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品川駅の「今日の仕事は楽しみですか」の問題点

先日、とある飲食チェーン店で朝ごはんを食べました。

レジでの会計後、ふとレシートを見ると、「アンケートにご協力ください」とあり、アンケートに飛ぶQRコードが記載されていました。

企業アンケートに回答することは普段ならあまりないのですが、お会計をしてくれた新人の店員さんが頑張っていたので、なんとなく回答したいという気になったのです。

アンケートに答えると、クーポンもらえるからというのもあるけど(笑)

穏やかな気持ちで回答を始めたのですが、次第に心に雲がかかり始めます。

例えば、「店員の接客態度はどうでしたか?下記の中から選んでください」的な質問があります。

その回答の選択肢というのが、すべてネガティブなものなんですね

「笑顔がない」とか「はきはきしてない」とか「清潔感がない」とか。

他の質問も選択肢がどうようにすべてネガティブなんですよ。

「この中にはない」という選択肢もあったので、私はそこにチェックをしましたけどね。

接客態度や店内環境が素晴らしいことは「あたりまえ」で、ネガティブな要素を見つけていく減点方式なんですね。

でもその「あたりまえ」に対しては店員さんも努力をしているはずです。

それに敬意を払わず、悪いとこだけとあげつらっていくというのは、フェアじゃない。

自由に記入する欄もあるのですが、記入せずとも次の項目に行けちゃうんですよ。

そしたら面倒だから書かないで次に行くじゃないですか?

ポジティブなことを書けるのがそこしかないから、私は書きましたけどね。

「ほめずに、ダメなところだけを指摘する」という風潮が日本にはまだまだあるようで、それが労働意欲の低下につながると思うんです。

「今日の仕事は楽しみですか」という広告が品川駅内のコンコースに沿って延々と貼られていたことが「ディストピア」「煽ってる」「神経を逆なでしている」と批判を浴び、取り下げられたそうです。

これに関して、そう感じた会社員の人たちが働いている企業のお偉いさんは安心したと思いますよ。

だって、矛先が自分たちに向かわずに済んだのだから。

私がその「今日の仕事は楽しみですか」に負の感情を抱いたら、「くっそ~給料安いし、働きづらいし、会社むかつくな~」って、広告を打った企業にではなく、自分が働いている会社に対して怒ってしまうと思うので。

怒りたくないから会社員を辞めて、個人事業主になったんですけどね。

私はその広告よりも、広告に対して負の感情を抱く土壌を作っている企業のほうが問題だと思います。

冒頭に書いたネガティブな要素をあげつらうためだけのアンケートを作るような企業が、まさに負の感情を抱く土壌を作っている企業だと感じてしまいます。

私はその広告をネットで目にしたとき、自分の会社員時代を思い出し、「確かにディストピア感やばい」とは思いましたが、今の自分の労働環境と照らし合わせると、「うん!楽しいよ」でした。

広告よりもまず、労働環境の是正をしたほうがいいと実体験からも思ったというお話です。





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