そうじ力「汚れとり」で悟りを開いたお坊さん1
そうじ力の「汚れとり」を開発するにあたって、モデルとした方がいるのでご紹介しましょう。
その方は、2400年前のお釈迦様のお弟子さんです。
名前を周梨槃特といいます。
この方は、とても頭が悪いので有名でした。
どれほど頭が悪いのかといいますと、自分の名前もときどき忘れてしまうほどです。
当然、お釈迦様の説かれる教えも覚えられません。
聞いたこところから忘れていくありさまです。
彼には非常に頭のいいお兄さんがいました。
ある日、お兄さんが、周梨槃特に、
「お前は頭が悪すぎる。
いくら学んでも覚えられないのなら、釈迦教団に迷惑がかかるから、やめてくれないか」
と頼むわけです。
周梨槃特も、その通りだと納得し、
「私は愚かなので、これ以上弟子でいると迷惑がかかるのでやめさせてください」
とお釈迦様に申し出ます。
するとお釈迦様は、
「自分を愚かであると知っている者は愚かではない。本当に愚か者は自分の愚かさを知らない者である」
といい、周梨槃特にほうきを差し出しました。
「これから毎日、『この垢(あか)除かん、塵(ちり)払わん』と、この言葉だけをくり返し唱えながら、境内を掃きなさい」
といわれました。
周梨槃特は、それを素直に実践します。
その修業を笑う者もいましたが、10年、20年と続けていきました。
そして、ついには、阿羅漢(あらかん)の悟りを開き、多くの人の前で説法すると皆が涙した、と伝えられています。
「阿羅漢の悟り」とはどのような悟りなのでしょうか。
調べてみると、阿羅漢の悟りとは、心が透明になり、俗世のこだわりがなくなり、悩みや恐れ、不安がない、自由で平和な状態なのだそうです。
いわゆる、幸せを手にいれた状態です。
また、この境地に至ると、相手の心が手に取るようにわかるのだそうです。
だから感動的な説法をして、多くの人が涙を流したわけですね。
影響力、感化力も出てくるのです。
私はこの話を聞いたとき、すごいと思ったのです。
悩み、恐れ、不安という悲観的な感情が消えるのですから、これは感情の若返りそのものです。(次回につづく)
『捨てるほど若返る!
人生の「そうじ力」』P,125
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