ったら、腰とか痛くなりますよね?」

また、こんなことはありませんか?

「同じ姿勢で、掃除をしていたら、膝が痛くなってきた」

つまり、動かない=血流が悪くなる=固まるです。こういう現象が起こっているわけですね。以前、私はこんなツイートをしています。

「不使用の学習」とは脳科学の本から抜粋した言葉です。脳は良い動き、悪い動きを鑑別できません。そして、「長期的に固定肢位」をとることで、関節が固まってしまいます。これが、私の考える理由の一つです。

そして、二つ目の理由がこれ

②医療制度に影響を受けるから

ギブス固定やサポーターは、整骨院や病院で行う治療のスタンダードな治療となっています。とにかく、固定をして安静がスタンダードなんですね。
言い換えると、とりあえず放置をしている。根本的に治すわけではないんです。安静にするんですが、治療ではないと個人的には思います。ここでも、以前のツイートをご紹介いたします。



そして、ここで医療制度上の問題もあります。医療とは、ある種ビジネスであり、経営の側面もあります。ドクターは、数百人の患者さんを診察します。あなたはその中の一人なんですね。これは、仕方のないことなんです。批判している訳ではありません。もちろん、ドクターにもリスク管理という仕事がありますから。

痛みが取れない=固定期間の延長

これは当たり前なんですが、患者としたら少し辛いです。「また2週間あとか・・・」となります。そして、理学療法の先生は、医師の元に動かざる負えないのです。ですので、まとめますと

不必要に固まってしまう、期間も出てくる可能性がある。

これが、医療制度上の問題なんです。病院というのは、1日に何百人の患者さんを診察していかなけれなりません。ですので、保守的な治療になりがちです。そして、次に考えなければいけないのが固定によって出てくる「機能低下」の問題です。

③機能低下


機能低下とは、使わないことにより機能が低下することです。ここで、具体的に例を出します。あなたが、ギブスを巻いていたとします。それから、二週間後に固定を外してみて、歩いてみてください。そこで、不安感や硬さを感じて、動けない状態に気がつくはずです。

これが『機能低下』です。

私は、昔こんな実験をしました。

固定を長期間していると、関節が動かなくなります。間違えて欲しくないのが次の事柄です。「固定でいきなり筋肉が痩せるわけではない」ということです。まず、固定をすることで、神経の働きが落ちます。身体でゆうところの『ケーブル』です。図をご覧ください。

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             (出典 一般社団法人 日本血液製剤機構)


元の状態にしたいのに、身体との間にタイムラグが生じる訳です。神経系と機能を上げないと、捻挫は治りません。この点でも、不必要な固定はいらないと断言できます。

まとめ

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固定はデメリットが多い
・関節を固める機能低下
・医療制度に影響を受ける固定期間
・機能低下を引き起こす

上記の3点で、固定はデメリットしかないと感じています。当院は外傷では、創業60年で何万人のデータを持っております。昔はギブス固定を、ガチガチに固めて巻いていました。だからこそ、拘縮(固まった関節)を動かす技術や苦労を誰よりも知っています。

正直にいって、ギブスやサポーターを推奨してきました。今ハッキリ断言できます。不必要な固定はいらない。

固定は放置であり、積極的治療ではない。

一個人の意見ですので、賛否両論あるかと思います。長文を最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。何か参考になりましたら、感想など頂けると嬉しいです。また不明な点はいつでもご相談下さいませ。

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