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【文フリ東京新刊】タイムシェアがちょっとわかる本【その2】

その1はこちら

新刊について

5/19の文フリ東京にて、「タイムシェアについてちょっとわかる本」を頒布します。A5版、30Pで500円を予定しています。
宣伝として、1週間かけて本文内のいくつかのセクションを無料で公開いたします。

【新刊より抜粋】最初の説明会

ヒルトンのブースでサラッと説明を受けたのが2020年の初め頃。その際に言われたのが「正式な説明会【注1】に参加いただけますと、今なら体験でハワイの物件に宿泊できますよ!」という聞こえがいい営業文句。本当かいな、と半信半疑ながらも時間があったので説明会に参加してみることにしました。なお、2020年の初めといえばコロナが俄かに問題になりつつなる前段階の頃です。当時は楽観的だったので、まぁそのうち収まるだろ、となんの当てもない希望を抱いていたのは否めません。
いざ説明会に参加してみると、すぐにカラクリを教えてくれました。後段で説明しますが、通常宿泊に必要な期限付きのポイントを超格安で購入し、ハワイの物件に泊まってみませんか、ということでした。追加の条件としてはハワイでも購入説明会に参加すること。宿泊費用をほぼ無料にしても、その場で購入させてしまえば十分ペイできるというわけです。もちろん購入するか否かの選択は可能ですが、現地の開放感と宿泊した満足感で成約してしまうのは想像に難くありませんでした。
ここでポイントのシステムを簡単に説明します。正式に物件を購入することによってもらえるポイントはクラブポイントと呼ばれます。このポイントを利用して宿泊できる施設は実は全世界で200もない【注2】のです。しかもそのほとんどがアメリカとその近隣に集中しています。アジアに至っては20もないです。そのため、日本に在住している限り余程の時間と資産がない限りクラブポイントはそのままでは使えません。そこで説明会で確認すると、クラブポイントはヒルトンオナーズポイントか、RCIポイントに交換できる【注3】、ということでした。
だんだん話が複雑になってきて、そろそろ読むのに飽きてきたかもしれません。でも待って!ここが日本においてタイムシェアを最大に活用できるかもしれない重要な箇所なので解説させてください。ヒルトンオナーズとは、誰でも無料で入会できるヒルトン系列の会員サービスです。宿泊することや関連の施設を利用することでポイントが貯まり、そのポイントを使ってヒルトン系列のほとんどのホテルに宿泊できます。ということは、クラブポイントがオナーズポイントに変換できる=ヒルトン系列のほとんどのホテル宿泊に利用できる、ということです。そしてクラブポイントとオナーズポイントにはレートがあり、一般的な物件で1:20です。たとえばクラブポイントを6000持っていたとして、それを全てオナーズポイントに変えた場合、オナーズポイントは120000ポイントとなります。120000ポイントだと、シーズンによって上下するが大体大人2名でヒルトン東京に1週間宿泊する時に必要なポイントとなります。
ただし、これは注意が必要でクラブポイント→オナーズポイントは交換できますが、オナーズポイント→クラブポイントには変えられません。
とまぁこのような説明を矢継ぎ早に受けつつ、筆者と妻の出した結論はとりあえずハワイに行き、鉄の意志で説明会を切り抜けようというものでした。つまりこの時点では購入する気などさらさら起きず、ただハワイ旅行だけを享受しようと考えていたのです。だって通常なら680万円かけて購入する物件分のポイントが、20万円でもらえる【注4】というものでしたから……。

注釈

【注1】正式な説明会:ホテルでない場所で行われる、グランドバケーションズのためだけの説明会。行くだけでポイントがもらえたりします。
【注2】200もない:正確には北米で120程度、欧州で20、その他なのでほとんどは北米圏に集中しています。
【注3】交換できる:なおこれらの別ポイントに交換する際も交換手数料としていくばくか費用がかかります。地味に高いです。
【注4】20万円でもらえる:このような思考に持っていかせられているあたり、営業戦略にまんまと乗せられている感じがしますね。間違いありません。

その3はこちら




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